同じ数を何度もかけ算するとき、一度だけ書いて回数を数えよう。
1つの細胞が1時間ごとに2つに分裂します。1時間後には 2 個。2時間後には 2×2 = 4 個。3時間後には 2×2×2 = 8 個。同じ数 — 2 — が何度も何度も登場します。この長い積を書き続けるのはたいへんなので、数学者は省略記法を発明しました。くり返す数を一度だけ書いて、その上に小さく個数を記すのです。その省略記法が 累乗 です。読み方・書き方・値の求め方を身につけるのが、このレッスンの目標です。
このレッスンでは、すべての図と数式に統一した色の使い方をしています。底(かける数) は ティール(青緑)。指数(上に書く小さな数) は アンバー(琥珀色)。累乗の値(かけ算の答え) は 紫。そして 負の符号 は 赤 です。このレッスンでは符号に特に注意が必要だからです。
このレッスンは Stage 5 で学んだ知識を土台にしています。符号付き の数のかけ算(負×負 = 正)と、有理数(分数)のかけ算です。累乗はくり返しのかけ算にすぎないので、Stage 5 のすべてのルールがそのまま適用されます。
温かい培地に細菌が1つあると想像してください。1時間ごとに分裂するので、個数は 2倍 になります。最初は 2 個。1時間後には 2×2。もう1時間後には 2×2×2。難しいことは何も起きていません — ただ 2 を何度もかけ続けているだけです。同じ 数が何度も何度も。
これを1日中書き続けることを想像してください。10時間後には 2×2×2×2×2×2×2×2×2×2 という式を目の前にすることになります。この 2 の個数を数えてみてください — 10 個ありましたか? 確認するのが難しいですね。これがまさに問題です。同じ因数が長々と並ぶのは書くのも面倒で、数え間違いも起こりやすい。このように記法が煩雑になるとき、数学者は必ず短縮します。
その省略記法はこうです。2 を10回書く代わりに、一度だけ 書いて、何個あるか を右上の小さな数で記します:210。大きな 2 は「何をかけるか」を表し、小さな 10 は「何個かけるか」を表します。このコンパクトな表現が 累乗 です。だから 2×2×2 は 23 となり、かけ算をすると 23 = 8 です。
累乗 とは、くり返しのかけ算をコンパクトに書いたものです。底 はかけられる数、指数 はその個数を表します。25 は 2×2×2×2×2 — 2 が5つということです。
指数 を1から8まで動かして、2 の連なりが増えていく様子を見てみましょう — そして同じものが累乗として短く書けることを確認しましょう。
すべての累乗は3つの部分からできていて、それぞれに名前があります。記号 an において、下の数 a が 底 — かけられる数です。右上の小さな数 n が 指数 — 底を何個かけるかを表します。そして、かけ算をすべて実行した後に得られる数が 累乗の値、つまりその式の 値 です。an は「a を n 回かけ合わせた数」と読みます。
2乗と3乗には特別な読み方があります。22 のような2乗は「2 の 2乗(にじょう)」と読みます。22 が一辺 2 の正方形の面積になるからです(6.2 でくわしく学びます)。23 のような3乗は「2 の 3乗(さんじょう)」— 一辺 2 の立方体の体積です。4乗以上は「〜乗」とそのまま読みます:54 は「5 の 4 乗」。
23 は 2×3 では ありません。指数は 個数 であって、因数ではないのです。23 = 2×2×2 = 8 ですが、2×3 = 6 です。この混同は累乗でいちばん多い間違い — 迷ったら因数を全部書き出しましょう。
それぞれの累乗を読み、値を求めなさい。
• 32 = 「3 の 2乗」= 3×3 = 9。
• 103 = 「10 の 3乗」= 10×10×10 = 1000。
• 54 = 「5 の 4 乗」= 5×5×5×5 = 625。
底 と 指数 を選んでください。累乗の読み方を表示し、展開して値を計算します。
底は正の整数でなくてもかまいません — 負の数 や 分数 でもよいのです。意味は変わりません:累乗は「底を指数の個数だけかけ合わせる」だけです。変わるのは、Stage 5 で学んだ符号付き数と有理数のかけ算のルールが、その連鎖の中で本格的に活躍するという点です。
(−2)3 を考えましょう。底はかっこの中全体、つまり −2 です。したがって (−2)3 = (−2)×(−2)×(−2) です。符号に気を付けながら順番にかけていきましょう:(−2)×(−2) = +4(負×負 = 正)、さらに +4×(−2) = −8。負の符号はステップごとに反転するスイッチのように働きます。
分数が底の場合も同じようにまじめに計算します — 分子と分母を別々に累乗します。 (23)2 = 23×23 = 2×23×3 = 49. The numerator gets squared, the denominator gets squared — that's all.
(−2)2 は底が −2 という意味です:(−2)×(−2) = +4。ところが −22 は「22 の反対の数」という意味で、底は 2 だけ、マイナスは外で待っています — だから −(2×2) = −4。同じ数字でも答えが正反対になります。かっこが「符号が底に含まれるかどうか」を決めるのです。(このわながについては 6.1.5 でさらに詳しく学びます。)
底を選んで 指数 を動かし、かけ算と符号の変化(または分数の変化)を確認しましょう。
負の底で何度か計算すると、きれいなパターンが見えてきます。−2 の累乗の符号を観察しましょう:(−2)1 = −2、(−2)2 = +4、(−2)3 = −8、(−2)4 = +16。負・正・負・正 — 当番表のように符号が交互に入れ替わります。
理由は見えれば簡単です。負×負 = 正ですから、負の数は ペアになって打ち消し合います。偶数 の指数なら、すべての負の数がペアになって相殺され、結果は 正 になります。奇数 の指数なら、ペアになれない負の数が1つ残り、それが答えを 負 にします。
| (−a)n | n が偶数 | n が奇数 |
|---|---|---|
| 結果の符号 | + 正 | − 負 |
| 理由 | 負がペアで消える | 負が1つ余る |
負の数 が底のとき、累乗の符号は 指数 が偶数か奇数かだけで決まります:偶数 → 正、奇数 → 負。正の底なら、指数に関係なく結果は常に正です。
底 −2 の 指数 を動かして、当番表が光る様子を見ましょう — 偶数行は正、奇数行は負。
累乗がより長い式の中にあるとき、計算する順番が決まっています。順序は:まず累乗、次にかけ算・わり算、そして足し算・引き算 — そして かっこは行列の先頭、かっこの中を何よりも先に計算します。累乗が最初なのは、累乗それ自体がかけ算の集まりだからであり、その束を他と混ぜる前に解決する必要があるからです。
3 + 2×52 を試しましょう。まず累乗:52 = 25。次にかけ算:2×25 = 50。そして足し算:3 + 50 = 53。うっかり 3 + 2 を先に計算すると間違えて 125 になってしまいます — 順序が大切です。
このレッスン最大のわながを見てみましょう。(−2)4 と −24 を比べてください。ほぼ同じに見えますが:
(−2)4 = 16 but −24 = −16
なぜでしょうか? (−2)4 では、かっこが −2 を底にしているので、4つの因数はすべて −2 で、4つの負がペアになって +16 になります。−24 にはかっこがないので、指数 はすぐ下の 2 だけに結びつきます — 先頭のマイナスは外で待っています。まず 24 = 16 を計算し、その後 マイナスをつけます:−16。指数は先頭のマイナスよりも強く結びつくのです。
かっこのない先頭のマイナスは底の 一部ではありません。−32 = −9(32 = 9 を先に計算し、それから符号を変える)、一方 (−3)2 = +9 です。負の数そのものを底にしたいなら、必ずかっこで囲む必要があります。
2つの有名なわなと 3 + 2×5² の例を切り替えて、1段階ずつ計算を追ってみましょう。
累乗 とは、くり返しのかけ算を一度書いて個数を記したものです。底 が何をかけるかを示し、指数 が何回かけるかを示し、累乗の値 がその答えです — だから 23 = 2×2×2 = 8 であり、2×3 ではありません。負の数や分数の底は Stage 5 のルールに従って一歩ずつ計算します。負の 底は偶数指数で 正、奇数指数で 負 になります(負の数はペアで打ち消し合う)。長い式では累乗を最初に計算します — でも、かっこが底を決めることを忘れずに:(−2)4 = 16、一方 −24 = −16。
最初の累乗である 2乗 には、こんな疑問が隠れています:52 = 25 なら、2乗して 25 に なる 数は何? この逆向きの問いが 平方根 です — 6.2 · 平方と平方根 で登場します。
まず自分で解いてから、答えを開いて確認しましょう。
6問で定着確認。正しいと思う答えをタップしてください。
このレッスンは Common Core 6.EE.A.1「整数の指数を含む数式を書き、値を求める」に対応しています。また、累乗記法がくり返しのかけ算にすぎないため、Stage 5 で扱った符号付きの数と有理数のかけ算のルール(6.NS.C および 7.NS.A.2 に対応)も活用します。最もよくある誤概念 は、23 を 2×2×2 = 8 ではなく 2×3 = 6 と読んでしまうこと — 指数を個数としてではなく因数として扱う誤りです。対策 は、計算する前に必ずかけ算の連鎖を全部書き出し、「2を3回かけ合わせた数」と声に出して言うことです。次によくある誤りは符号のわなで、−24 = −16 と (−2)4 = 16 の違いです。「マイナスはかっこの 中 にあるか、つまり底の一部か?」と毎回確認させることで解決できます。