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Stage 6 · 累乗・根・実数

6.1  くり返しのかけ算から累乗へ

同じ数を何度もかけ算するとき、一度だけ書いて回数を数えよう。

12〜14歳向け · まず直感、それから記号
知識ポイント
1時間ごとに2倍になる細胞:2×2×2 と書くのは面倒なので、一度だけ書いて個数を数えます — 23 = 8

1つの細胞が1時間ごとに2つに分裂します。1時間後には 2 個。2時間後には 2×2 = 4 個。3時間後には 2×2×2 = 8 個。同じ数 — 2 — が何度も何度も登場します。この長い積を書き続けるのはたいへんなので、数学者は省略記法を発明しました。くり返す数を一度だけ書いて、その上に小さく個数を記すのです。その省略記法が 累乗 です。読み方・書き方・値の求め方を身につけるのが、このレッスンの目標です。

このレッスンでは、すべての図と数式に統一した色の使い方をしています。底(かける数)ティール(青緑)指数(上に書く小さな数)アンバー(琥珀色)累乗の値(かけ算の答え)。そして 負の符号 です。このレッスンでは符号に特に注意が必要だからです。

このレッスンは Stage 5 で学んだ知識を土台にしています。符号付き の数のかけ算(負×負 = 正)と、有理数(分数)のかけ算です。累乗はくり返しのかけ算にすぎないので、Stage 5 のすべてのルールがそのまま適用されます。

6.1.1 同じ数をくり返しかける

温かい培地に細菌が1つあると想像してください。1時間ごとに分裂するので、個数は 2倍 になります。最初は 2 個。1時間後には 2×2。もう1時間後には 2×2×2。難しいことは何も起きていません — ただ 2 を何度もかけ続けているだけです。同じ 数が何度も何度も。

これを1日中書き続けることを想像してください。10時間後には 2×2×2×2×2×2×2×2×2×2 という式を目の前にすることになります。この 2 の個数を数えてみてください — 10 個ありましたか? 確認するのが難しいですね。これがまさに問題です。同じ因数が長々と並ぶのは書くのも面倒で、数え間違いも起こりやすい。このように記法が煩雑になるとき、数学者は必ず短縮します。

その省略記法はこうです。2 を10回書く代わりに、一度だけ 書いて、何個あるか を右上の小さな数で記します:210。大きな 2 は「何をかけるか」を表し、小さな 10 は「何個かけるか」を表します。このコンパクトな表現が 累乗 です。だから 2×2×223 となり、かけ算をすると 23 = 8 です。

1時間ごとに個数が2倍になります。3回の倍増は 2×2×2 — 省略して 23 = 8
重要なポイント

累乗 とは、くり返しのかけ算をコンパクトに書いたものです。 はかけられる数、指数 はその個数を表します。252×2×2×2×22 が5つということです。

🎮 やってみよう累乗を因数ごとに展開する

指数 を1から8まで動かして、2 の連なりが増えていく様子を見てみましょう — そして同じものが累乗として短く書けることを確認しましょう。

指数 n 3

6.1.2 底・指数・累乗

すべての累乗は3つの部分からできていて、それぞれに名前があります。記号 an において、下の数 a — かけられる数です。右上の小さな数 n指数 — 底を何個かけるかを表します。そして、かけ算をすべて実行した後に得られる数が 累乗の値、つまりその式の です。an は「an 回かけ合わせた数」と読みます。

2乗と3乗には特別な読み方があります。22 のような2乗は「22乗(にじょう)」と読みます。22 が一辺 2 の正方形の面積になるからです(6.2 でくわしく学びます)。23 のような3乗は「23乗(さんじょう)」— 一辺 2 の立方体の体積です。4乗以上は「〜乗」とそのまま読みます:54 は「54 乗」。

累乗の構造:(何を)、指数(何個)、累乗の値(答え)。
注意

232×3 では ありません。指数は 個数 であって、因数ではないのです。23 = 2×2×2 = 8 ですが、2×3 = 6 です。この混同は累乗でいちばん多い間違い — 迷ったら因数を全部書き出しましょう。

例題

それぞれの累乗を読み、値を求めなさい。

32 = 「32乗」= 3×3 = 9

103 = 「103乗」= 10×10×10 = 1000

54 = 「54 乗」= 5×5×5×5 = 625

🎮 やってみよう累乗の名称確認ツール

指数 を選んでください。累乗の読み方を表示し、展開して値を計算します。

底 a 2
指数 n 3

6.1.3 負の数と分数の累乗

底は正の整数でなくてもかまいません — 負の数分数 でもよいのです。意味は変わりません:累乗は「底を指数の個数だけかけ合わせる」だけです。変わるのは、Stage 5 で学んだ符号付き数と有理数のかけ算のルールが、その連鎖の中で本格的に活躍するという点です。

(−2)3 を考えましょう。底はかっこの中全体、つまり −2 です。したがって (−2)3 = (−2)×(−2)×(−2) です。符号に気を付けながら順番にかけていきましょう:(−2)×(−2) = +4(負×負 = 正)、さらに +4×(−2) = −8。負の符号はステップごとに反転するスイッチのように働きます。

分数が底の場合も同じようにまじめに計算します — 分子と分母を別々に累乗します。 (23)2 = 23×23 = 2×23×3 = 49. The numerator gets squared, the denominator gets squared — that's all.

左:(−2)n の符号はステップごとに反転します。右:分数は分子と分母を別々に累乗します、(23)2 = 49
かっこで答えが変わる

(−2)2 は底が −2 という意味です:(−2)×(−2) = +4。ところが 22 は「22 の反対の数」という意味で、底は 2 だけ、マイナスは外で待っています — だから (2×2) = −4。同じ数字でも答えが正反対になります。かっこが「符号が底に含まれるかどうか」を決めるのです。(このわながについては 6.1.5 でさらに詳しく学びます。)

🎮 やってみよう負の数・分数の底の計算機

底を選んで 指数 を動かし、かけ算と符号の変化(または分数の変化)を確認しましょう。

指数 n 3

6.1.4 累乗の符号パターン

負の底で何度か計算すると、きれいなパターンが見えてきます。−2 の累乗の符号を観察しましょう:(−2)1 = −2(−2)2 = +4(−2)3 = −8(−2)4 = +16。負・正・負・正 — 当番表のように符号が交互に入れ替わります。

理由は見えれば簡単です。負×負 = 正ですから、負の数は ペアになって打ち消し合います偶数 の指数なら、すべての負の数がペアになって相殺され、結果は になります。奇数 の指数なら、ペアになれない負の数が1つ残り、それが答えを にします。

(−a)nn が偶数n が奇数
結果の符号+ 正− 負
理由負がペアで消える負が1つ余る
負はペアで打ち消し合います。偶数 指数 → すべてペア → 奇数 指数 → 1つ余る →
重要なポイント — 偶奇ルール

負の数 が底のとき、累乗の符号は 指数 が偶数か奇数かだけで決まります:偶数 → 奇数 → 。正の底なら、指数に関係なく結果は常に正です。

🎮 やってみよう偶奇符号表

−2指数 を動かして、当番表が光る様子を見ましょう — 偶数行は正、奇数行は負。

指数 n 3

6.1.5 累乗を含む計算の順序

累乗がより長い式の中にあるとき、計算する順番が決まっています。順序は:まず累乗、次にかけ算・わり算、そして足し算・引き算 — そして かっこは行列の先頭、かっこの中を何よりも先に計算します。累乗が最初なのは、累乗それ自体がかけ算の集まりだからであり、その束を他と混ぜる前に解決する必要があるからです。

3 + 2×52 を試しましょう。まず累乗:52 = 25。次にかけ算:2×25 = 50。そして足し算:3 + 50 = 53。うっかり 3 + 2 を先に計算すると間違えて 125 になってしまいます — 順序が大切です。

このレッスン最大のわながを見てみましょう。(−2)424 を比べてください。ほぼ同じに見えますが:

(−2)4 = 16   but   24 = −16

なぜでしょうか? (−2)4 では、かっこが −2 を底にしているので、4つの因数はすべて −2 で、4つの負がペアになって +16 になります。24 にはかっこがないので、指数 はすぐ下の 2 だけに結びつきます — 先頭のマイナスは外で待っています。まず 24 = 16 を計算し、その後 マイナスをつけます:−16。指数は先頭のマイナスよりも強く結びつくのです。

かっこが底を決めます。あれば (−2)4 = 16。なければ指数がマイナスよりも強く結びついて、24 = −16
最大のわな

かっこのない先頭のマイナスは底の 一部ではありません32 = −932 = 9 を先に計算し、それから符号を変える)、一方 (−3)2 = +9 です。負の数そのものを底にしたいなら、必ずかっこで囲む必要があります。

🎮 やってみよう計算順序のステップ確認

2つの有名なわなと 3 + 2×5² の例を切り替えて、1段階ずつ計算を追ってみましょう。

重要なポイントをひとまとめ

累乗 とは、くり返しのかけ算を一度書いて個数を記したものです。 が何をかけるかを示し、指数 が何回かけるかを示し、累乗の値 がその答えです — だから 23 = 2×2×2 = 8 であり、2×3 ではありません。負の数や分数の底は Stage 5 のルールに従って一歩ずつ計算します。負の 底は偶数指数で 、奇数指数で になります(負の数はペアで打ち消し合う)。長い式では累乗を最初に計算します — でも、かっこが底を決めることを忘れずに:(−2)4 = 16、一方 24 = −16

次のレッスン — 6.2

最初の累乗である 2乗 には、こんな疑問が隠れています:52 = 25 なら、2乗して 25 に なる 数は何? この逆向きの問いが 平方根 です — 6.2 · 平方と平方根 で登場します。

練習問題 6.1

まず自分で解いてから、答えを開いて確認しましょう。

  1. 6×6×6×6 を累乗で表しなさい。
    答えを見る
    6 が4つなので 64 です。底はくり返す数、指数はその個数を数えます。
  2. 7243 を読み方を言ってから値を求めなさい。
    答えを見る
    72 は「72乗」= 7×7 = 4943 は「43乗」= 4×4×4 = 64
  3. 232×3 と等しいですか? 説明しなさい。
    答えを見る
    等しくありません。23 = 2×2×2 = 8 ですが、2×3 = 6 です。指数は因数の 個数 を数えるものであり、それ自体は因数ではありません。
  4. 104 の値を求めなさい。
    答えを見る
    10×10×10×10 = 10000。(覚えると便利:10n は 1 の後に n 個の 0 が並んだ数です。)
  5. (−3)2(−3)3 の値を求めなさい。
    答えを見る
    (−3)2 = (−3)×(−3) = +9(偶数指数 → 正)。(−3)3 = +9×(−3) = −27(奇数指数 → 負)。
  6. (34)2 の値を求めなさい。
    答えを見る
    分子と分母を別々に2乗します:3×34×4 = 916
  7. 計算せずに、(−5)7符号 を答えなさい。
    答えを見る
    指数 7 は 奇数 なので、負の底の結果は です。(ペアにならない負が1つ残る。)符号は です。
  8. 24(−2)4 の値を求めなさい。同じですか?
    答えを見る
    同じではありません。24:指数は 2 だけに結びつくので、24 = 16、それにマイナスをつけて −16(−2)4:底は −2 で、4つの負がペアになって +16。かっこで答えが変わります。
  9. 計算の順序に従って 3 + 2×52 を求めなさい。
    答えを見る
    まず累乗:52 = 25。次にかけ算:2×25 = 50。そして足し算:3 + 50 = 53
  10. (−2)3 + 3×(−1)4 の値を求めなさい。
    答えを見る
    まず累乗:(−2)3 = −8(奇数 → 負)、(−1)4 = +1(偶数 → 正)。次にかけ算:3×1 = 3。そして足し算:−8 + 3 = −5

🎯 確認クイズ

6問で定着確認。正しいと思う答えをタップしてください。

§ 先生・保護者の方へ

このレッスンは Common Core 6.EE.A.1「整数の指数を含む数式を書き、値を求める」に対応しています。また、累乗記法がくり返しのかけ算にすぎないため、Stage 5 で扱った符号付きの数と有理数のかけ算のルール(6.NS.C および 7.NS.A.2 に対応)も活用します。最もよくある誤概念 は、232×2×2 = 8 ではなく 2×3 = 6 と読んでしまうこと — 指数を個数としてではなく因数として扱う誤りです。対策 は、計算する前に必ずかけ算の連鎖を全部書き出し、「2を3回かけ合わせた数」と声に出して言うことです。次によくある誤りは符号のわなで、24 = −16(−2)4 = 16 の違いです。「マイナスはかっこの にあるか、つまり底の一部か?」と毎回確認させることで解決できます。

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