どんな二次式も完全平方式に変形して、根号を取れる形にする。
11.1では、二次方程式を解けるのは、最初から (x − 3)2 = 16 のような完全平方式の形をしているときだけだった。両辺の平方根を取れば答えが出る。でも現実には、ほとんどの二次方程式はそんな形をしていない。x2 + 6x + 5 = 0 には、どこにも明らかな完全平方式はない。だからどんな二次方程式でも、その親しみやすい完全平方式の形に変形する操作が必要だ。その操作が平方完成であり、名前のとおりそのものだ。もう少しで正方形になりそうな形に、足りない一片を加えて完成させる。
この授業を終えると、x2 + bx を見ただけで平方を完成させる数をすぐに答えられるようになり、どんな二次式も (x + m)2 = k の形に書き換えて、そこから方程式を解けるようになる。先頭係数が 1 でない場合も含めて。色には意味がある:青は平方の項、x2 のブロック、ティールは一次項 bx、両辺の帯、琥珀色は定数——そして加える小さな角の数、紫は根、つまり求める答えだ。
完全平方式の展開はもう知っているはず。因数分解から:
(x + m)2 = x2 + 2mx + m2
左から右に読めばおなじみだ。この授業のコツは、右から左へ——逆に読むことだ。前の二項、x2 + 2mx だけ渡されて「完全平方式にするには何が足りないか」と聞かれたとしよう。真ん中の項に注目する。x の係数は 2m だ。つまり m はx の係数の半分にすぎない。足りない最後の項は m2——その半分の数を二乗したものだ。
x2 + (係数)·x が見えたら、完全平方式を完成させる項は (係数⁄2)2 だ。x の係数を半分にして、二乗する。それだけだ。
具体的に確かめよう。x2 + 6x を考える。6 の半分は 3、3 を二乗すると 9。よって平方を完成させる数は 9 で、実際に
x2 + 6x + 9 = (x + 3)2
括弧の中の 3 は、半分にして得た 3 と同じだ。これは偶然ではなく、そうなる理由がある。x の係数を半分にした数が正方形の中に入り、その数を二乗したものを外に加える。
m をドラッグして、(x + m)2 の 4 つの部品に面積が分かれる様子を観察しよう。琥珀色の角が、平方を完成させる片だ。
次は、この観察を自動でできる習慣に変えよう。x2 + bx があれば、手順は三つの言葉でまとめられる:半分にして、二乗して、加える。
素早く 3 回練習しよう。x2 + 8x なら:8 の半分は 4、二乗すると 16、よって x2 + 8x + 16 = (x + 4)2。b の符号はそのまま引き継がれる:x2 − 8x なら、−8 の半分は −4、(−4) を二乗してもまだ 16(二乗するとマイナスが消える)だから x2 − 8x + 16 = (x − 4)2。加える数は常に正;符号は括弧の中にしか現れない。
奇数係数でも壊れない——ただ分数になるだけだ。x2 + 5x なら:5 の半分は 5/2、二乗すると 25/4、よって x2 + 5x + 25/4 = (x + 5/2)2。分数を怖がらなくていい;手順はまったく同じだ。
加える数は (b/2)2 であって、b2 ではない。x2 + 6x に加えるのは 9 であり、36 ではない。係数そのものを二乗してしまったなら、半分にするのを忘れている。次の節の図を見ると、なぜ半分にしなければならないかがはっきりわかる——帯は二本あり、一本ではないからだ。
言葉についてひとこと。式を書き換えるだけなら「加える」は文字通り角を書き込んで正方形を完成させることを意味する。しかし方程式を解くときは、一方の辺に自由に数を加えることはできない——等式を保つために両辺に加えなければならない。これは 11.2.4 で詳しく扱う。今は角を特定することに慣れよう。
b を上下に変えてみよう。破線の琥珀色の正方形が、x2 + bx を完成させるために加えなければならない角だ。
これまでは二乗の項が係数 1 の x2 だと仮定してきた。手順にはそれが必要だ。だから先頭係数——これを a と呼ぼう——が 1 以外なら、最初の一手でそれを取り除く。方法は二つあり、式を書き換えるだけか、方程式を解くかによって選ぶ。
方程式を解くなら、各項を a で割る。 全体がゼロに等しいので、a で両辺を割っても何も変わらず、先頭係数をすぐに 1 にできる。2x2 + 12x + 10 = 0 で試そう:
式を書き換えるだけなら、x を含む項から a を括り出す。その後、括弧の中で平方完成する。3x2 − 12x の例:
方程式を解く場合——ほとんどの場面——は、a で割る方がミスが少ない。余分な係数を括弧に対して追跡する必要がないからだ。迷ったら先に割ろう。
いよいよすべてをまとめて実際に解いてみよう。手順にはリズムがあるので覚えておこう:定数を右辺に移す、角を両辺に加える、左辺を完全平方式に折りたたむ、根を取る。 x2 + 6x + 5 = 0 を最初から最後まで解こう。
二点強調しておく。まず、初心者がよく見落とすステップ:角を両辺に加えること。9 を左辺だけに加えたら方程式が変わり、答えが間違う。次に、根を取るときの ±——正の数には平方根が二つあり、負の方を落とすと解を一つ失う。「答えが一つしか出ない」ミスのほとんどは、± の付け忘れが原因だ。
折りたたむと (x + m)2 = k になる。平方は負になれないので、k < 0 なら実数解はない——実数を二乗して負にはなれない。例えば (x + 2)2 = −9 には実数解がない。これはミスではなく、その放物線が x 軸と交わらないことを方程式が教えてくれているのだ。
x2 + bx + c = 0 の b と c を設定しよう。(x + b/2)2 = k に折りたたまれる様子を観察して、根を読み取ろう。
「平方完成」は比喩ではない。ある図の文字通りの説明であり、一度見れば「なぜ半分にして二乗するのか」を永遠に忘れない。x2 + bx から始めよう。面積として読む:一辺 x の正方形(面積 x2)に、縦が b で横が x の長方形(面積 bx)が並んでいる。
操作はこうだ。縦 b、横 x の長方形を真ん中で縦に切り、それぞれ幅 b/2、長さ x の2 枚の帯にする。一枚を正方形の右辺に、もう一枚を下辺に添える。できたものを見ると、ほぼ一辺 (x + b/2) の大きな正方形だ——ただし遠い角に、ちょうど b/2 × b/2 の小さな正方形の欠けがある。
角をオン・オフで切り替えよう。「前」は x2 + bx、「後」は完成した正方形 (x + b/2)2。
そしてオチ。その欠けた形を正真正銘の正方形にするには、欠けた角——面積 (b/2)2 の小さな正方形——を填め込まなければならない。その角を加えることが「平方完成」だ。それが名前の由来のすべてだ。そして図は、単に暗記しがちな公式の理由を教えてくれる:帯が2 枚あって長方形を分け合うから幅がそれぞれ b/2 になり、そのため開いた角の一辺が b/2 となり面積は (b/2)2 だ。だから二乗の前に半分にする——b2 を加えたら角が 4 倍大きくなってしまう。
完全平方式の公式を逆に読むと、x2 + bx には角 (b/2)2——x の係数の半分を二乗したもの——がちょうど一つ足りないとわかる。加えると式は (x + b/2)2 にたたまれる。先頭係数が 1 でなければ先に割り切る(式を書き換えるだけなら括り出す)。方程式を解くには、定数を右辺に移し、角を両辺に加え、左辺を完全平方式にたたんで、± をつけて根を取る——それで 根 が二つ求まる。右辺が負になれば実数解はない。全体は幾何学でもある:正方形の周りに二本の帯を置くと角が一つ開き、そこを填めるのだ。
この章でいちばん大胆なことをする:平方完成を数字ではなく文字 ax2 + bx + c = 0 そのものに施す。角は (b/2a)2 になり、代数がたたまれて、解の公式 −b ± √(b2−4ac)2a が飛び出す——暗記するものではなく、自分で導いたものとして。
まず自分で解いてから、答えを開いて確認しよう。
正しいと思う答えを選ぼう。
この授業は CCSS A-REI.B.4a(平方完成による二次方程式の解法)と A-SSE.B.3b(平方完成による頂点・最大最小の明示)を対象にしている。支配的な二つの誤解——b2 を加えてしまうこと(本来は (b/2)2)と、方程式を解くときに角を片側だけに加えてしまうこと——はどちらも正面から取り上げる。グノモン・面積モデルは最初の誤解の解毒剤だ。長方形を二枚の帯に分ける必要から「半分にしてから二乗」が視覚的に必然となる。「± をつけて根を取る、k < 0 に注意」という枠組みは、判別式や放物線の頂点形式への後の学習の土台を作る。生徒が幾何学的な図を自分の言葉で語れるようになれば、方法を暗記するのではなく理解して使えるようになる。