未知数が2つあるなら文字を2つ置く — その発想は3つへも広がる。
文章題の中には、2つの謎が同時に隠れているものがある。合計139ドルでチケットが20枚売れた — でも大人用は何枚で、子ども用は何枚?全部を1文字に押し込むこともできるが、それぞれの謎に文字を1つずつ割り当てる方がずっとすっきりする。a を大人の枚数、c を子どもの枚数とすれば、未知数2つ・事実2つ・方程式2つ — これが連立方程式であり、レッスン 10.4 と 10.5 で学んだ仕組みそのものだ。このレッスンでは、その仕組みを実際の問題に当てはめ、さらに未知数を3つに増やすという新しい一歩を踏み出す。
色の使い方はここでも一貫している。未知数は紫、第1式は青緑、第2式は琥珀色、そして最終的な解は赤だ。第3の未知数が加わると、3つの式が2つに、2つが1つへと畳み込まれ、答えが現れる。
レッスン 10.3 で学んだ文章題の5ステップ — 読む・置く・立式する・解く・確かめる — は、ここでも変わらない。唯一の違いは「置く」ステップで起きること。物語に2つの未知数が絡み合い、2つの等量関係で結ばれているとき、すべてを1文字に押し込もうとするのは片方の靴を逆の足で結ぼうとするようなものだ。それぞれの未知数に固有の文字を与え、2つの事実を2つの方程式として書けば、あとは連立方程式に任せればよい。
未知数が2つある文章題はどう見分ける? 知らない「合計」や「量」が2つあり、それぞれ「〜は〜に等しい」という文が2つある場合がサインだ。チケットの問題はその典型 — 大人の枚数も子どもの枚数もわからず、わかるのは枚数の合計と金額の合計の2つだ。
問題。 大人用チケットは1枚8ドル、子ども用は1枚5ドル。ある売り場が合計20枚のチケットを139ドルで販売した。それぞれ何枚売れたか?
置く。 a = 大人用チケットの枚数、c = 子ども用チケットの枚数とする。
立式する。 枚数より a + c = 20。金額より 8a + 5c = 139 — 大人1枚8ドル、子ども1枚5ドル。
レッスン 10.5 のどちらの方法でも解ける。ここでは代入法がすっきりする — 枚数の式を整理すると a = 20 − c と分数なしで表せるからだ。これを金額の式に代入しよう:
| 8a + 5c = 139 | 金額の式 |
| 8(20 − c) + 5c = 139 | a を 20 − c に置き換える |
| 160 − 8c + 5c = 139 | 8 を分配する |
| 160 − 3c = 139 | c の項をまとめる |
| −3c = −21 | 両辺から160を引く |
| c = 7 | 両辺を −3 で割る |
次に代入して戻す:a = 20 − 7 = 13。つまり大人用チケット13枚、子ども用チケット7枚。
確かめる — 必ず自分の方程式ではなく元の問題文で確かめること。枚数:13 + 7 = 20 ✓。金額:8·13 + 5·7 = 104 + 35 = 139 ✓。2つの事実がともに成立するので、答えは正しい。
未知数が2つあれば文字も2つ使う。5ステップの枠組みは変わらない — 2つの関係を2つの方程式に翻訳して連立方程式を解くだけだ。
2種類の価格と合計を設定しよう。ウィジェットが連立方程式を立てて解く — ただし枚数は整数かつ0以上でなければならないので、答えが赤くなったら条件を見直そう。
2つの数と2つの関係から成る問題群がある。「和が30で差が8」「一方が他方の3倍で、合計が48」といった問題だ。それぞれの手がかりが方程式になる。2つの数に文字を置けば、お馴染みの連立方程式の世界に戻ってくる。
とりわけ面白いのが数字の問題だが、ここには声に出して確認すべき落とし穴がある。2桁の数はその2桁を並べただけではない — 位取りで構成される。十の位の数字が t、一の位が u のとき、その数は 10t + u だ。桁を入れ替えると 10u + t になる。この表現を正しく使えば代数は簡単。間違えると何も合わない。
問題。 ある2桁の数の各桁の和が12である。桁を入れ替えると、元の数より18大きい数になる。その数はいくつか?
置く。 t = 十の位の数字、u = 一の位の数字とする。元の数は 10t + u。
立式する。 各桁の和が12:t + u = 12。桁を入れ替えると18大きい:10u + t = (10t + u) + 18。
第2式は大きく見えるが、整理すると美しくなる。すべての項を片側に移そう:
| 10u + t = 10t + u + 18 | 「入れ替えると18大きい」という事実 |
| 10u − u + t − 10t = 18 | 未知数をすべて左辺に移す |
| 9u − 9t = 18 | 同類項をまとめる |
| u − t = 2 | 両辺を 9 で割る |
これで連立方程式がとてもシンプルになった:t + u = 12 と u − t = 2。2式を加えると t が消えて 2u = 14、つまり u = 7。よって t = 12 − 7 = 5。
求める数は 10·5 + 7 = 57。確かめ: 5 + 7 = 12 ✓;入れ替えると 75 で、75 − 57 = 18 ✓。
数字の問題の答えは数そのもの、つまり 57 であって、「t = 5」ではない。よくある失敗は、10u + t や t + u を誤って計算しながら「57」と書いてしまうことだ。必ず位取りで数を再構成すること:10·(十の位)+(一の位)。
2つの数の和と差をスライドさせよう。2式を足すと大きい方の数が、引くと小さい方の数が求まる — これが「和と差」の問題の核心だ。
目を向ければ、2つの未知数は至るところに現れる。2人の旅人がお互いに近づいている場合の2つの速さ。ボルトとナットを対応させる作業での個数。賞金を比で分けたときの各人の取り分。いずれの場合も、2つの量が未知で、2つの事実がそれを固定する。
最もわかりやすい例は、流れに逆らうボートだ。下流に向かうとき、流れが後押しするので対地速度は ボートの速さ + 流れの速さ。上流に向かうとき、流れが邪魔をするので対地速度は ボートの速さ − 流れの速さ。この1つの物理的な考えが2つの方程式を与えてくれる。
問題。 ボートが30 km の区間を下流方向に2時間で、同じ30 km を上流方向に3時間で移動した。静水時のボートの速さと、流れの速さを求めよ。
置く。 b = 静水時のボートの速さ(km/h)、w = 流れの速さ(km/h)とする。
立式する。 下流の対地速度は 距離÷時間 = 30÷2 = 15 なので b + w = 15。上流は 30÷3 = 10 なので b − w = 10。
この2つの方程式は加減法にうってつけだ。加えると w が消える:
| b + w = 15 | 下流 |
| b − w = 10 | 上流 |
| 2b = 25 | 2式を加える(w が消える) |
| b = 12.5 | 両辺を 2 で割る |
下流の式に代入して戻す:12.5 + w = 15、よって w = 2.5。ボートの静水時速は 12.5 km/h、流れの速さは 2.5 km/h。
確かめ: 12.5 + 2.5 = 15 ✓(下流)、12.5 − 2.5 = 10 ✓(上流)。答えが整数でなくても問題なく、よくあることだ。
一方向には助け、他方向には妨げになるもの — 流れ、追い風、動く歩道 — が出てきたら、静止時の速さと補助速度を文字で置き、一方には足し、他方には引く。2式を加えると補助速度がすぐに消える。
下流と上流の対地速度を選ぼう。2式を足すと b が、引くと w が求まる様子を確かめよう。15 と 10 に設定すると例題が再現できる。
ここからが新しいアイデアだ。一歩だけ先へ進もう。未知数が1つなら式は1つ、2つなら式は2つ — ならば未知数が3つなら条件も3つ必要だ。3つの方程式を大きな括弧でまとめたものを三元連立一次方程式と呼ぶ。
では「解」とは何か? 未知数が1つのとき、解は1つの数だった。2つのとき、解は順序対 (x, y) — 2直線の交点だ。未知数が3つのとき、解は順序の組 (x, y, z) であり、解と認められるには3つすべての方程式を同時に満たさなければならない。1つでも満たさなければ、その組は解ではない。
文字の数だけ方程式を用意する — 未知数と同じ数の独立した条件が必要だ。未知数3つ ⇒ 方程式3つ ⇒ 答えは (x, y, z) の形で、3つすべてに照らして確認する。
幾何学的には、x + 2y + 3z = 14 のような各方程式は三次元空間に浮かぶ平らな平面であり、解は3つの平面がすべて交わる1点だ。解くのにそのイメージは必要ないが、なぜ条件が3つでちょうど足りるかを説明してくれる:2つの平面は直線で交わり、3枚目の平面がその直線と1点で交わるのだ。
作戦はすでに信頼している方法を2回使うだけだ。第1ステップ:方程式をペアにして選んだ文字1つを消去し、三元連立方程式を二元連立方程式に変える。第2ステップ:その二元連立方程式を普通のやり方で解く。第3ステップ:最初に消去した文字を梯子をのぼるように代入して戻す。未知数3つが2つに、2つが1つになり — そしてのぼり返す。
完全な例を解いてみよう。3つすべての方程式が単独の x で始まっていることに注目 — 1つの式から別の式を引けば x がきれいに消えるので、x が最初に消去する文字として明らかな選択だ。
| x + y + z = 6 | 方程式 ①(e1 と呼ぶ) |
| x + 2y + 3z = 14 | 方程式 ②(e2) |
| x + 4y + 9z = 36 | 方程式 ③(e3) |
第1ステップ — x を消す。 e2 から e1 を、e3 から e2 を引く。各式の単独の x が消える:
| (e2 − e1): y + 2z = 8 | (2−1)y + (3−1)z = 14−6 |
| (e3 − e2): 2y + 6z = 22 | (4−2)y + (9−3)z = 36−14 |
これで y と z の二元連立方程式が得られた。2つ目の式を 2 で割って整理すると:2y + 6z = 22 は y + 3z = 11 になる。
第2ステップ — 二元連立方程式を解く。 式を引いて y を消去する:
| y + 3z = 11 | (e3 − e2)を 2 で割ったもの |
| y + 2z = 8 | (e2 − e1)より |
| z = 3 | 引く:(3z − 2z)=(11 − 8) |
第3ステップ — 梯子をのぼり返す。 z = 3 を y + 2z = 8 に代入すると y = 8 − 2·3 = 2。次に e1、x + y + z = 6 より x = 6 − 2 − 3 = 1。解の組は (1, 2, 3)。
元の3式すべてで確かめる。 e1:1 + 2 + 3 = 6 ✓。e2:1 + 2·2 + 3·3 = 1 + 4 + 9 = 14 ✓。e3:1 + 4·2 + 9·3 = 1 + 8 + 27 = 36 ✓。3つすべて成立するので (1, 2, 3) が答えだ。
2つ目のペアを作るときは、まだ使っていない方程式を使うこと。ここでは e1 と e2、e2 と e3 をペアにした — 元の3式すべてを一度ずつ使った。e1 と e2 を2回使うと、同じ情報を2度得るだけで系は閉じない。
ステップを順番に押して梯子を降りよう:まず e2−e1 と e3−e2 で x を消し、次に z、y、x の順に求める。1段ずつ次が明らかになる。
候補の組 (x, y, z) を入力すると、ウィジェットが3つの方程式すべてに代入する。すべての行が緑になったとき、その組が解だ。(1, 2, 3) を見つけよう。
文章題に未知数が2つ隠れていて、事実が2つ与えられているとき、文字を2つ置いて2式を立てよう — チケット・桁の入れ替え・流れに逆らうボート、どれも同じ5ステップの枠組みで解け、代入法か加減法で仕上げ、元の問題文で確かめる。未知数を1つ増やして3つにするなら条件も1つ追加し、3式を大括弧にまとめると、解は順序組 (x, y, z) になる。解くには1文字を消去して三元を二元に落とし、その組を解いて、逆代入で梯子をのぼり戻す — そして必ず組を元の3式すべてで確かめること。
一元・二元・三元の一次方程式を解いてきた。レッスン 10.7 では一次方程式の旅を振り返り、次の扉を開く:未知数が自分自身と掛け合わさるとき — 二次方程式の世界へ。
まず自分で解いてみてから、答えを開いて考えを確かめよう。
6問で理解を固めよう。正しいと思う答えをタップして。
このレッスンは Common Core 8.EE.C.8c(2変数2元一次方程式につながる現実的・数学的問題を解く)を扱い、A.REI.C.6(加減法を含む一次連立方程式の解法、高校レベルの3変数拡張を含む)へと橋渡しする。文章題の基礎にあたる 7.EE.B.4 も、今度は未知数を2つ使って補強される。
最も多い誤解:生徒が2桁の数をその桁を並べたものとして扱い、「十の位 t、一の位 u」の値を tu(積)や単に t + u と書いてしまうこと。正しくは 10t + u だ。対策:文字を導入する前に既知の数で声に出して確認する — 57 は 10·5 + 7 だ — そして確認のとき必ず位取りで数を再構成させる。同じ注意が三元連立方程式でも有効:候補の組を見つけるために使った2式だけでなく、3式すべてに代入して確かめることを忘れないようにする。