0 · 数学的な考え方
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0.1数学の大きなアイデア
このモジュールは、関係性を「入力を出力に変える機械」として捉え、方程式を「どの入力がこの出力に対応するか?」という問いとして見ることを学びます。
- 0.1.1.1 関数は機械だ上から数を入れると、下からただ一つの数が出てくる。同じボタンを押すと毎回同じカップが出てくるコーヒーメーカーのようなものだ。
- 0.1.1.2 方程式は天秤だ等号はシーソーの真ん中であり、隠れた重さを明らかにしながら、一方にしたことは必ずもう一方にもしてバランスを保つ必要がある。
- 0.1.1.3 一つの真実を二つの目で見る「グラフがゼロをよぎる場所はどこか?」と「この方程式を解く値は何か?」は、全く同じ問いを別の帽子をかぶっているだけだ。
- 0.1.1.4 サインを見逃すな何かが変わることで別の何かが変わる——買い物の量が増えると代金が増えるように——そこには関数が潜んでいて、名前をつけられるのを待っている。
- 0.1.1.5 また出会う場所一次関数や二次関数から指数関数まで、そして二つの式を等しくおいて二つの経路が交わる点を探すたびに。
このモジュールは、数を図に変え、図を数に変えることで、それぞれが互いを助け合えるようにすることを学びます。
- 0.1.2.1 すべての数には数直線上の居場所があるゼロから両方向に伸びる長い定規に数を並べると、「大きい」とはただ「右にある」というだけになる。
- 0.1.2.2 すべての方程式は曲線になれるルールに合う点の対をプロットすると、点が一直線や曲線に並び、図形が床に触れる場所で答えが見える。
- 0.1.2.3 図から答えを読み取る複雑な代数も、ただ見るだけで解けることがある。二つの曲線が交わる点は二つの方程式が一致する場所で、記号の操作は不要だ。
- 0.1.2.4 サインを見逃すな記号がこんがらがったら図を描く。図が曖昧に感じたら数字でラベルをつける——言語を切り替えることが詰まった扉を開く。
- 0.1.2.5 また出会う場所直線から傾きを読む、放物線がゼロをよぎる場所を求める、三角形に正方形を描いてピタゴラスの定理を証明する、導関数を接線の急さとして見る。
このモジュールは、ごちゃごちゃした問題をいくつかの整然とした箱に分けて、それぞれの箱を個別に処理することを学びます。
- 0.1.3.1 解く前に仕分ける洗濯する前に白いものと色物に分けるように、「この種類」と「あの種類」に分けると問題が簡単になることがある。
- 0.1.3.2 一つの値に複数の物語が隠れることがある数は正・ゼロ・負と異なる振る舞いをするため、氷・水・蒸気のように、それぞれの枝を別々に答えなければならないことが多い。
- 0.1.3.3 すべてを覆い、重ならない良い場合分けはパズルのピースのようなもの。合わさると全体像が埋まり、どれも重なり合わない。
- 0.1.3.4 サインを見逃すな隠れた「場合による……」——符号・大きさ・絶対値・個数によって——が問題が場合分けを求めているサインだ。
- 0.1.3.5 また出会う場所絶対値の記号を外す、判別式が根が二つ・一つ・ゼロかを決める、図形がどの象限に入るかで分割する。
このモジュールは、見知らぬ新しい問題を、すでに解き方を知っている昔からの友人に変えることを学びます。
- 0.1.4.1 新しいものを古いものに見せる見慣れないものに直面したら、何度も解いたことのある問題になるまで形を変える。まるで新しい鍵穴を古い鍵で開けるように。
- 0.1.4.2 正しい操作は答えを変えない分数で割ることはその逆数をかけることに変わる——難しい操作が見た目は変わっても答えは同じ、簡単な操作に置き換えられる。
- 0.1.4.3 簡単である必要はなく、知っていることが大事変換後の問題が大きくなっても、それが解ける問題であればかまわない。
- 0.1.4.4 サインを見逃すな「もしこれがすでに知っているあの簡単なものだったら」と思ったとき、その願いが変換のきっかけだ。
- 0.1.4.5 また出会う場所代入法で解く、平方完成で平方根の手法を再利用する、対数の底の変換、分数を通分して整数にする。
このモジュールは、簡単な例を覗き見て大きなルールを推測し、次にそのルールを証明してすべての場合に信頼できるようにすることを学びます。
- 0.1.5.1 まず小さな場合で試す「何人でも」に取り組む前に、3人の友人と握手してみて数えよう。小さな場合がパターンをそっとささやき、それが公式として大きく叫ぶ前に。
- 0.1.5.2 一般が特殊を守るすべての数についてルールを証明したら、4000番目のケースを手で確かめる必要はない——一般の法則が無料でそれぞれをカバーしてくれる。
- 0.1.5.3 特殊な値はスパイだ0や1や扱いやすい数を代入して、謎の式がどう振る舞うかをこっそりつかもう。
- 0.1.5.4 サインを見逃すな「すべての n について」で行き詰まったら? n = 1, 2, 3 で試してパターンをつかもう。きれいな公式が出たら、信用する前に新鮮な一例で確かめよう。
- 0.1.5.5 また出会う場所数列のルールを見つける、二項定理、公式を推測して数学的帰納法で永遠に証明する。
このモジュールは、終わりなき過程がどこへ向かっているかを観察することで「永遠」を手なずけることを学びます。
- 0.1.6.1 「永遠」にもゴールラインがある1/2を足し、次に1/4を足し、次に1/8を足し、壁に向かって何度も半分ずつ歩く。決してぶつかることはないのに、1に好きなだけ近づける。
- 0.1.6.2 極限は目的地であり、手順ではない極限とは、旅がたどり着くことなくても明らかに目指している場所だ。ボールがだんだん遅くなって静止に近づくように。
- 0.1.6.3 無限は方向であり、数ではない「永遠に続く」はどちらを向くかを教えるものであり、立ち止まる場所ではない。地平線として扱い、終わりなきものを有限の言葉で描こう。
- 0.1.6.4 サインを見逃すな「近づく」「果てしなく」「好きなだけ細かく」「長い目で見ると」といった言葉が出たら、無限がひっそりと部屋に入ってきた合図だ。
- 0.1.6.5 また出会う場所縮んでいく等比数列の無限和、限りなく細いスライスとしての曲線下の面積、すべての導関数の背後にある瞬間の速さ。
このモジュールは、必ず起きることと起きるかもしれないことを区別し、「かもしれない」に数字をつけることを学びます。
- 0.1.7.1 確かなことと、もしかしたらのことがある「偶数足す偶数は偶数」は確実だが、「このコインが表になる」はただ起こりやすいだけ——数学は両方の真実を正直に扱う。
- 0.1.7.2 確率は数字のついた「かもしれない」だ可能性は0(絶対ない)から1(必ず起きる)のスコアをもらうので、「かなりありそう」が実際に比べられるものになる。
- 0.1.7.3 ランダムはやがて落ち着く一回のコイン投げは予測できないが、一万回投げると「約半分が表」が時計仕掛けのように現れる——近くで見るとカオス、遠くから見ると秩序。
- 0.1.7.4 サインを見逃すな「ランダムに」「期待値」「平均的に」「確率はどのくらい」という言葉が出たら、確実の世界から偶然の世界に踏み込んでいる。
- 0.1.7.5 また出会う場所場合の数を数える、期待値、そして平均がなぜこれほど信頼できるかを説明するベル型の曲線。
このモジュールは、塊全体を一つのものとして扱い、他のすべてが動く中で何が変わらないかに気づくことを学びます。
- 0.1.8.1 塊を一つのブロックとして持つ(x + y) をバラバラにする代わりに、全体を一枚のタイルとして動かす。ときにはピースに分ける必要すらない。
- 0.1.8.2 対称性は折ったら合う蝶・顔・放物線を真ん中で折ると、両側がぴったり重なる。片側を理解すれば、もう片側はただでついてくる。
- 0.1.8.3 変わらないものを探す形の違うグラスの間で水を移してもその量は変わらない。びくともしない量こそ、パズルを解く鍵であることが多い。
- 0.1.8.4 サインを見逃すな部分がごちゃごちゃして見えても組み合わせがすっきりして見えたら、全体を見よう。何をしても等しいまま頑固に変わらないものがあれば、それが不変量だ。
- 0.1.8.5 また出会う場所繰り返す群を代入する、根の和と積についてのビエタの定理、放物線の鏡の線、幾何における保存量。
0.2解法のアプローチと戦略
このモジュールでは、手ごわい二次式を「完全平方+余り」の形に変形して、隠された秘密を引き出す方法を学ぶ。
- 0.2.1.1 足りないコーナーを補うL字形のタイルのパッチはほぼ正方形だ。ちょうどいいコーナーのピースを足して正方形を完成させ、値が変わらないようにそのまま引き算で戻す。
- 0.2.1.2 完全平方の中に答えが潜む(何か)² プラス定数の形になれば、あとは平方根を取るだけで解ける。
- 0.2.1.3 余りが頂点を教える二次式を平方完成すると、放物線の最低点または最高点が計算なしにそのまま手に入る。
- 0.2.1.4 このサインを見逃すなx² と x の項が並んでいて因数分解しにくいとき、それは完成すべき平方が待っているサインだ。
- 0.2.1.5 また登場する場面二次方程式の解の公式の導出、放物線の頂点の求め方、円の方程式、基本不等式の証明。
このモジュールでは、ごちゃごちゃした塊に短いあだ名をつけることで、問題全体をたちまちシンプルに見せる方法を学ぶ。
- 0.2.2.1 ごちゃごちゃした部分にあだ名をつける繰り返し現れる複雑な塊を一文字で表すと、4行の問題が1行に縮む。目が引っかからなくなるからだ。
- 0.2.2.2 いいあだ名は構造を浮かび上がらせる適切な置換をすると、混沌の中に隠れていた形——たいていはシンプルな二次式——がくっきり現れる。記号のうまい使い方が思考のツールになる証拠だ。
- 0.2.2.3 元に戻すことを忘れずにまず簡単な版を解き、それから本来の式を代入し直す。そうしないと、聞かれた問題とは別の問題に答えてしまう。
- 0.2.2.4 このサインを見逃すな同じ複雑な塊が2〜3回繰り返して現れたら、そのくり返しがあだ名を求めているサインだ。
- 0.2.2.5 また登場する場面x⁴ − 5x² + 4 のような変装した二次式を解くとき、積分の技法、入れ子になった式の整理。
このモジュールでは、答えの形を「穴あき」で予測し、すでにわかっていることを突き合わせて穴を埋める方法を学ぶ。
- 0.2.3.1 形を予測して穴を残す答えは (穴) x + (穴) の形だとわかっている。あとはその2つの穴を確定するだけだ。
- 0.2.3.2 係数を合わせると値が決まる二つの式が完全に等しければ、対応する項どうしも一致しなければならない。それが解くべき小さな連立方程式を与えてくれる。
- 0.2.3.3 このサインを見逃すな答えの「型」——直線・放物線・部分分数——はわかっているが具体的な数がわからないとき、穴あきで設定して解こう。
- 0.2.3.4 また登場する場面点を通る直線を求めるとき、3点から二次関数を求めるとき、分数を単純な部分に分けるとき。
このモジュールでは、「逆が矛盾を生む」ことを示すことで、ある主張が正しいことを証明する方法を学ぶ。
- 0.2.4.1 逆を仮定して崩壊を見る床が乾いていると仮定しよう。ところが傘がみんなびしょ濡れだ。この矛盾は、やっぱり雨が降ったことを意味する。
- 0.2.4.2 崩壊すれば元が正しかった主張が偽だと仮定して「1 = 2」のような不可能な結論が出てくるなら、その主張は初めから真でなければならない。
- 0.2.4.3 「そんなものは存在しない」の証明に最強直接すべての場合を確かめるのに永遠かかるような「絶対に存在しない・起こらない」ことの証明で真価を発揮する。
- 0.2.4.4 このサインを見逃すな「ない」「決して〜ない」「不可能」「無理数」「無限に多い」という言葉を含む主張は、逆を仮定して矛盾を探す背理法がぴったりだ。
- 0.2.4.5 また登場する場面√2 が分数でないことの証明(分数だと仮定する)、素数が無限に存在することの証明。
このモジュールでは、最初のドミノを倒し「隣も必ず倒れる」を保証することで、無限に並んだドミノをすべて倒す方法を学ぶ。
- 0.2.5.1 最初のドミノを倒す最初の場合を手で確かめる。それが最初のひと押しで、自分の手で倒す1枚目だ。
- 0.2.5.2 1枚倒れれば次も倒れる「ある場合が成り立つなら、その次も成り立つ」ことを証明すれば、倒壊が無限に続く列全体に連鎖していく。
- 0.2.5.3 2ステップで永遠をカバーする最初の一押しと「1枚が次を倒す」という保証の2つだけで、すべての正の整数に対して主張が証明される。
- 0.2.5.4 このサインを見逃すな「すべての正の整数 n について」という主張——たとえば項の数がいくつであっても成り立つ和の公式——は、数学的帰納法の本領発揮の場面だ。
- 0.2.5.5 また登場する場面和の公式の証明、指数の法則の証明、数列のパターンを確定的に示すとき。
このモジュールでは、必要なものを探し回るのではなく、自分でそのものや補助的な対象を作り上げる方法を学ぶ。
- 0.2.6.1 必要なものを自分で作る探すかわりに、求められた仕事をぴったりこなす特定の数・図形・関数を自分で作る。たとえば、主張を証明するまさにその三角形を描くように。
- 0.2.6.2 補助線は魔法を使う巧みな補助線を1本引くだけで、難解な図形がすでに知っている形に分割される。
- 0.2.6.3 反例は1つで十分「常に成り立つ」という主張を潰すには、それが成り立たない1例を構成するだけでいい。
- 0.2.6.4 このサインを見逃すな「〜が存在することを示せ」「例を挙げよ」、または何をしても開かない幾何の図形は、何かを構成するヒントだ。
- 0.2.6.5 また登場する場面三角形の証明における補助線、魅力的な予想を打ち砕く鮮やかな反例、不等式の巧みなセットアップ。
このモジュールでは、未知数を1つずつ消していく方法と、ゴールから出発して逆向きに推論してすでに知っていることと出会う方法を学ぶ。
- 0.2.7.1 未知数を1つずつ消す連立方程式で、足したり引いたり代入したりして1つの変数を消す。追う文字が減ったら、残りを逆に代入して求める。
- 0.2.7.2 ゴールから逆向きに歩く「答えの直前に何が必要か」を問い、出口から逆に進む迷路を解くように逆向きに推論していく。
- 0.2.7.3 中間で合流する知っていることから前向きに進み、求めるものから逆向きに進む。2つの道が握手するところが答えだ。
- 0.2.7.4 このサインを見逃すな複数の未知数が複数の方程式に絡み合っているときは消去法、出発点がぼんやりして遠いゴールだけが見えているときは逆向きの推論だ。
- 0.2.7.5 また登場する場面連立一次方程式を解くとき、曲線の交点を求めるとき、複数ステップの証明や文章題を計画するとき。
このモジュールでは、すべての場合を書き出す・図形を切り貼りする・賢い数値を代入する・上下から値を挟むという4つのすばやい戦略を学ぶ。
- 0.2.8.1 すべてリストアップして漏れなく場合が数えるほどしかないとき、落ち着いて1つずつ書き出す。正直に列挙することは立派な証明だ。鍵束のすべての鍵を試すように。
- 0.2.8.2 ここで切って、あそこに貼る扱いにくい図形を切り分けて、面積がすぐわかる長方形や三角形に並べ替える。
- 0.2.8.3 賢い値を代入する恒等式に変数を 0 や 1 で代入すると、多くの項が行儀よく消えて、隠れた係数がほぼタダで現れる。
- 0.2.8.4 2つのフェンスで答えを挟む値を正確に計算できないときは、ある数より大きくて別の数より小さいことを示し、狭い柵の中に追い込む。
- 0.2.8.5 また登場する場面列挙で場合の数を数えるとき、切り貼りで面積を求めるとき、二項定理での特殊値の活用、和が有限に留まることを示す上界の評価。
0.3数学的な思考の習慣 — 数学者のように考えるには
何かを計算しようと急ぐ前に、問われていることを本当に把握することがこのモジュールのテーマです。
- 0.3.1.1 既知のことと求めることを整理する動き出す前に、素直に問いかけよう:自分は何を求めようとしているのか、そして実際に与えられているのは何かを。
- 0.3.1.2 自分の言葉で言い直す問題を友だちに簡単に説明できれば理解している証拠。説明できなければ、別の問題を解いてしまうことになる。
- 0.3.1.3 図を描くか小さな例で試すちょっとしたスケッチ、表、または小さな具体例が、言葉の壁を掴みやすいものに変えてくれる。
- 0.3.1.4 条件をすべて確認する与えられた事実に一つひとつ気づこう。使われていない条件は、たいていあなたが見落としていた重要な手がかりだ。
- 0.3.1.5 見直しの種をまいておく正しい答えはどんな形をしているかを今のうちに決めておけば、答えが出たとき確かにそれだと気づける。
歩き出す前に道筋を選ぶこと、そしてすでに知っていることを活かすことがこのモジュールのテーマです。
- 0.3.2.1 似た問題を見たことがある?記憶の中から似たような問題を探そう。それを解いた方法が、少し手を加えるだけでこの問題にも使えるかもしれない。
- 0.3.2.2 目標から逆にたどる「答えの一歩手前に何が必要か?」と問い、今自分がいる地点まで手順を逆にたどっていこう。
- 0.3.2.3 単純にするか特殊化する道筋が見えない? まず簡単なバージョンや小さなケースを解いて、進む道を明るく照らしてみよう。
- 0.3.2.4 意図してツールを選ぶ代入、図、場合分け——「使う戦略」を最初に名指しして飛び込もう、途中からではなく。
- 0.3.2.5 大きな問題を段階に分ける一気に大きく跳ぶのは怖い。でも小さくて確かな一段一段の階段なら、焦らず頂上までたどり着ける。
計画を丁寧に、きれいに、そして一度に一つずつ根拠を示しながら実行することがこのモジュールのテーマです。
- 0.3.3.1 一歩ずつ、そして根拠を示す一つの手順を踏んだら「これは本当に正しいか?」と確かめてから次へ進もう。不安定な一歩の上に積んだスピードは後で崩れる。
- 0.3.3.2 作業を読みやすく保つ整然と並んだ手順は足跡を残すので、どこでミスが起きたかを正確にたどり直せる。
- 0.3.3.3 こっそり潜むミスに気をつけるマイナス符号の脱落、不等号の向きの逆転、あるいは見落とした場合——これが良い計画を静かに葬る場所だ。
- 0.3.3.4 粘り強く、でも変えるのはツール、目標ではない良い計画が行き詰まったら、諦める前にもう少し押してみよう。一歩の根拠が本当に示せないときだけ、後退して別の戦略を試そう。
- 0.3.3.5 行き詰まっていい行き詰まりは失敗ではなく、あらゆる本物の問題の普通の途中経過だ。うまくいかない中でも考え続けることこそ、学びが本当に起きる場所。
多くの人が飛ばしてしまうこの手順こそ、本物の力を育てるものというのがこのモジュールのテーマです。
- 0.3.4.1 答えは意味をなすか?人間が200歳にはなれないし、長さは負にならないし、確率は1を超えない。赤信号に気づいたら、喜ぶ前に立ち止まろう。
- 0.3.4.2 見積もりでチェックする先に「だいたいいくつ?」と見積もっておけば、正確な答えが大きくずれていたときすぐに気づける。
- 0.3.4.3 別の道を探す別の方法で解いて同じ答えが出たとき、それが正しいという最もすっきりした証拠になる。
- 0.3.4.4 再利用できる学びを引き出す何がうまくいったのか、どこで他にも使えるかを問おう。一つの問題を解くことで十の問題を教わる方法がそれだ。
- 0.3.4.5 積み重なる習慣振り返りは、問題を解く人を問題を解決できる人に少しずつ変えていく静かな一歩だ。
行き詰まったときにアイデアを生み出す三つのエンジンがこのモジュールのテーマです。
- 0.3.5.1 特殊化して足がかりをつかむ抽象的すぎる? 具体的な数を固定して解いてみよう。小さな成功が道を照らしてくれる。
- 0.3.5.2 一般化してパターンを見るいくつかのケースが一致したら「これら全部を貫く規則は何か?」と問い、より広い真実に手を伸ばそう。
- 0.3.5.3 テーマをまたいで類比するお金の問題と距離の問題が同じ骨格を共有していることがある。そのときは合う解法を借りよう。
- 0.3.5.4 感覚を知るサイン圧倒されている感じがするなら特殊化。同じことの繰り返しに感じるなら一般化。どこかで見た気がするなら類比を探そう。
- 0.3.5.5 また出会う場所数列のいくつかの項で特殊化し、公式に一般化し、そのまさにその動きを級数と極限へ類比させることになる。
雑然としたものを取り除いて核心のアイデアを見つけ、数学に現実世界を映し込むことがこのモジュールのテーマです。
- 0.3.6.1 構造を残し、雑音を捨てるりんごかドルかは忘れていい。「3 + 2」だけ残せば、一つのアイデアが千の状況を解く。
- 0.3.6.2 五頭の羊から「五」という数へ「五頭の羊」から「五」そのものへの飛躍が、数学の最初の、そして最も深い抽象だ。
- 0.3.6.3 パターンに名前をつける繰り返し現れるアイデアに記号——変数、関数、集合——を与えると、毎回描き直すことなくすっきりと推論できる。
- 0.3.6.4 現実世界をモデル化し、確かめる状況を数学に置き換え、解いて、答えを現実に戻し、本当に当てはまるかを問おう。
- 0.3.6.5 また出会う場所あらゆる数を表す変数、あらゆる規則を表す関数、そしてすべての文章題や最適化問題を貫くモデル化として、また出会う。
パターンを大胆に推測し、それを信じる権利を勝ち取ることがこのモジュールのテーマです。
- 0.3.7.1 証拠から大胆に推測するいくつかの例が揃ったら、はっきりとした予想を勇気を持って立てよう。明確な推測は目標を与えるが、漠然とした期待は狙う的がない。
- 0.3.7.2 反例を懸命に探す推測を信じる前に、全力で壊してみよう。一つの失敗例で、偽りのものを証明する手間が省ける。
- 0.3.7.3 パターンは証明ではない百のケースで成り立つことは励みにはなるが十分ではない。次のケースが裏切るかもしれないから、本物の論拠がまだ必要だ。
- 0.3.7.4 そして確かめるために証明する証明とは「いつもうまくいくように見える」と「必ずうまくいく、なぜならこういうわけだ」の違いだ。
- 0.3.7.5 気づくべきサイン「いつも……のようだ」と感じた瞬間こそ、反例を探すか証明を組み立てるかどちらかに向かうべき正確なタイミングだ。
一点の隙もない論理、大きさへの安定した感覚、そして数学者を前へ引っ張る不思議さがこのモジュールのテーマです。
- 0.3.8.1 弱い輪のない鎖証明は既知の真実を一歩ずつ揺るぎなくつないでいく。演繹は結論を必然のものにするが、パターンを見つけること(日常的な意味の帰納)は示唆するだけだ。
- 0.3.8.2 言いたいことを正確に言う用語を鋭く定義し、出発点のルール——公理、定義、前提——を把握しよう。あいまいな言葉はあいまいな思考を生む。
- 0.3.8.3 こっそり潜む「明らか」に気をつける「明らかに」はしばしばまさに間違っている手順を隠している。飛ばしたかった部分を遅らせて確かめよう。
- 0.3.8.4 数の感覚を持ち歩く教室には数十人いて数百万人はいないと知っていれば、確かめる前に間違いの臭いがわかる。まず丸めて、後から精密にしよう。
- 0.3.8.5 数学者の姿勢「もし……だったら?」と探究し問う好奇心、予想する勇気、そして証明を求める誠実さ——これらをこれから続くすべての段階へ持っていこう。
Ⅰ · 数と計算
1数と数えること
数感覚のいちばんの基本を身につける:数えるとはひとつひとつのものと番号を対応させることであり、最後に言った番号がぜんぶの個数を表している
- 1.1.1 一対一対応コップひとつにスプーンひとつをあてがって、ぴったりペアになれば「同じ数だけある」ということ――これが一対一対応
- 1.1.2 順番に数えるひとつ触れたら「いち」と言う、飛ばさず、ダブらず――すると 1、2、3、4…と自然に出てくる
- 1.1.3 最後の数が全体の個数(総数)「ご」で止めたとき、その「ご」がひとまとまり全体を表している――それが「いくつあるか」という答え
- 1.1.4 多いと少ない二山のあめをペアにして一方が先になくなれば、余った山が「多い」、空になった山が「少ない」
- 1.1.5 「いくつ」と「何番目」(基数と順序数)「3人います」は数の多さ、「3番目に並んでいます」は位置――同じ3でも意味が違う
「何もない」もまた数(ゼロ)であることを理解し、十になるたびに新しいまとまりを作る仕組みの不思議を発見する
- 1.2.1 ゼロの意味お皿が空っぽ、何もかも取り去られた――この「何もない」もきちんと書き留める値打ちがあって、それが 0
- 1.2.2 10の誕生:十でひとまとまり細い棒を十本たばねてひとまとまりとし、それをひとつの新しい「十の束」として数える
- 1.2.3 十いくつ:束ひとつといくつか束が一つと棒が三本でじゅうさん、13 と書く――前の 1 が束、後ろの 3 がばら
- 1.2.4 何十:束がいくつか棒の束が三つで三十、30 と書く――末尾の 0 はばらが一本もないことを表している
- 1.2.5 百まで数える束を十個たばねると百がひとつ、100 と書く――十がまた登場して、もう一段上へ
一の位・十の位・百の位・千の位…の規則を理解し、何桁もある数を読んだり書いたりできるようになる
- 1.3.1 一の位と十の位同じ 5 でも、一の位なら棒 5 本、十の位なら束 5 つ――その場所が大きさを決める
- 1.3.2 百・千・数える単位右から順に一・十・百・千――一段左へ行くごとに、ひとつ前の位の十倍になる
- 1.3.3 ゼロは位の穴埋め(プレースホルダー)三百五には「十」がないから、その場所に 0 を置いて 305 と書く――35 とは書けない
- 1.3.4 多桁の数の読み方いちばん高い位から「○千○百○十○」と読み下す――途中の 0 はそのまま「ゼロ」と読む
- 1.3.5 多桁の数の書き方「二千八」と聞いたら、千の位に 2、空の百と十の位に 0 を置き、一の位に 8 を入れて 2008 と書く
- 1.3.6 一万とそれより大きな数一万は千が十個、数が大きくなるにつれて四桁ごとに区切る:一、万、億
位取りを使って数を手早く比べたり並べたりする方法を身につけ、大小関係を表す記号を使えるようにする
- 1.4.1 数直線の上でその数の位置を見つける数を定規の目盛りのように並べると、右へ行くほど大きい――右に座っているほうが大きい
- 1.4.2 大きさの比べ方まず桁数が多いほうを見る、桁数が同じなら上の位から順に比べ、初めて違う位が勝負を決める
- 1.4.3 大なり・小なり・等号の記号先の尖った方が小さい数、開いた方が大きい数を向く:5 > 3、3 < 5、4 = 4――記号の口は大きい方へ開く
- 1.4.4 小さい順・大きい順に並べる背の順に並ぶ感覚で:低い順が昇順、高い順が降順
- 1.4.5 最大と最小を見つける並べ終わったら、先頭と末尾がその中の最大と最小になる
ものを二つずつペアにすることで奇数と偶数を知り、数の中に隠れたパターンを感じ取る
- 1.5.1 二つずつ分ける:奇数と偶数駒を二つずつペアにして、ぴったりペアになれば偶数、一つ余れば奇数
- 1.5.2 一の位で奇数か偶数かを見分ける一の位が 0・2・4・6・8 なら偶数、1・3・5・7・9 なら奇数
- 1.5.3 奇数と偶数の交互リズム奇、偶、奇、偶と交互に続く――グリコで片足・両足と交互に踏み出すような、規則正しいリズム
- 1.5.4 数列のパターンを見つける2、4、6、8…は一段ごとに 2 増える;「増え幅」がわかれば、そのまま数え続けられる
数の大きさへの直感を育て、がい数(概数)への丸め方を身につけ、計算での見積もりへの橋渡しをする
- 1.6.1 日常生活の中の数年齢・家の番号・電話番号・値段…数はいたるところにある――その数が何を表しているか気づくことからはじめよう
- 1.6.2 だいたいいくつかを見積もる一個ずつ数えなくても、瓶の中のあめを一目見て「三十個くらいかな」と予想する――それが見積もり
- 1.6.3 十の位や百の位に近い数数直線の上で、38 は 30 よりも 40 に近いから「だいたい 40」と言う
- 1.6.4 丸める(四捨五入)切り捨てる位の数字を見る:5 未満なら切り捨て、5 以上なら切り上げ――すっきりした十や百の数にする
- 1.6.5 ほぼ等しい記号と概数297 ≈ 300 ――波線の等号「≈」は「ほぼ等しい」という意味で、暗算がぐっと楽になる
- 1.6.6 見積もりの準備まず数をきりのいい十や百に丸めておくと、たし算・ひき算・かけ算・わり算のどれでも頭の中でざっくり答えが出せる
2四則演算と見積もり
数えることから計算へと進み、たし算とひき算の現実世界での意味・互いに逆の関係・多桁数の筆算を身につける。
- 2.1.1 たし算の意味2つの山のキャンディをひとつの袋に入れて全部数える——それが「まとめる」ことで、a + b と書く。
- 2.1.2 ひき算の意味かごに8個のリンゴがあり、3個取り出して残りを数える——その「取り除く」操作が a − b と書かれる。
- 2.1.3 たし算とひき算はペア足してから同じ数を引けばもとに戻る。だから 5 + 3 = 8 と 8 − 3 = 5 は互いにほどき合う関係だ。
- 2.1.4 多桁数のたし算と繰り上がり同じ位のビーズを並べて足し、10に達したら左隣の位へ1繰り上げる。
- 2.1.5 多桁数のひき算と繰り下がりある位が足りなければ左隣から10を借りてきて補う——それが繰り下がりだ。
- 2.1.6 たし算・ひき算の確かめ答えを逆の計算でもとの数に戻せるか確かめる——一致すれば正解だ。
等しい量の繰り返しのたし算をかけ算に圧縮し、九九を覚えて多桁数の筆算をマスターする。
- 2.2.1 かけ算は繰り返しのたし算の省略形1列4脚の椅子が5列——4 + 4 + 4 + 4 + 4 は長すぎるから 5 × 4 と書く。
- 2.2.2 九九長方形の配列の点を表にまとめて徹底的に覚えると、7 × 3 = 21 が考えなくても出てくる。
- 2.2.3 かけ算を面積として見るタイルが横3枚・縦4枚並んだ床を全部数えると積 3 × 4 になる。
- 2.2.4 多桁数と1桁数のかけ算大きな数を各位に分解し、それぞれにかけてから積み上げ、10になるたびに繰り上げる。
- 2.2.5 2桁×2桁のかけ算まず一の位でかけ、次に十の位でかけて1列ずらし、それを足す——2階建ての建物を積み重ねるようなものだ。
- 2.2.6 かけ算における0と1の振る舞い1倍はすべてそのまま、0倍はどんな数も0になる——空の山は何をかけても何もない。
わり算の2つの現実的な意味を理解し、余りを扱い、長除法をマスターして、かけ算とわり算が逆の関係にあることを見る。
- 2.3.1 わり算の意味①:等しく分ける12個のキャンディを3人に均等に配ったら一人何個もらえるか——その均等な分け方が 12 ÷ 3 だ。
- 2.3.2 わり算のもう一つの意味:何個入るか12個のキャンディを袋に4個ずつ入れると何袋できるか——「4がいくつ入るか」を問うのも 12 ÷ 4 だ。
- 2.3.3 かけ算とわり算は逆の関係分けてからまた合わせればもとに戻る。だから 3 × 4 = 12 と 12 ÷ 4 = 3 は対になる。
- 2.3.4 余りのあるわり算7個のキャンディを3人に分けると1人2個で1個余る——その余った分が余り r だ。
- 2.3.5 長除法いちばん高い位から分け始め、次の桁を降ろして分けることを繰り返し、きれいに筆算として書く。
- 2.3.6 かけ算でわり算を確かめる商×除数+余りがもとの数と一致すれば正しい。
交換法則・結合法則・分配法則を発見し、式を組み替えて計算を速くする。
- 2.4.1 交換法則2つの山を入れ替えても合計は変わらない。だから a + b = b + a、a × b = b × a が成り立つ。
- 2.4.2 結合法則どの2つを先にまとめても答えは同じ。だから (2 + 8) を先に計算してから5を足すとスムーズだ。
- 2.4.3 分配法則床を幅で2つの帯に切り分け、それぞれ計算してから合わせる:a × (b + c) = a × b + a × c。
- 2.4.4 法則を使ったスマートな計算きりのよい数に丸めたり分解したりして計算を軽くする——25 × 4 なら先に100を作る。
- 2.4.5 ひき算とわり算の「偽の法則」順序を入れ替えるとこわれる——8 − 3 は 3 − 8 とは違う——この2つは自由に並べ替えられないことを忘れずに。
括弧を含む計算の順序を確立し、暗算と見積もりの実践的な感覚を育てる。
- 2.5.1 かけ算・わり算をたし算・ひき算より先に鉛筆3本を各2ドルで買い、ノート1冊を1ドルで買う場合、まず鉛筆代を計算する——かけ算・わり算が先だ。
- 2.5.2 括弧が最優先括弧は「ここを先にやれ」という付箋のようなもの。( ) の中身は何より先に計算する。
- 2.5.3 3ステップの混合計算ひとつひとつ関門をくぐる——括弧、次にかけ算・わり算、最後にたし算・ひき算——複雑な式もこれで整理できる。
- 2.5.4 暗算のコツ数を扱いやすい部分に分解する:48 + 27 なら50を足してから2を引けば、全部頭の中でできる。
- 2.5.5 見積もり:まず大まかな全体像をつかむレジに並ぶ前に各値段を丸めて合計し、お金が足りるかを確かめる。≈ の記号を使う。
- 2.5.6 見積もりで答えを確かめる筆算の結果が頭の中のおおよその値と大きくずれていたら、見直す——見積もりは見張り番だ。
四捨五入・精度・有効数字を学び、科学的記数法を使って大きな数を扱えるようにし、小数への橋渡しとする。
- 2.6.1 四捨五入最後の桁がどちらの10に近いかで決める——4以下は切り捨て、5以上は切り上げ。
- 2.6.2 精度:どの位まで表すか身長を「約1メートル7」と言うか「1.72メートル」と言うかは、どれくらい細かく表す必要があるかによる。
- 2.6.3 有効数字最初のゼロでない桁から数え、本当に意味を持つ桁の数が近似数の確かさを表す。
- 2.6.4 非常に大きな数の感覚をつかむ千・百万・十億と段階的に上がっていく——一段上がるたびにゼロが増えていく。
- 2.6.5 科学的記数法長く連なるゼロを10の累乗にまとめる。300000 は 3 × 10⁵ と書く。
- 2.6.6 科学的記数法での比較と見積もり光速や世界人口のような巨大な数は、指数だけ比べてどちらが大きいかがわかり、見積もりがずっと楽になる。
3分数と小数
「公平に分け合う」という場面から分数を育て、分数が「全体の一部」を表すことを理解し、読み書きと数直線上への配置を身につける。
- 3.1.1 等しく分けること、そして分数の誕生1枚のパイを等しく切り、いくつか取る——何個のうちの何個か、それをそのまま記したものが分数 a/b だ。
- 3.1.2 分子と分母が伝えていること下の数(分母)は何等分したかを表し、上の数(分子)はその何個分かを表す。間にある横棒は、等しく分ける「ナイフ」だ。
- 3.1.3 分数が数直線のどこにいるか0 から 1 を等間隔に区切り、その目盛りのどこかに乗るのが分数——分数も数直線の上で暮らしている。
- 3.1.4 単位分数を積み上げて分数をつくる1/4 が1ピース、3ピース集めれば 1/4 が三つで 3/4——すべての分数は単位分数の積み重ねでできている。
- 3.1.5 真分数・仮分数・帯分数カップに満たないのが真分数、あふれるときは帯分数、5/4 のような仮分数はちょうど 1¼ のことだ。
「細かく切ると個数は増えるが量は変わらない」ことを理解し、等値分数・最も簡単な分数への約分・通分を使いこなして比較や計算に備える。
- 3.2.1 等値分数:切り方が変わっても量は同じ半分の紙をもう一度折ると 2/4 になる——ピースが増えて見えても量は同じ、だから 1/2 = 2/4 = 3/6 だ。
- 3.2.2 約分:分数をいちばん簡単な形に言い換える分子と分母を公約数で割り続ける——6/8 を 3/4 に整えるように——もう割れなくなるまで続ける。
- 3.2.3 公倍数と公分母二種類のマス目をそろえるには、共通の細かさが必要だ——その共通の個数が公分母(最小公倍数)になる。
- 3.2.4 通分:ピースの大きさを同じにそろえる1/2 と 1/3 をどちらも 6 等分して 3/6 と 2/6 にする——ピースが同じ大きさになれば比べやすく、足し算もしやすい。
- 3.2.5 分数の大きさを比べる分母が同じなら分子が大きい方が大きい。分子が同じなら分母が小さい方が大きい。どちらでもなければ通分してから比べる。
ピースの大きさが同じになってから足し引きし、異分母には通分を使い、帯分数の繰り上がり・繰り下がりと、結果の約分まで仕上げる。
- 3.3.1 同分母:ピースをただ合わせるだけすべて 1/8 のピースなら、3 個と 2 個で 5 個——分母はそのままにして、分子だけ足し引きする。
- 3.3.2 異分母:そろえてから足す1/2 + 1/3 は大きさがちがうのでそのままでは合わせられない。まず 3/6 + 2/6 = 5/6 にしてから足す。
- 3.3.3 帯分数:繰り上がりと繰り下がり整数部分は整数どうし、分数部分は分数どうしで処理する。分数が引けないときは整数から 1 を借りてくる。
- 3.3.4 結果を簡単にする習慣計算が終わったら約分し、仮分数があれば帯分数に直す——そこまでやって初めて答えが完成する。
面積と「一部の一部」のイメージで分数の掛け算を理解し、「等しく分ける」イメージで割り算を理解し、約分と逆数を使いこなす。
- 3.4.1 分数×整数:その個数ぶん集める2/5 を 3 個集めるのは 2/5 を 3 回足すのと同じ——分母はそのままで分子を 3 倍すると 6/5 になる。
- 3.4.2 分数×分数:半分の半分半分の 1/3 を取る、マス目を描いて小さなセルを数える——分子どうし・分母どうしを掛け合わせればよい。
- 3.4.3 先に約分してから掛ける掛け算の前に、分子と分母をまたいで共通の因数を消す——数が小さくなって、ミスも減る。
- 3.4.4 逆数:上下をひっくり返す3/4 をひっくり返すと 4/3 になり、掛けるとちょうど 1 になる——この二つが互いの逆数だ。
- 3.4.5 分数の割り算:割ることは逆数を掛けること「1/4 サイズの切り身でパイの半分を何個に分けられるか」という問いは、逆数を掛ける掛け算に変わる。
1 を 10 等分することから小数を広げ、小数が十進法の分数であることを理解し、位の値・読み書き・比較・単位の変換を身につける。
- 3.5.1 小数は十進法の分数だ1 を 10 等分した 1 つ分が 0.1 で、それは 1/10——小数は分母が 10・100・1000 の分数にすぎない。
- 3.5.2 小数の位と数え方の単位小数点の右には十分の一の位、百分の一の位、千分の一の位と続く——一つ右へ行くたびに 10 分の 1 細かくなる。
- 3.5.3 小数の読み方・書き方と意味0.25 は「れい点に五」と読み、0.1 が 2 個と 0.01 が 5 個、つまり 25/100 を意味する。
- 3.5.4 末尾の 0 は値を変えない0.3 と 0.30 は同じ量——末尾に 0 を足すと細かく区切り直しただけで、大きさは変わらない。
- 3.5.5 小数の大きさを比べる上の位から順に桁ごとに比べる——十分の一の位、次に百分の一の位と——数字が大きい方が大きな数だ。
小数の足し算・引き算・掛け算・割り算の方法を身につけ、点がなぜそこに移るかを理解し、四捨五入と循環する場合も学ぶ。
- 3.6.1 小数の足し算・引き算:点をそろえる小数点をそろえると同じ位どうしがそろい、あとは整数と同じように桁ごとに足し引きするだけだ。
- 3.6.2 小数の掛け算:整数として計算してから点を置く点を無視して積を求め、次に両方の数の小数部分の桁数を合計して、その分だけ右から点を置く。
- 3.6.3 小数の割り算:割る数を整数に変える割る数の小数点を右へずらして整数にし、割られる数の点も同じだけずらす——すると普通の整数の割り算になる。
- 3.6.4 商の近似値と四捨五入割り切れないときは必要な桁まで計算し、次の桁を見て四捨五入して、結果に ≈ を添える。
- 3.6.5 有限小数と循環小数割り算がきれいに終わるものが有限小数、桁が永遠に繰り返すものが循環小数で、0.3̇ のように点で示す。
三つの表し方をつなげ、百分率を「100 個のうちの何個か」として紹介し、次の比・比例・割合の学習へ直接橋をかける。
- 3.7.1 分数→小数:分子を分母で割る分数の横棒は割り算の記号だった——3/4 は 3 ÷ 4 = 0.75 にすぎない。
- 3.7.2 小数→分数:位の値から分母を書く0.45 は「百分の四十五」と読むので、45/100 と書いて約分すると 9/20 になる。
- 3.7.3 百分率:100 個のうちの何個か全体を 100 等分して、そのうち 75 個取れば 75%——% という記号は「100 につき」を意味する。
- 3.7.4 百分率・小数・分数の相互変換% をとって小数点を 2 つ左へずらすと、0.6 = 60% = 3/5——一つの数の三つの書き方で、好きに使い分けられる。
- 3.7.5 三つの形を使いこなして実際の問題を解く割引・打率・シェアには、そのとき便利な形を選んで使う——自在に切り替えられることが「比と割合」への橋になる。
4比・比例・割合
学んだ分数を活かして、「ある量が全体のどれだけか」から「どちらが大きく、何倍か」へと視点を移します。ここで比と割合という言葉の力を手に入れましょう。
- 4.1.1 比とは何か砂糖水を砂糖2さじ・水3さじで作るとき、その「いくつ対いくつ」という比べ方を 2:3 と書きます。
- 4.1.2 比と分数・除法の関係a 対 b は実は a ÷ b のことで、a:b = a/b、比の値は商そのものです。
- 4.1.3 割合と単価3キログラムで12ドルなら、「1キログラムあたりいくら」を求めると比を一つの単位量にまとめた 4ドル/kg が出てきます。
- 4.1.4 比を最も簡単な整数の比に直す分数を約分するように、8:12 を 4 で割って最もすっきりした 2:3 にします。
- 4.1.5 連比3色を同時に混ぜるとき、赤・黄・青をまとめて比べる書き方が a:b:c です。
「1つの比」から「等しい2つの比」へ進み、比例かどうかを調べる方法とその基本性質を学びます。正比例・反比例や比による分配の土台になる大切な一歩です。
- 4.2.1 比例とは何か写真を拡大しても「縦対横」の比は変わりません。等しい2つの比をつなぐと a:b=c:d と書けます。
- 4.2.2 比例の基本性質つりあった天秤のように、外側の積と内側の積は等しくなります。a:b=c:d ならば ad=bc です。
- 4.2.3 比例式で未知の項を求める3つの項がわかっていれば、たすき掛けを逆に使って x を求められます。
- 4.2.4 地図の縮尺地図上の1cmが実際の100mに対応するとき、地図上の距離と実際の距離の比が縮尺 1:10000 です。
比例を静止した等式から、2つの変化する量の生きた関係へと変えます。2つの典型的なつながり方に出会い、変化をグラフで表すことへの最初の一歩を踏み出します。
- 4.3.1 正比例の関係たくさん買うほど代金も増えますが、単価が一定なら y は x と同じ割合で増え、比 y/x=k が一定に保たれます。
- 4.3.2 正比例のグラフ対応する値をとって結ぶと、正比例は原点を通る直線を描きます。
- 4.3.3 反比例の関係一定の距離を速く走るほどかかる時間は短くなります。一方が増えると他方が減り、積 xy=k が一定に保たれます。
- 4.3.4 反比例のグラフ反比例の点を結ぶと、軸に決して触れない曲線が現れます。
- 4.3.5 見分け方と使い方まず「一緒に増えるか、逆向きに動くか」を問い、次に比 k が一定か積 k が一定かを確かめて判断します。
「100あたりいくつ」という特別な比を取り出し、パーセントは比の一種だと理解します。分数・小数・パーセントの間を自由に行き来できるようになりましょう。
- 4.4.1 パーセントとは何か充電残量が10分の8のとき、「100のうちいくつ」で表すとパーセント 80% になります。
- 4.4.2 パーセント・分数・小数の変換75% は 75/100 でもあり 0.75 でもあります。パーセント記号をはずすと小数点が2つ右へ移るだけです。
- 4.4.3 ある数が別の数の何パーセントかを求める50問中45問正解なら、部分を全体で割ってパーセントに直すと 90% です。
- 4.4.4 ある数のパーセントを求める200ドルの15%がいくらか知りたければ、全体にパーセントを掛けます。200×15% です。
- 4.4.5 パーセントから全体を逆算する終わった12%がちょうど6問だとわかれば、パーセントで割ることで合計を求められます。
割合を実際のお金や変化量、増減・割引・利子に当てはめます。上がるときも下がるときも「元の量×(1プラスまたはマイナス割合)」という一つの形ですっきり表せるようになりましょう。
- 4.5.1 割合による増加と減少20%値上がりすると新しい価格は元の1.2倍。「元の量×(1プラスまたはマイナス割合)」でまとめて表せます。
- 4.5.2 割引とセール価格2割引きとは元の80%を払うことで、セール価格 = 定価 × 割引率 です。
- 4.5.3 利益・利益率・税率仕入れ値と売値の差を仕入れ値で測ったものが利益率、つまり 利益 ÷ 仕入れ値 です。
- 4.5.4 元金・利率・単利1年間お金を預けたときに得る少しのお返しが利息で、利息 = 元金 × 利率 × 期間 です。
- 4.5.5 複利への最初の一歩利息にもまた利息がつくと、お金は雪だるま式に増え、毎年 (1プラス利率) が掛けられていきます。
比と割合を使って、分配と換算という日常の2つの問題を解きます。「量 = 数 × 単位」という感覚を身に付け、次のステージで符号付き有理数へ進む準備を整えましょう。
- 4.6.1 比による分配ボーナスを貢献度 3:2 で分けるには、合計を5等分してそれぞれの取り分の数だけ渡します。
- 4.6.2 連比と混合の問題セメント・砂・砂利を 2:3:5 で混ぜるには、まず1部分の量を求め、それぞれ必要な量を作ります。
- 4.6.3 単位換算の中の比1メートル = 100センチメートルは実は換算比で、換算係数を掛けることで単位を切り替えられます。
- 4.6.4 量・数値・単位(次元の感覚)量は数と単位の積で、等式の両辺で単位も合っていなければなりません。3m×2=6m です。
- 4.6.5 複合単位と割合速さは「1時間あたりの何キロメートル」で、単位も計算に参加します。km÷h=km/h です。
5負の数と有理数
正の数だけではどこで行き詰まるかを実感させ、反対の意味を持つ量から負の数を自然に引き出し、すべての数を数直線の上に位置づける。
- 5.1.1 反対の意味を持つ量東に3歩、西に3歩は全くの別物だから、反対方向には反対の符号をつけて区別する必要がある。
- 5.1.2 正の数と負の数零度より5度高ければ+5、5度低ければ−5と書き、先頭の小さなダッシュは単に「反対の方向」を表している。
- 5.1.3 ゼロは正でも負でもない海面は高くも低くもない基準点であり、0は正と負の境界線で、それ自身は方向を持たない。
- 5.1.4 数直線の3つの要素目盛りのついた温度計をイメージしよう。原点・方向・単位の長さを決めれば、どんな数も自分の居場所を得る。
- 5.1.5 数直線上での数の表し方正の数は原点から右へ、負の数は左へ、歩いた分だけの点がその数の場所になる。
数直線上の対称性と距離をもとに「反数」と「絶対値」という2つの道具を作り、有理数の計算への準備を整える。
- 5.2.1 反数原点から等距離にある2つの数のペア。符号を反転させればaは−aになる。
- 5.2.2 重なった符号の整理方向を2回ひっくり返せば元に戻るから、−(−3)は結局+3だ。ダッシュの数を数えよう。
- 5.2.3 絶対値の意味左に行こうと右に行こうと、問うのは原点からの距離だけ。その距離が絶対値|a|だ。
- 5.2.4 絶対値の性質距離は決して負にならないから|a| ≥ 0であり、ある数とその反数は常に同じ距離だけ原点から離れている。
- 5.2.5 距離への絶対値の利用数直線上の2点の隔たりは、2点の差の絶対値|a−b|を求めればよい。
すでに知っている整数・分数・小数を「有理数」という大きな家族へと迎え入れ、数直線上に並べて大小を比べる方法を身につける。
- 5.3.1 有理数とは何か2つの整数の比p/qとして書ける数はすべて有理数だ。小数も分数もみんな仲間入りしている。
- 5.3.2 有理数の仕分け引き出しを整理するように、整数か分数か、あるいは正・負・ゼロに分けて、それぞれの区分にはめ込む。
- 5.3.3 数直線での大小比べ右にある数ほど大きく、右の数は左の数より常に大きい。
- 5.3.4 正・負・ゼロの大小関係正の数はすべて0より大きく、負の数はすべて0より小さいから、正の数は必ず負の数より大きい。
- 5.3.5 絶対値で負の数を比べる2つの負の数では、原点から遠い方が実は小さい。つまり絶対値が大きいほど数は小さくなる。
数直線上の「歩き続ける」イメージを通じて加法・減法を理解し、符号のルールをマスターし、減法を加法へと変換する。
- 5.4.1 加法のイメージ数直線上で最初の歩幅だけ進み、そこから2つ目の歩幅を続けて進む。着地した点が2数の和だ。
- 5.4.2 加法のルール同符号なら絶対値を足してその符号をつける。異符号なら絶対値を引いて、絶対値が大きい方の符号をつける。
- 5.4.3 加法の法則どちらを先に足しても同じだから、交換法則と結合法則を使えば正の数・負の数をそれぞれキリのいい数にまとめられる。
- 5.4.4 減法を加法に変えるお金を借りることは負の金額を加えることと同じだから、a−bをa+(−b)と書き換えれば加法だけになる。
- 5.4.5 加減の混じった計算全体を加法として捉え、各符号をその数に貼り付けたまま、自由に順序を入れ替えてキリのいい数を先に計算する。
「反対方向への繰り返し」で乗法の符号ルールを理解し、法則と逆数をマスターして、累乗への道を開く。
- 5.5.1 乗法のイメージとルール負の数を掛けることは方向をひっくり返すようなもの。同符号は正、異符号は負になり、そのうえで絶対値を掛ける。
- 5.5.2 複数の因数の符号負の符号の個数を数える。偶数個なら積は正、奇数個なら負、そして0が1つでもあれば積全体が0になる。
- 5.5.3 乗法の法則と分配法則順序も組み合わせも自由に変えてよく、a(b+c)=ab+acの分配法則はかっこを外すときにも共通因数を括り出すときにも役立つ。
- 5.5.4 逆数掛け合わせると1になる2数のペア。aに1/aを掛けるとちょうど1になる。
- 5.5.5 除法のルール数で割ることはその数の逆数を掛けることと同じだから、除法はその場で乗法に変わる。符号のルールも同符号は正、異符号は負のまま変わらない。
「何度も掛け続ける」ことを累乗として記し、計算の順序を整理し、法則を使って近道を見つけ、次の段階の根号と実数へと自然につなげる。
- 5.6.1 有理数の累乗同じ因数を何個か掛け合わせたものを累乗aⁿと記録する。nはコピーの個数に過ぎない。
- 5.6.2 累乗の符号パターン正の数の累乗は常に正。負の数は偶数乗で正、奇数乗で負になる。指数が偶数か奇数かに注目しよう。
- 5.6.3 四則混合計算の順序累乗を最初に、次に乗除、そして加減の順に計算し、かっこの中は最優先だ。列に並んで自分の番を待つようなもの。
- 5.6.4 法則と賢い近道数をキリよく丸め、共通因数を括り出し、項を分割して、法則を使えば複雑な式の近道が見つかる。
- 5.6.5 実数への伏線ある数を何乗かしたときの値が分かれば根を取る必要が出てくる。その答えが有理数の外に飛び出すことがあり、それが実数へと続いていく。
6累乗・根号・実数
前のステージで学んだ有理数の「同じ数を何度もかける」操作を累乗の記法に圧縮し、底・指数・累乗という言葉と基本的な演算を身につける
- 6.1.1 同じ数をくり返しかける細胞は毎時間倍になり、2×2×2と書き続けるのはたいへんなので、2³と短縮する
- 6.1.2 底・指数・累乗aⁿは「aをn回かけ合わせたもの」と考える:下のaが底、上のnが指数、その結果が累乗の値
- 6.1.3 負の数・分数の累乗(-2)を自分自身でかけると符号がくるくる変わり、指数が奇数か偶数かで決まる;分数は分子と分母をそれぞれ別々に累乗するだけ
- 6.1.4 累乗の符号パターン負の底は偶数乗で正、奇数乗で負になる。(-a)ⁿのように、交互に登場する当番表のようなもの
- 6.1.5 累乗を含む計算の順序まず累乗、次に乗除、最後に加減、かっこは常に優先——これで「どの演算が先に出番を取るか」がはっきりする
「辺の長さがわかれば面積が求まる」という問いをひっくり返して「面積がわかれば辺の長さは?」という問いにし、平方根と正の平方根へとつながる
- 6.2.1 2乗と正方形の面積辺の長さaの正方形の面積はa×aで、これをa²と書き「aの2乗」と呼ぶ
- 6.2.2 平方根を求める:面積から辺へ戻る面積が9の正方形の辺の長さを求めることは、x²=9を満たすxを見つける逆の操作だ
- 6.2.3 平方根と正の平方根面積9の正方形の辺の長さは+3でも-3でもあり得るので、どちらも平方根だが、正の方だけを√9と書く
- 6.2.4 √aが存在する条件となぜ負にならないか面積は負になれないので√aの中のaは≥0でなければならず、取り出した√aも常に≥0になる
- 6.2.5 完全平方数と平方根の概算1、4、9、16などは「きれいに平方根が出る」数なので、それ以外の数は両隣の完全平方数に挟んで√aの上下限を絞り込む
2乗の考え方を三次元に拡張して3乗と立方根を作り、符号の扱いが平方根と違う点を比べる
- 6.3.1 3乗と立方体の体積辺の長さaの立方体の体積はa×a×aで、これをa³と書き「aの3乗」と呼ぶ
- 6.3.2 立方根を求める:体積から辺へ戻る体積27の立方体の辺の長さを求めることは、x³=27を満たすxを求めることで、∛27と書く
- 6.3.3 立方根と符号の扱い体積は正にも負にもなれるので負の数にも立方根があり、∛(-8)=-2 のように符号はそのまま根号を通り抜ける
- 6.3.4 平方根と立方根の違い一方は負の数を受け付けず、もう一方は受け付ける:√は負の入力を拒むが∛はどちらの符号でも受け入れ、表記では一方が「2」を省略し、もう一方は「3」を明記する
割り切れない根号から無限に続く循環しない小数を発見し、無理数と実数の概念、そして数直線との対応を築く
- 6.4.1 割り切れない根:√2の謎対角線の長さは√2だが、どれだけ測っても割り切れず、小数は循環せずに永遠に続き、有理数の世界では収まりきらない
- 6.4.2 無理数:無限に続く循環しない小数√2やπのように、小数が終わらず循環もしない数を「無理数」と呼び、分数p/qの形では書けない
- 6.4.3 実数とは何か、どう分類されるか有理数と無理数を合わせたものが実数で、「分数で書けるか書けないか」で二つの大きな仲間に分かれる
- 6.4.4 実数と数直線は一対一に対応する数直線上のすべての点には実数が、すべての実数には点があり、√2でさえ数直線上に正確に決まった位置がある
- 6.4.5 実数の反数と絶対値原点を挟んで対称な点は互いに反数であり、原点までの距離が絶対値で、これは無理数でも同じようにはたらく
√aを実際に計算できる量として扱い、性質・簡単にする方法・四則演算・分母の有理化をマスターする
- 6.5.1 根号を含む式の意味と成り立つ条件√aは「評価を待っている量」として扱うが、根号の中のaが≥0のときだけ意味をもつ
- 6.5.2 最も簡単な形と根号の簡単化根号の中に完全平方数の因数があれば外へ出し、√12を2√3にするように、中がこれ以上簡単にならなくなるまで続ける
- 6.5.3 根号の乗法と除法根号は分けたりまとめたりできる:√a·√b=√(ab)、√a÷√b=√(a/b)(すべて負にならない範囲で)
- 6.5.4 同類の根号の加法と減法同類項をまとめるのと同じく、まず簡単にしてから√3を一つの単位として足す:2√3+√3=3√3
- 6.5.5 分母の有理化根号が分母にあると扱いにくいので、分子分母に同じものをかけて根号を分子へ移し、1/√2を√2/2にする
- 6.5.6 根号を含む式の混合計算根号を計算できる数として扱い、通常の順序(累乗→乗除→加減)で問題全体を解き進める
実数を一つの統一された数の体系として計算・比較・概算し、代数式という普遍的な対象への土台を固める
- 6.6.1 実数の四則演算有理数の加減乗除のルールはそのまま実数でも使え、無理数もまったく同じルールにしたがう
- 6.6.2 実数の大小比較数直線で右にある方が大きいので、√5と2.3を比べるときは2乗を比べるか、どちらかを絞り込んだ範囲に挟む
- 6.6.3 無理数の概算と精度の選び方完全平方数で挟んで√7が2.6と2.7の間にあることを確認し、精度が欲しいときはもう一段絞り込む
- 6.6.4 文字で任意の実数を表す実数はすべて同じ演算に従うので、aやxという文字を「任意の実数」の代わりに使え、これで代数式への道が開ける
Ⅱ · 式と方程式
7文字式と多項式
前のステージで学んだ具体的な数を、どんな数でも入れられる「文字」へと進化させ、文字式の読み書きを身につけましょう。
- 7.1.1 文字を使う理由リンゴ1個が5ドルなら、n個では5nドル;a や x のような文字は、好きな数を入れて使える「空欄」です。
- 7.1.2 式を書く:言葉を記号に翻訳する「x より3大きい」や「x の半分」を言葉どおりに x+3、x/2 と書き表す練習をします。
- 7.1.3 式の正しい書き方数を文字の前に書き、かけ算の記号は省略し、割り算は分数で表す;a·b は ab とまとめるのが全員が使う約束事です。
- 7.1.4 式の値を求める文字の空欄に具体的な数を代入し、計算の順序に従って進める;x=2 のとき 3x+1 は 7 になります。
- 7.1.5 式でパターンを表すn 番目の形にマッチ棒が何本必要かを観察し、n とともに変化する式を見つけ、パターン全体をひとつの式で書き表します。
文字式を整理・命名し、単項式・多項式とその大きな仲間を知り、係数・次数・同類項という基本用語をマスターしましょう。
- 7.2.1 単項式:かけ算だけでつながっている式3x² や -2ab のように、数と文字のかけ算だけでできた式を単項式といいます。
- 7.2.2 単項式の係数と次数前に付いている数が係数(ブロックの大きさ)で、文字の指数をすべて足した値が次数(積み上がりの段数)です。
- 7.2.3 多項式:ブロックをいくつかつなぎ合わせた式いくつかの単項式を「+」や「−」でつなぎ、x²-2x+1 のような式を多項式といい、それぞれのかたまりを項と呼びます。
- 7.2.4 多項式の項・次数・定数項最も次数の高い項が多項式全体の次数を決め、文字のない数だけの項が定数項です。
- 7.2.5 多項式の仲間と同類項単項式と多項式をまとめて多項式の仲間といい、文字と指数が同じ項どうしを同類項と呼びます。
同類項をまとめ、かっこの外し方のルールを身につけて、式の加減算を行い、最も簡単な結果にまとめましょう。
- 7.3.1 同類項をまとめるリンゴ3個とリンゴ2個を足せばリンゴのまま;同類項は係数だけを足し、文字はそのまま残します。
- 7.3.2 かっこの前がマイナスの場合のルールかっこの前の「−」は鏡のように働き、かっこ内の各項の符号をすべてひっくり返す;「+」ならそのまま出てきます。
- 7.3.3 かっこを付けるルールかっこを外す逆の操作;複数の項をかっこの中に入れるとき、前に「−」がある場合はすべての項の符号を逆にして入れます。
- 7.3.4 式の加法と減法まずかっこを外し、それから同類項をまとめ、長い式を a+b のようにすっきりした形へ整理します。
- 7.3.5 加法・減法の活用周の長さや価格の差を求めるとき、各部分の式を足し引きして整理し、ひとつきれいな式にまとめます。
前のステージで学んだ指数を、式の乗法に必要な指数のルールへと拡張し、次のゲートをしっかり通っておきましょう。
- 7.4.1 同じ底をもつ累乗のかけ算a²·a³ は a が2個の後にさらに3個続くだけだから、底はそのまま、指数を足して a⁵ になります。
- 7.4.2 累乗のかっこ外し(累乗の累乗)(a²)³ は「a が2個」というかたまりを3回繰り返すから、底はそのまま、指数をかけ合わせて a⁶ になります。
- 7.4.3 積の累乗(ab)³ は a が3個と b が3個を別々に数えること;積の累乗は、それぞれの因数をその指数でべき乗した積になります。
- 7.4.4 指数のルールを組み合わせる3つのルールが一問の中に同時に現れることも多い;かけ算なのか重ね算なのかを見極め、指数を足すか掛けるかを正しく選びましょう。
指数のルールをもとに、単項式どうし、さらに多項式のかけ算をマスターし、面積モデルで各ステップの意味を理解しましょう。
- 7.5.1 単項式×単項式係数どうしをかけ、同じ底の文字は同底の累乗としてまとめる;二つのブロックの大きさと段数をそれぞれ合わせるイメージです。
- 7.5.2 単項式×多項式分配法則を使って、かっこの外のブロックをかっこ内の各項に一つ残らず配っていきます。
- 7.5.3 多項式×多項式大きな長方形を小さなマス目に切り分けるように、すべての項とすべての項をかけ合わせてから足し合わせる;(a+b)(c+d) が典型例です。
- 7.5.4 面積モデルで乗法を理解する式を長方形のタイルとして描き、各小さなマスが一つの項になると、展開の様子がひと目でわかります。
多項式の乗法から「和と差の積」と「完全平方式」の公式を引き出し、正方向も逆方向も自在に使い、次のステージの因数分解への準備を整えましょう。
- 7.6.1 和と差の積(差の平方)(a+b)(a-b) では中間の項が打ち消し合い(一方は加算、他方は減算)、すっきりした a²-b² だけが残ります。
- 7.6.2 完全平方式の公式(a+b)² を展開すると、大きな正方形の中に二つの小さな正方形と二本の帯が入り、a²+2ab+b² になります。
- 7.6.3 公式を図形で見る正方形と長方形を並べ、2ab を作る二本の帯がどこから来るのかを自分の目で確かめましょう。
- 7.6.4 公式を柔軟に使うどの部分が a でどの部分が b かを見抜く;102×98 のような暗算も「和と差の積」でたちどころに解けます。
累乗と乗法を逆にたどり、同じ底をもつ累乗の割り算と単項式・多項式の割り算を学び、自然な流れで因数分解へとつないでいきましょう。
- 7.7.1 同じ底をもつ累乗の割り算a⁵÷a² は5個の a から2個を打ち消すだけ;底はそのまま、指数を引いて a³ が残ります。
- 7.7.2 0乗と負の指数a÷a=1 を逆にたどると a⁰=1 になり、さらに引き続けると a⁻ⁿ は 1/aⁿ を意味します。
- 7.7.3 単項式÷単項式係数どうしを割り、同じ底の指数を引き算する;単項式の乗法を逆にたどって積を分解するイメージです。
- 7.7.4 多項式÷単項式多項式の各項をその単項式でそれぞれ割り、商を足し合わせます。
- 7.7.5 因数分解への橋渡し乗法は式を展開し、その逆をたどると和を積の形に書き直せる;それがまさに次のステップ、因数分解です。
8因数分解
前の段階で学んだ多項式の乗法をふまえ、因数分解が乗法を逆向きに見ることだと気づかせる。核心となる考え方と「きちんと分解できた」とはどういう状態かを押さえる。
- 8.1.1 乗法を逆に読む乗法は部品を組み合わせて一つの式を作ること、因数分解はその式を部品に戻すこと。a(b+c)=ab+ac をただ右から左に読めばよい。
- 8.1.2 因数分解とは何か多項式をいくつかの式の積として表すこと。12 を 3×4 と書くのと同じで、a²+ab は a(a+b) になる。
- 8.1.3 乗法の鏡像展開は右へ進み、因数分解は左へ進む。同じ一本の道を行き来するだけで、展開に戻して元の式と比べれば答えを確かめられる。
- 8.1.4 これ以上分けられなくなるまで続ける数を素因数に分解しきるように、多項式もどの部分からも共通因数が取り出せなくなるまで因数分解する。
- 8.1.5 「割り切れる」の影を見つけるa が積の一因数なら、式全体は a で割り切れる。この感覚が後で学う約分の出発点になる。
最も基本的で最初に試すべき方法をマスターする。各項が共通して持つ部分を括弧の外にくくり出す方法で、係数・文字・式ごとの共通因数を扱う。
- 8.2.1 全員が持っているものを探すすべての項が同じ因数を持っているなら、それを括弧の外に招き出す:ma+mb=m(a+b)。
- 8.2.2 共通因数の決め方係数の最大公約数と各文字の最低次数の組み合わせを取る。クラス全員が持ってきた共通のものを見つけるイメージで、6x²+9x なら 3x になる。
- 8.2.3 符号の取り扱いに注意マイナスをくくり出すと括弧内の項の符号がすべて変わる。ポケットをひっくり返す感覚:-a-b=-(a+b)。
- 8.2.4 式全体を共通因数にする(x+y) を一つのかたまりとして扱い、そのまま外にくくり出す:a(x+y)+b(x+y)=(x+y)(a+b)。
- 8.2.5 展開して確かめる分配法則を使って答えを展開し、元の式と照らし合わせて、項の抜けや符号ミスがないか確認する。
前の段階で覚えた乗法公式を逆向きに使う。和と差の積のパターンや完全平方のパターンを見抜いて素早く因数分解できるようにする。
- 8.3.1 和と差の積:二乗の差「ある二乗から別の二乗を引いた形」を見たら、和と差の積に分解する:a²-b²=(a+b)(a-b)。
- 8.3.2 変装した和と差の積を見抜く4x²-9 は実は (2x)²-3² なので、まず各項を二乗の形に書き直してから公式にあてはめる。
- 8.3.3 完全平方:両端が二乗、真ん中が積の2倍a²±2ab+b² は外側に二乗、真ん中に積の2倍があるサンドイッチ型で、(a±b)² にまとめられる。
- 8.3.4 本当に完全平方かを先に確かめる真ん中の項が二つの平方根の積の2倍に等しいかを確認してから公式を使う。一致するときだけ使える。
- 8.3.5 まず共通因数をくくってから公式を使う2a²-2b² は先に 2 をくくり出してから和と差の積の公式を使う。「くくってから当てはめる」という手順を習慣にする。
二次三項式を系統的に分解する手法を身につける。因数分解を「公式を暗唱すること」から「正しい数の組を探すこと」へと深める。
- 8.4.1 二次三項式の形x²+px+q という形をしており、これを二つの一次因数の積に分解することが目標。
- 8.4.2 二つの数を探す:和は真ん中、積は最後p を和とし q を積とする二つの数を探す。和と積から組を当てるイメージで、x²+5x+6 は (x+2)(x+3) になる。
- 8.4.3 たすき掛けの図で確かめる因数を二行に書き、対角線方向に掛け合わせて足すと真ん中の項が復元されることをたすき掛けの図で確認する。
- 8.4.4 最高次の係数が 1 でない場合ax²+bx+c では最高次の項も分割が必要で、たすき掛けの各辺が対角の積を担うため、組み合わせを探すのに少し手間がかかる。
- 8.4.5 符号が正負の組み合わせを決める定数項が正なら二つの数の符号は同じ、負なら逆と判断でき、先に符号を確定させれば作業量が半分になる。
共通因数のない 4 項以上の多項式を、まずグループに分け、各グループで因数分解し、最後に共通の括弧をくくり出すことで扱う。
- 8.5.1 4 項なら先にグループ分け項が多くてそのままくくり出せる共通因数がない場合、似ているもの同士でグループに分ける。人を小隊に振り分けるイメージ。
- 8.5.2 各グループを個別に因数分解する各グループから共通因数をくくり出し、同じ括弧が現れるようにする:ax+ay+bx+by を二つのグループに分ける。
- 8.5.3 共通の括弧をくくり出す両方のグループに (x+y) が残ったら、それを一つのかたまりとして外にくくり出し (x+y)(a+b) を得る。
- 8.5.4 グループ分けを替えて再挑戦最初のグループ分けで共通の括弧が現れなければ、組み合わせを変えてやり直す。陣形を変えるイメージ。
- 8.5.5 グループ分けから和と差の積へグループ分けした後、一方が完全平方になって他の項と和と差の積の形をなすことがあり、複数の手法を組み合わせることになる。
すべての手法を標準的な手順に統合し、因数分解を数値代入や約分に役立てる。次の段階の分数式の学習への道を整える。
- 8.6.1 因数分解の標準的な順序まず共通因数をくくる、次に公式を当てはめる、それからグループ分けを試みる、最後に完全に分解されたか確認する。決まった手順に沿って進める。
- 8.6.2 因数分解してから代入すると楽になる数値を代入する前に因数分解しておくと、積の形になることで計算が簡単になり、面倒な加減法が楽な乗法に変わる。
- 8.6.3 因数分解で割り切れることを示し、式を整理する数の式を共通因数を持つ積に分解すると割り切れることが示せる:99²-1=(99+1)(99-1)。
- 8.6.4 約分の下地を作る分子と分母をどちらも因数分解すれば、同じ因数を約分できる。これが分数式を簡単にする最初のステップになる。
- 8.6.5 因数分解の振り返りと自己確認各手法のきっかけとなる形を「式の構造を見た瞬間にどの手を使うか分かる」まで復習し、分数式の学習へ踏み出す。
9分数式と分数方程式
前の段階で学んだ因数分解を、分母に文字が入った式へと広げます。分数式とは何か、そしてそれが意味をもつための条件を理解しましょう。
- 9.1.1 分数式とはピザを均等に分けるとき、枚数そのものが変わる文字だったら? 分母に文字が入った式 A/B を分数式といいます。
- 9.1.2 分数式と多項式の違いx/3 のように分母がただの数なら、それはまだ多項式。分母 B に文字が隠れているときだけ、分数式と呼びます。
- 9.1.3 分数式が意味をもつとき0 人で分けることはできません。だから、分母 B≠0 のときだけ分数式は意味をもちます。
- 9.1.4 分数式がゼロになるときケーキが残っていなければゼロ:式全体が 0 になるのは、分子 A=0 かつ分母 B≠0 のときだけです。
- 9.1.5 分数式で量を表す距離÷速さ=時間。実際の場面を、分母に文字が入った式で表して分数式を書きましょう。
値を変えずに分数式を書き換えるための道具——基本性質・約分・通分——を身につけ、四則演算への準備を整えます。
- 9.2.1 基本性質分子と分母を同じ数でかけても割っても、分けた量は変わらない:A/B=(A·M)/(B·M)、M≠0。
- 9.2.2 約分分子と分母に共通する部分を消して、できるだけ簡単な形にする。まず因数分解して公約因数を見つけ、それを消します。
- 9.2.3 既約分数式分子と分母に打ち消せる公約因数がもう残っていないとき、それが完全に約分された既約分数式です。
- 9.2.4 最小公分母複数の分数式を同じ分母にするには、それぞれの分母の因数をすべて含む最小の「入れ物」を探します——それが最小公分母です。
- 9.2.5 通分する異なる分け方をされた数を合わせるには、基本性質を使って各分数式を共通の分母に合わせましょう。
分数の乗除のルールを分数式に持ち込みます。累乗も含め、計算の前に必ず約分することがポイントです。
- 9.3.1 分数式の乗法分数と同じように縦に掛け合わせる:分子同士、分母同士を掛けて、(A/B)·(C/D)=AC/BD。
- 9.3.2 分数式の除法ある式で割ることは、その逆数を掛けることと同じ。2つ目の式をひっくり返して掛けましょう。
- 9.3.3 乗除の途中で約分すぐに展開しようとしないで。先に分子・分母を因数分解し、共通因数を消してから計算すれば、ずっとラクになります。
- 9.3.4 分数式の累乗式を何度か自分自身に掛けると、指数が分子・分母の両方にのる:(A/B)ⁿ=Aⁿ/Bⁿ。
- 9.3.5 累乗・乗法・除法の混合計算累乗を先に処理し、次に乗除。ひっくり返す・約分する・指数をまとめる、の順に進めましょう。
最後の演算——加法と減法——を完成させ、完全に整理する力としてすべてをまとめます。
- 9.4.1 同じ分母での加法・減法分母が同じなら、分子だけ合わせて分母はそのまま:(A±B)/C。
- 9.4.2 異なる分母での加法・減法分母が違う場合は、まず通分して共通の分母にそろえ、それから分子を足したり引いたりします。
- 9.4.3 多項式を含む加減多項式を分母 1 の分数式とみなし、すべてを共通の分母に合わせてまとめて計算します。
- 9.4.4 四則混合計算括弧・累乗・乗除・加減の順に処理し、式を段階的に整理していきましょう。
- 9.4.5 先に整理、後に代入ごちゃごちゃした式は、数を代入する前に徹底的に整理。早まって代入すると計算が泥沼になります。
分数式を含む方程式を解くことを学びます。分母の払い方と、余分な解のチェック方法を身につけましょう。
- 9.5.1 分数方程式との出会い未知数が分母に隠れている方程式が分数方程式。それを分母の外に引き出す方法が必要です。
- 9.5.2 分母を払って解く両辺に最小公分母を掛けて、分数方程式を解きやすい多項式の方程式に変換します。
- 9.5.3 余分な解が生まれる理由とチェックの仕方掛けた式がゼロになると偽の解がこっそり入り込みます。解いた後は必ず代入して、どの分母もゼロにならないか確かめましょう。
- 9.5.4 解き方の全手順分母を払う→多項式の方程式を解く→解を確認——この3ステップ。最後の確認は絶対に飛ばせません。
- 9.5.5 分数方程式の応用旅行・仕事・濃度の問題では、量が分母にきます。分数方程式を立てて、分母を払い、解きましょう。
10一次方程式と連立方程式
方程式と未知数の考え方を築き、等式の2つの基本性質をマスターして、あらゆる方程式を解く準備を整える
- 10.1.1 方程式と未知数文の中にまだわからない数が隠れているので、文字でその数の代わりをさせる。等号が現れたとき、その式を方程式と呼ぶ
- 10.1.2 方程式の解予想した数を元の式に代入してみて、両辺がぴったり同じ重さになれば、その数が解である
- 10.1.3 等式の第1の性質天秤の両方の皿に同じものを加えたり取り除いたりしても釣り合いは保たれる。つまり、両辺に同じ数を足したり引いたりしてよい
- 10.1.4 等式の第2の性質両方の皿を同じ倍率で増減させても釣り合いは保たれる。つまり、両辺に同じ数(ゼロ以外)をかけたり割ったりしてよい
- 10.1.5 性質を使って方程式を変形する天秤を傾けずに荷物を動かすように、この2つの性質を使えば、未知数だけを一方の辺に残すよう、段階的に式を整えられる
一元一次方程式の標準的な形を見極め、分母を払う・かっこをはずす・移項する・同類項をまとめる・係数を1にするという一連の手順をマスターする
- 10.2.1 一元一次方程式とは未知数がただ一つで、1乗にしかならない方程式であり、整理するとax+b=0の形になる
- 10.2.2 移項等号の一方の辺にある項を反対の辺へ移すと、符号が変わる。これは実際には両辺に同じ数を足したり引いたりしていることである
- 10.2.3 同類項をまとめ、係数を1にするまず同類項を一か所に集め、次に両辺を未知数の係数で割れば、xがひとりで残る
- 10.2.4 かっこのある方程式を解くかっこはまとめて詰め込んだ荷物のようなものなので、分配法則でかっこをはずし、そのあと移項と整理を行う
- 10.2.5 分数のある方程式を解く分数方程式で学んだことを活かし、両辺に分母の最小公倍数をかければ、分数が一度に消える
- 10.2.6 解の確認と特殊なケース求めた値を元の方程式に代入して両辺が一致するか確かめる。xが完全に消えてしまった場合は、解が存在しないか、あらゆる値が解になる場合がある
言葉で表された場面を方程式に翻訳し、あらゆる種類の実際の問題に対して一貫した「立てて解く」手順を使えるようにする
- 10.3.1 方程式で文章題を解く手順問題に潜む「等しい数量の関係」を骨格として見つけ出し、未知数を設定する・方程式を立てる・解く・答えるという5つのステップを踏む
- 10.3.2 和・差・倍数と年齢の問題「何個多い」「何歳若い」などはすべて数量の間の関係であり、等号の左辺と右辺に翻訳できる
- 10.3.3 距離・速さ・時間の問題距離=速さ×時間という物差しが、出会いや追いかけの問題での等量関係を与えてくれる
- 10.3.4 仕事と能率の問題仕事全体を1とみなし、一日にそれぞれが終わらせる割合を合計すれば、1つの仕事が完成する
- 10.3.5 利益・利息・濃度の問題原価に利益を加えると売値になり、元金に利率をかけると利息になり、溶質を全体の量で割ると濃度になる
未知数を1つから2つへと広げ、二元一次方程式には無数の解があるのに対し、連立方程式には共有された1つの解があることを理解する
- 10.4.1 二元一次方程式x+y=10のように、2つの未知数がいずれも1乗で現れる方程式で、一方の値を決めるともう一方の値が定まる
- 10.4.2 二元一次方程式の解2つの数の組が解になるのは、その組が方程式を同時に成り立たせる場合だけであり、そのような組は無数に存在する
- 10.4.3 二元一次方程式の連立方程式2つの条件が同時に成り立ち、2つの方程式を連ねて括弧でくくると連立方程式になる
- 10.4.4 連立方程式の解2つの方程式を同時に満たす唯一の数の組が、2つの解の集合が共有する組である
代入法と加減法という2つの基本的な解き方をマスターし、どちらも「2つの未知数を1つにする」という同じ考えであることを理解する
- 10.5.1 消去の考え方未知数が2つでは多すぎるので、一方を消し去る方法を見つければ、おなじみの一元方程式に落ち着く
- 10.5.2 代入法一方の方程式から、一方の文字をもう一方の文字で表し、その式全体をもう一方の方程式に差し込む
- 10.5.3 加減法一方の未知数の係数を等しくするか逆符号にし、方程式を引くか足すことでその未知数をきれいに消す
- 10.5.4 係数を揃えてから消去する係数が合わないときは、まず方程式全体を何かの数でかけて係数を揃え、それから加減して消去する
- 10.5.5 解き方の選択と解の確認文字を表しやすいか係数を揃えやすいかで方法を選び、数の組が求まったら両方の方程式に代入して確かめる
連立方程式を使って未知数が2つまたは3つの実際の問題を解き、消去の考え方を三元一次方程式の連立方程式へと広げる
- 10.6.1 連立方程式で文章題を解く2つの未知量と2つの等量関係が隠れている問題では、2つの文字を設定して2つの方程式を立てる方が自然な道筋になる
- 10.6.2 和・差・倍数と数の問題2つの数の和や、2桁の数の各桁の関係などは、それぞれ連立方程式として書き表せる
- 10.6.3 移動・対応・分配の問題正面から出会う場合、セットを組み合わせる場合、比で分ける場合など、未知数が対で登場するときは連立方程式を立てる
- 10.6.4 三元一次方程式の連立方程式入門3つの未知数と3つの条件が、1つの括弧でくくられた3つの方程式として表される
- 10.6.5 消去法による三元連立方程式の解き方まず方程式を2つ組み合わせて1つの文字を消去し、二元連立方程式に帰着させてから、順番に代入して3つの数をすべて求める
一次方程式の仲間をひとつにまとめ、「1乗・直線的な手順」という特徴を明確にし、次に控える二次方程式への伏線を張る
- 10.7.1 一次方程式ファミリーのまとめ未知数が1つ・2つ・3つのどれでも、等式の性質と消去法に支えられており、根本的にはすべての未知数が1乗にとどまる
- 10.7.2 なぜ「1乗」はこれほど扱いやすいのか一次方程式の解はたかだか1つで、すっきり整然としている。しかしx²が現れた瞬間、話は変わってくる
- 10.7.3 予告:未知数が2乗になるとx·xをx²と書いた途端、方程式は2つの解を持てるようになる。これがまさに二次方程式への扉である
11二次方程式
前の段階で学んだ一次方程式を踏まえ、二乗の項を含む方程式を見分けられるようになり、その標準的な形と「解」の意味を理解する。
- 11.1.1 二乗の項が現れる理由一次方程式は「どれだけ歩いたか」を表すが、正方形の区画の面積は一辺の長さによって変わる——一辺を2倍にすると面積は4倍になる——そこから x² が生まれる。
- 11.1.2 二次方程式とは何か未知数が1つで、最高次数が2の多項式方程式であり、整理すると ax²+bx+c=0(a≠0)という形になる。
- 11.1.3 3つの係数 a, b, c の見分け方方程式を標準形に並べると、二乗の項の前の数が a、x の前の数が b、残った定数が c である。
- 11.1.4 「根」とは何か根とは、方程式の両辺をちょうど等しくする x の値のこと——代入して確かめることができる。
- 11.1.5 平方根を取って解く方法x²=k や (x+m)²=k の形のとき、面積から一辺の長さを逆算するように、両辺の平方根を取って x=±√k を得る。
どんな二次方程式も完全な二乗の形に書き直して平方根が取れるようにし、解の公式への土台を築く。
- 11.2.1 完全平方の公式の復習(x+m)²=x²+2mx+m²——逆向きに読むと、不足している m² がパズルの欠けたコーナーピースである。
- 11.2.2 最高次係数が1のときの平方完成x の係数の半分を取り、それを二乗して加えると、x²+bx は完全な二乗 (x+b/2)² に変わる。
- 11.2.3 最高次係数が1でないときの平方完成まず a をくくり出して(全体を a で割って)二乗の項を裸にし、それからコーナーを補って平方完成する。
- 11.2.4 平方完成で方程式を完全に解く(x+m)²=k の形にしてしまえば、そのまま平方根を取れば、プラスとマイナスの2つの根が順を追って出てくる。
- 11.2.5 平方完成の幾何学的なイメージx²+bx を「小さなコーナーが欠けた大きな正方形」と想像しよう——(b/2)² を加えて正方形を完成させる、それがまさに「平方完成」という名前の由来である。
平方完成の手続きを一般的に最後まで押し進めて万能な公式を導き出し、根号の中の式を使って解を事前に判定する。
- 11.3.1 解の公式の導き方ax²+bx+c=0 を一般的に平方完成すると、万能の鍵が現れる:x=(−b±√(b²−4ac))/(2a)。
- 11.3.2 公式を使って解くa, b, c をそれぞれ公式の所定の場所に当てはめると、毎回一から平方完成しなくても機械的に2つの根が求まる。
- 11.3.3 判別式 Δ=b²−4ac根号の中の b²−4ac を判別式 Δ と呼び、解がどんな形になるかをあらかじめ教えてくれる天気予報のようなものである。
- 11.3.4 Δ による解の判定Δ>0 なら2つの異なる根、Δ=0 なら2つの根が重なって1つになり、Δ<0 なら実数の範囲に根はない。
- 11.3.5 判別式から逆算する「2つの等しい根を持つ」または「実数の根を持たない」という条件が与えられたとき、Δ が対応する条件を満たすようにして未知のパラメーターを求める。
最も素早い方法——因数分解——を習得し、3つの方法の中から最も手間のかからないものを選べるようになる。
- 11.4.1 核心のアイデア:「積がゼロになる」2つの数の積が0になるとき、一方は必ず0である——だから A·B=0 は A=0 または B=0 に分かれる。
- 11.4.2 共通因数のくくり出しと差の公式で解くすべてを一方の辺に移して0にし、共通因数をくくり出すか差の公式を使ってもう一方を2つのかっこの積に分解する。
- 11.4.3 たすき掛けで因数分解するx²+bx+c を (x+p)(x+q) に分解するには、積が c で和が b になる2つの数を見つけ、小さなたすき掛けの図で対応させる。
- 11.4.4 3つの方法を比べて選ぶ因数分解できるなら最も速く、歯が立たないときは公式を使い、平方完成は構造をしっかり見たいときのゆっくりした確実な方法である。
解かずに2つの根の和と積を読み取り、逆に根から方程式を作ったり対称式を計算したりする。
- 11.5.1 根の和と積に現れるパターン解の公式の2つの根を足してみたり掛けてみたりすると、根の和が −b/a、積が c/a になることを嬉しい発見として確かめられる。
- 11.5.2 ヴィエタの公式を直接使う一方の根が分かっているときもう一方を求めたり、x₁+x₂ と x₁·x₂ を秘密の鍵として方程式を解かずに答えたりできる。
- 11.5.3 根の対称式を計算するx₁²+x₂² や 1/x₁+1/x₂ のような式は、すべて和と積という2つの部品から作り出せる。
- 11.5.4 根から方程式を作る2つの根が与えられたとき、ヴィエタの公式を逆に使って、和と積を係数として x²−(和)x+(積)=0 と書く。
面積・成長率などの実際の問題を二次方程式で解き、「等しい」という考え方を次の段階の「等しくない」へとつなげる。
- 11.6.1 文章題のモデル化の手順場面の中の未知の量を x とおき、成立しなければならない関係から方程式を立て、解いたら答えが意味を持つかどうか確かめることを忘れずに。
- 11.6.2 面積・幾何の問題庭に柵を張る、小道を舗装する、箱を折る——面積の関係が二次方程式に並び、負の根はたいてい捨てなければならない。
- 11.6.3 平均変化率の問題ある量が同じ割合で2回続けて増減するとき、全体には (1+x)² がかかる——「利子に利子がつく」イメージが自然に二乗を生み出す。
- 11.6.4 数・移動・混合の問題2桁の数や追いつき・出会いの問題で積が現れると、方程式は二次になる——未知数をおいて同じように解けばよい。
- 11.6.5 「等しい」から「等しくない」へ方程式は「ぴったり何になるか」を問うが、現実はしばしば「少なくとも」や「以下」を問う——等号を不等号に替えると次の段階への扉が開く。
12不等式
前のステージで身についた等号の感覚を活かして大小比較へと踏み出し、不等式の言葉と記号を身につけよう
- 12.1.1 日常生活の中の大小関係隣の席の人より背が高い、積載量5トン以下という制限——こうした「〜より大きい・小さい」「〜以下」といった考えを > < ≥ ≤ という記号で書き表す
- 12.1.2 条件を不等式で表す「18歳以上」「速度120以下」をx≥18やv≤120と書けば、言葉が記号の文になる
- 12.1.3 数直線で大小を見る数たちを横一列に並べ、右に行くほど大きくなるように招くと、a<bはaがbの左に立つということにすぎない
- 12.1.4 2つの数の比べ方どちらが大きいかを知りたいときは一方から他方を引いて符号を確かめる:a−b>0ならaがbより大きい、それが差の利用法だ
両辺に同じ数を加えたり引いたり、かけたり割ったりしたとき大小関係がどう変わるかを整理し、不等式を解くための規則を身につけよう
- 12.2.1 両辺に同じ数を加えたり引いたりする天びんの両皿に等しいおもりを乗せても重い方はそのまま重い:a>bならばa±c>b±cで、向きは変わらない
- 12.2.2 両辺に正の数をかけたり割ったりする全員の得点を2倍にしても順位は変わらない:a>bに正のcをかけてもac>bcのまま、向きは変わらない
- 12.2.3 負の数をかけたり割ったりすると向きが逆になる左右を入れ替える鏡のように:a>bに負の数をかけると順序がac<bcと逆になる——これが最も間違えやすい一手だ
- 12.2.4 不等式のつなぎ方と足し合わせ方君が彼より背が高く、彼が彼女より背が高いなら、君は彼女より背が高い:a>bかつb>cならa>c、同じ向きの不等式は足し合わせることもできる
一次方程式を解く手順を引き継ぎ、一元一次不等式を解いて数直線に表す方法を身につけよう
- 12.3.1 一次不等式とは何か方程式の「=」を「<」や「>」に替えた2x+1>5のような式で、未知数の次数が1以下のものをいう
- 12.3.2 一次不等式を解く手順方程式と同じように分母を払い、移項し、整理するだけ——ただし両辺を負の数で割るその一手だけ向きを逆にする
- 12.3.3 解集合と数直線答えは1つの数ではなく広がりだ:x>2は2より右側全体を指し、2自身は含まないことを白丸で示す
- 12.3.4 文字係数の不等式ax>1のように係数が文字の場合は、aが正か負かゼロかをまず問い、場合に分けて処理してから結論を出す
複数の不等式の条件がすべて同時に成り立つ場合を扱い、共通の解集合を求める方法と、簡単な現実の制約問題に取り組もう
- 12.4.1 複数の条件が同時に成り立つ深いプールに入るには水泳ができて、かつ12歳以上でなければならない——複数の不等式を大きな括弧でまとめたものが連立不等式だ
- 12.4.2 数直線で共通部分を見つけるそれぞれの不等式の範囲を描き、すべてが重なる部分だけが連立不等式の解集合になる
- 12.4.3 解集合の4つのパターン「両方より大きい方を取る、両方より小さい方を取る、大きいと小さいの間を取る、小さいと大きいなら解なし」——数直線と照らし合わせると納得できる
- 12.4.4 パラメータの範囲を求める方程式の解がある条件を満たさなければならないことがわかっているとき、逆算して連立不等式を立て、パラメータが取れる範囲を求める
前のステージの二次方程式と放物線を活かし、グラフから二次不等式の解を読み取る方法を身につけよう
- 12.5.1 放物線から符号を読む上に開いた曲線y=x²−x−6を描くと、x軸の上にあるか下にあるかがそのまま>0か<0かに対応する
- 12.5.2 まず根を求め、次に区間を判定する前のステージの根を求める技を使って2つの交点を探し、数直線をいくつかの区間に分けてから符号を一つ一つ確かめる
- 12.5.3 判別式Δによる3つの場合Δ>0なら2根が内側と外側を分け、Δ=0なら1点で接するだけ、Δ<0なら曲線が全体的に一方にとどまり、解集合はそれぞれに応じて変わる
- 12.5.4 分数型・因数型の不等式(x−1)(x+2)>0のような積や分数の不等式は、いくつかの符号を掛け合わせたものと考え、符号の追跡法で順を追って処理する
相加相乗平均の不等式を極値を求める鋭い道具として学び、その図形的な意味を理解し、等号成立の条件をマスターしよう
- 12.6.1 2つの平均の綱引き算術平均(a+b)/2は幾何平均√(ab)以上になることはなく、だから正方形は同じ面積を最少の材料で囲える
- 12.6.2 基本不等式の図形的な意味半円の半径は弦の半分以上の長さを持ち、直角三角形の斜辺に降ろした高さを描くと√(ab)≤(a+b)/2がひと目でわかる
- 12.6.3 等号が成り立つ条件2つの平均が等しくなるのはa=bのときだけであり、この「正で、積が一定なら等号成立」が極値を求めるときの秘訣だ
- 12.6.4 基本不等式で極値を求める和が一定なら積が最大になり、積が一定なら和が最小になる:x+1/xの最小値はこれひとつの動きで出せる
これまでのすべての道具を現実の問題に投入し、このステージを締めくくりながら、次の図形の計量へと土台を整えよう
- 12.7.1 不等式を立てて文章題を解く「利益が〜以上」「材料が足りる」という条件を未知数で表して不等式を立てると、言葉が式に変わる——方程式を立てるのと同じように
- 12.7.2 どちらのプランが得か、境目を探す2つの料金プランのどちらがお得かを見るには、両者が等しくなる損益分岐点を求め、その前後でどちらが有利かを確かめる
- 12.7.3 最適化:コストを抑え、生産を増やす基本不等式や二次不等式を使って「最低コスト」や「最大面積」を求める——図形の計量を学ぶ下地を静かに整えながら
- 12.7.4 誤差と範囲の見積もり長さを測るときには許容誤差があるので、|x−a|<dは妥当な範囲を丸ごと囲む——これはこれから学ぶ図形の量へとつながる
Ⅲ · 平面幾何
13幾何のはじめ
代数と不等式を学んだ後、数直線や記号から目を移して、まわりにある形の世界へ踏み出す。幾何が研究すること——立体と平面図形——に出会う。
- 13.1.1 幾何学とは何か代数は「どれだけ?」を測り、幾何は「どんな形?」を見る。ルービックキューブ、サッカーボール、テーブルの天板——これらはすべて研究の対象であり、幾何学的な図形と呼ぶ。
- 13.1.2 立体図形箱、缶、アイスクリームコーンのように、空間の一部を占めるものは、直方体・円柱・円錐という立体図形になる。
- 13.1.3 よく見る立体の分類ブロックを仕分けてみよう。平らな面で囲まれた立体は多面体(角柱と角錐)、曲がった面をもつ立体は回転体(円柱・円錐・球)。
- 13.1.4 平面図形三角形・円・長方形のように、机の上に置いたとき厚みがなく平らに広がる影や紙の切り抜きが平面図形だ。
- 13.1.5 立体と平面図形のつながり紙の箱を広げれば展開図が得られ、立体を一方向から見ればその投影図が得られる。これが立体と平面図形が互いに移り変わる仕組みだ。
どんな図形も、点・線・面・立体という層を積み上げて作られている。その仕組みをたどりながら、幾何の最も基本的な言葉を身につける。
- 13.2.1 点:いちばん小さな位置夜空の一つの星、地図の一本のピン——大きさをまったくもたず、ただ「そこ」という場所を示すものが点だ。
- 13.2.2 線:動く点が線を描くペン先が滑って残す跡、流れ星の軌跡——動き続ける点が引き出すのが線だ。
- 13.2.3 面:動く線が面を描くフロントガラスを拭くワイパー、横に移動する直線——動き続ける線が広げていくのが面だ。
- 13.2.4 立体:動く面が立体を作る積み重なっていく紙の束、一回転する長方形——動き続ける面が積み上がっていくのが立体だ。
- 13.2.5 それぞれのつながり立体は面に囲まれ、面は線で縁取られ、線は点でつながれる。逆もしかり、面が立体を、線が面を、点が線を描き出す——すべてがつながり合っている。
最も基本的な直線の図形にズームインし、三兄弟(直線・半直線・線分)を見分け、その基本的な性質をつかむ。これが以後のあらゆる作図の土台となる。
- 13.3.1 直線どちらの方向にも限りなくまっすぐ続く鉄道のレール——これが直線で、直線ABまたは直線lと書く。
- 13.3.2 半直線懐中電灯の光のように、一方の端(始点)があり、そこから一方向へ無限に伸びるのが半直線で、端点Oを始点として半直線OAと書く。
- 13.3.3 線分ぴんと張ったロープのように、両端(端点)のあるものが線分で、線分ABと書く。
- 13.3.4 直線の基本性質壁に2本の釘を打ち、その間に糸を張れば、ただ1本しかできない——2点は1本の直線をちょうど定める。
- 13.3.5 線分の基本性質家から学校まで、まっすぐ歩くのが最短だ。2点の間では線分が最も短い経路であり、その長さが2点間の距離となる。
- 13.3.6 点と直線・直線と直線の位置関係点は直線の上にあるか、直線の外にあるか。2本の直線は1点で交わるか、平行に並んで交わらないか。
線分の長さを比べ、線分の和と差を求め、中点を見つける。不等式や代数での考え方を、幾何の「長さ」へと持ち越す。
- 13.4.1 線分の長さを比べるどちらの箸が長い?一方の端をそろえて、もう一方を見るか、測ってみる。そうしてAB>CDまたはAB=CDがわかる。
- 13.4.2 コンパスと定規で線分を写し取る目盛りなしでできる。コンパスを開いて線分の長さを取り、別の場所に描けば、等しい線分が再現できる。
- 13.4.3 線分の和と差2本のロープをつなぐと長さが足され、一部を切り取ると長さが引かれる。線分も同様にAC=AB+BCのように足したり引いたりできる。
- 13.4.4 線分の中点棒をバランスよく折り、両側がぴったり合う中央の折り目が中点で、AM=MB=½ABとなる。
- 13.4.5 線分を等分する点ロープに等間隔に結び目を作って3等分や4等分すれば、三等分点・四等分点が得られ、各部分は等しくなる。
2本の半直線が作る「開き」として角を認識し、その大きさを単位と測定で表す方法を学ぶ。長さから角度へ、視点を広げる。
- 13.5.1 角とは何かはさみの開き口、時計の2本の針の隙間——同じ端点から出る2本の半直線が作る開きが角で、頂点Oと辺OA・OBをもつ。
- 13.5.2 角の名前の付け方その開きに名前をつける。∠AOB・∠O・∠1のように書き、頂点の文字は常に真ん中に書く。
- 13.5.3 角の測定と単位1回転を360等分した1つが1度(1°)。さらに細かく分(′)と秒(″)がある。分度器で読み取る。
- 13.5.4 特別な角少し開けたドアが鋭角、四角のコーナーが直角(90°)、伸ばしきった直線が平角(180°)、1回転が周角だ。
- 13.5.5 度・分・秒の変換時刻の計算と同じで、60ずつ繰り上がる。60″=1′・60′=1°——この関係だけで大きい角と小さい角を自在に変換できる。
線分でやった比較・加算・減算の考え方をそのまま角に持ち込み、角の二等分線を導入する。線分の操作と角の操作を並べて見る。
- 13.6.1 角の大きさを比べる頂点と一方の辺を重ねて、もう一方の辺を見る。開きが広いほど角が大きく、∠1>∠2または∠1=∠2とわかる。
- 13.6.2 角の和と差2つの角を並べると大きな角が作られ、大きな角から一部を切り取ると小さくなる。∠AOC=∠AOB+∠BOCのように、角も足したり引いたりできる。
- 13.6.3 角の二等分線頂点から開きをちょうど2つの等しい部分に分ける直線が角の二等分線で、∠AOC=∠COB=½∠AOBとなる。
- 13.6.4 コンパスと定規で角を写し二等分するコンパスと定規だけで角を写し取ることができ、さらにどんな角でも2等分することができる。
2つの角の間にある特別な数の関係(余角と補角)とその性質を認識し、角を使って方向を表す方法を学ぶ。次の交線・平行線で学ぶ「対の角」への橋渡し。
- 13.7.1 余角2つの角がぴったり合わさって直角になるとき、互いに余角と呼び、∠1+∠2=90°と表す。
- 13.7.2 補角2つの角がぴったり合わさって平角(一直線)になるとき、互いに補角と呼び、∠1+∠2=180°と表す。
- 13.7.3 余角・補角の性質同じ角の余角(あるいは補角)は等しい。平行線の証明の場面で、この性質を何度も活用することになる。
- 13.7.4 方位角「北から東へ30°」のように、南北線からの傾きで表す方位角が方向を記述する。
- 13.7.5 まとめと次へ点・線・面から角とその関係まで、幾何の言葉がそろった。次は、2直線が交わったときに現れる「対の角」の出番だ。
14交わる直線・平行線・平行移動
前の段階で学んだ直線と角をふまえ、2直線が交わるときに現れる角のペアとその大きさの関係を探ります。これ以降の論理的な推論を支える言葉の土台を築きます。
- 14.1.1 交線と交点2本の道路が十字路で出会うとき、交差点が生まれます。その出会いの場所が、2直線が交わる点です。
- 14.1.2 隣接する補角定規を平らに置き、斜めの直線を刺してみましょう。片側では2つの角が一直線に沿って並び、ちょうど足して180度になります。これを隣接する補角と呼びます。
- 14.1.3 対頂角はさみを開くと、刃の先端とグリップの先端にそれぞれ向かい合った角のペアができ、その大きさは等しいです。これが対頂角は等しいということの意味です。
- 14.1.4 角の関係を使った簡単な推論1つの角がわかれば、「隣り合う角の和は180度」「対頂角は等しい」というルールを方程式(∠1 + ∠2 = 180°など)の形で使って、交点のまわりのすべての角を求めることができます。
2直線が直角で交わる最も特別な場合を調べ、それを使って点から直線への距離を定義します。これは後の三角形の高さの概念につながります。
- 14.2.1 垂直な直線と垂線壁の縦線と床の横線がきっちり90度で出会うように、直角で交わることを垂直といい、AB⊥CDと書きます。
- 14.2.2 点を通る垂線を引く三角定規の直角の一辺を直線に当て、もう一辺に沿って線を引けば、その点を通る唯一の垂線が完成します。
- 14.2.3 垂線の足が最短岸辺の点からまっすぐな川まで渡るなら、垂直に渡るのが最短のルートです。その垂直な線分こそが最短の経路です。
- 14.2.4 点から直線への距離点が直線からどのくらい離れているかを測るには、その垂直な線分の長さを測ります。これを点から直線への距離と呼びます。
1本の直線が他の2直線を横切るとき、3種類の角のペア(同位角・錯角・同側内角)を知り、直線が平行かどうかを調べるための言葉を準備します。
- 14.3.1 3直線・8角の場面2本のレールに斜めに渡された横木は、各交点で4つの角を作り、合計8つの角が生まれます。それを整理して名前をつける必要があります。
- 14.3.2 同位角両方の交点で「右上」など同じ位置に座っている2つの角を同位角といい、アルファベットのFの形に似ています。
- 14.3.3 錯角2直線の間に挟まれ、横断線の反対側にある角のペアは、Zの字の形に似ていて錯角と呼びます。
- 14.3.4 同側内角2直線の間に挟まれ、横断線の同じ側に並んでいる角のペアはUの字の形に似ていて、同側内角と呼びます。
- 14.3.5 3種類の見分け方角のペアを見つけたら、まずそれぞれがどちらの交点の角かを確認し、横断線の同じ側か反対側か、2直線の内側か外側かを調べれば、名前がわかります。
「決して交わらない直線」のイメージを出発点に平行線を導入し、前の単元の角の関係を使って、直線が平行かどうかを確かめる実用的な方法を紹介します。
- 14.4.1 平行線を知る2本のレールはどこまで延ばしても決して触れ合いません。同じ平面にあってこのように交わらない直線を平行といい、a∥bと書きます。
- 14.4.2 平行線は存在し、ただ1つ直線の外にある1点から、その直線と決して交わらない平行線はちょうど1本だけ引け、それ以上でも以下でもありません。
- 14.4.3 同位角が等しければ平行横断線が2本のレールを切るとき、同じ位置の角が等しければ、2直線は平行です。同位角が等しいことは平行の証拠です。
- 14.4.4 錯角が等しければ平行Z字型の角のペアが等しければ、2直線は平行です。錯角が等しいことも平行の証拠です。
- 14.4.5 同側内角が補角をなせば平行U字型の角のペアの和がちょうど180度であれば、2直線は平行です。同側内角が補角をなすことも平行の証拠です。
今度は逆方向に進みます。「この2直線は平行」という事実から出発して3種類の角の関係を導き、判定条件と性質を組み合わせた複数ステップの推論を学びます。
- 14.5.1 平行ならば同位角は等しい2本のレールが平行とわかっていれば、横断線で切られた同じ位置の角は必ず等しいです。平行線の同位角は等しくなります。
- 14.5.2 平行ならば錯角は等しい平行線では、Z字型の角のペアも必ず等しくなります。平行線の錯角は等しくなります。
- 14.5.3 平行ならば同側内角は補角平行線では、U字型の角のペアの和は必ず180度になります。平行線の同側内角は補角をなします。
- 14.5.4 判定と性質を行き来する「角が等しいから平行」は両方向に通じる扉のようなものです。直線を求めるときは角から、角を求めるときは直線から考えます。どちらが「与えられた条件」かを明確にするだけです。
- 14.5.5 平行は伝わっていく3直線があって、aがbと平行でbがcと平行なら、aもcと平行です。平行の関係は連鎖していきます。
- 14.5.6 複合的な推論の練習垂直・対頂角・平行線の性質を組み合わせ、論理の一歩一歩を踏みながら未知の角を求めていきます。三角形の証明への準備運動です。
方眼紙上で、方向とマス目の数を使って図形全体のスライドを表し、平行移動によって形と大きさが変わらないことを感じ取ります。後の合同や変換学習の種をまきます。
- 14.6.1 平行移動という現象引き戸を押すとき、コンベアベルトの上を箱が滑るとき、全体が回転も反転もせずに一方向へ動いています。この動きが平行移動です。
- 14.6.2 方眼紙上での平行移動の表し方方眼紙上で「右に○マス、上に○マス」と明確に言えば、平行移動のすべてが表現できます。
- 14.6.3 平行移動の基本的な性質平行移動の後も図形の大きさはもとと全く同じで、どの点も同じ距離を同じ方向に移動し、対応する線分は平行で長さが等しくなります。
- 14.6.4 平行移動した図形を描く各頂点を「右に○、上に○」で新しい位置に移し、それらを結び直せば、平行移動した図形の完成です。
- 14.6.5 平行移動に現れる平行と等長対応する点のペアを結んだ線分はどれも平行で長さが等しく、ここまで学んだ平行線と重なり合います。平行移動はその考えが実際に動いている姿です。
15三角形
最も基本的な三角形の構造から出発し、3辺・3角・3つの特別な内部線分への理解を深め、後の証明の土台を築く
- 15.1.1 三角形とは何か3本の棒を端と端でつなぐと、最も頑丈な骨組みができあがる、それが三角形 △ABC だ
- 15.1.2 3辺の関係遠い頂点を迂回する2つの短い経路は必ず目的地に届くから、どの2辺の和も残りの1辺より長い
- 15.1.3 3つの角の和は一直線3つの角を切り取って並べると、ぴったり一直線になる、だから角の和は 180° になる
- 15.1.4 辺と角による三角形の分類辺の長さがそろっているか・90° を超える角があるかを確認すれば、二等辺・鋭角・鈍角・直角三角形を見分けられる
- 15.1.5 外角とその和1辺を頂点の先まで延ばすと開く角は、接していない2つの内角の和に等しい
- 15.1.6 高さ・中線・二等分線頂点から垂直に下ろした高さ、対辺の中点へ向かう中線、角を二等分する線、これらが三角形の3つの特別な線分だ
前の段階で培った幾何的直感を厳密な言葉へとレベルアップする:定義の書き方、命題の真偽の判断、証明の書き方、定規とコンパスによる正確な作図を学ぶ
- 15.2.1 定義と命題まず言葉の意味をはっきり決める、それが定義、次に真か偽かを判定できる文を立てる、それが命題だ
- 15.2.2 仮定・結論・逆命題を「もし…ならば…」の形に分解し、2つの部分を入れ替えたものが逆命題だ
- 15.2.3 真の命題・偽の命題・反例一つでも成り立たない場合を示せば、どんなに美しい主張でも崩れる、その例が反例だ
- 15.2.4 証明の形与えられた条件から出発し、認められた真理に従って一歩ずつ進み、各ステップに根拠を書きながら結論にたどり着く、それが証明だ
- 15.2.5 定規とコンパスによる作図の規則目盛りのない直線定規とコンパスだけを使い、直線と弧を描くことで長さと角を正確に写し取れる
- 15.2.6 基本の作図線分を写し取ること、角を二等分すること、垂線を下ろすことが、定規とコンパスで組み立てる基本の積み木だ
「形も大きさも同じ」という合同の関係を理解し、SSS/SAS/ASA/AAS の4つの合同条件をマスターして証明に活かす
- 15.3.1 合同とは何か2つの三角形を切り取ってぴったり重なるなら、それらは合同、△ABC≌△DEF と書く
- 15.3.2 対応する辺と角は等しい重ね合わせたとき、どの部分がどの部分に重なるかが対応で、対応する辺は等しく、対応する角も等しい
- 15.3.3 3辺相等(SSS)3辺の長さをすべて固定すると、三角形はただ一通りにしか作れない
- 15.3.4 2辺夾角相等(SAS)2辺とその間の角を固定すると、3辺目と全体の形も動きようがない
- 15.3.5 2角夾辺相等・2角1辺相等(ASA・AAS)2つの角と1辺が分かれば、三角形は完全に定まる
- 15.3.6 合同を使って線分と角の等しさを証明する2つの部分が同じ長さであることを示すには、まず合同な三角形の組を見つけ、対応する等しさを取り出す
対称軸とグリッドを使って「折ると重なる」美しさを捉え、二等辺三角形の性質の土台を作る(座標は使わない)
- 15.4.1 線対称な図形1本の折り目に沿って折ると2つの部分が完全に重なる、その折り目が対称軸だ
- 15.4.2 線対称な2つの図形2つの図形が物とその鏡像のように並んでいて、間の軸で折り返すと一致する
- 15.4.3 軸の垂直二等分の性質対応する2点を結ぶ線分は、軸によって直角に二等分される。また、軸上のすべての点は両側から等距離にある
- 15.4.4 線分の垂直二等分線線分の両端から等距離にある点は、すべてその線分の垂直二等分線上にある
- 15.4.5 グリッドで対称な図形を描くマス目を数えて各点を同じ距離だけ向こう側の対応する位置に移せば、対称な図形が現れる
合同と線対称を組み合わせて、二等辺三角形と正三角形の性質と判定条件を学ぶ。三角形の代表的な特殊ケースだ
- 15.5.1 二等辺三角形の対称性等しい2辺を持つ三角形を頂角の二等分線で折ると、左右の辺がぴったり重なる
- 15.5.2 等しい辺の向かいには等しい角2辺の長さが等しければ、底辺の2つの角も必ず同じ大きさになる
- 15.5.3 3本の線が1本に重なる二等辺三角形では、頂角の二等分線・底辺への高さ・底辺への中線がすべて同じ1本の直線に重なる
- 15.5.4 等しい角の向かいには等しい辺(判定条件)逆向きに見ると:三角形の2つの角が等しければ、それらと向かい合う2辺も等しい長さになる
- 15.5.5 正三角形3辺がすべて等しい三角形では、3つの角もすべて 60° に固定される
直角三角形に焦点を当て、ピタゴラスの定理・その逆・斜辺と1辺による合同条件(HL)を確立し、四角形の対角線や距離計算へ橋渡しする
- 15.6.1 直角三角形の角と辺1つの 90° の角があり、2つの鋭角の和は 90° になる。直角と向かい合う最長辺を斜辺と呼ぶ
- 15.6.2 ピタゴラスの定理各直角をはさむ辺(脚)の上に正方形を作ると、その面積の和がちょうど斜辺の正方形の面積に等しい、つまり a²+b²=c² だ
- 15.6.3 ピタゴラスの定理で長さを求める2辺が分かれば、a²+b²=c² に頼って平方根を取り、3辺目を求められる
- 15.6.4 ピタゴラスの定理の逆3辺が a²+b²=c² を満たせば、その三角形には必ず直角がある
- 15.6.5 ピタゴラス数3, 4, 5 のように a²+b²=c² を満たす整数の組をピタゴラス数という
- 15.6.6 直角三角形の合同(斜辺と1辺)2つの直角三角形は、斜辺と1つの直角をはさむ辺が等しければ合同だ
16四角形と多角形
学んだ三角形をつなげて一般化し、多角形の言葉と、内角の和・外角の和という2つの核心的な関係を身につけよう
- 16.1.1 多角形との出会い棒3本で囲めば三角形、もう何本か加えれば多角形;辺・頂点・対角線をひとつずつ名付けていこう
- 16.1.2 凸多角形と正多角形輪ゴムで囲んだ輪郭がどこにも凹まなければ凸多角形;すべての辺と角が等しければ正n角形と呼ぶ
- 16.1.3 多角形の内角の和1つの頂点から対角線を引いて三角形に分割すると、n角形は(n−2)個に分かれるから、内角の和は(n−2)·180°
- 16.1.4 多角形の外角の和辺に沿って一周歩いてスタート地点に戻ると、ちょうど1回転分だけ向きが変わるから、どんな多角形でも外角の和は360°
- 16.1.5 テッセレーション:多角形で床を敷き詰めるタイルがすき間なく並ぶのは、1点に集まる角の和が360°になるから
最も重要な四角形である平行四辺形に焦点を当て、対称性の感覚から出発して、辺・角・対角線のすべての性質を導き出そう
- 16.2.1 平行四辺形との出会い引き戸を斜めにずらしても向かい合う辺は平行なまま;この四角形を▱ABCDと書く
- 16.2.2 対辺は等しく、対角は等しい2本の平行な線路は同じ長さ、向かい合う角は同じ大きさ;対角線を引いて合同の証明をすればすぐわかる
- 16.2.3 対角線は互いの中点で交わる2本の対角線は中点でピン留めされたはさみのように、交点がそれぞれをきっちり二等分する
- 16.2.4 平行四辺形の2本の平行線の間の距離2本の対辺は線路のように同じ幅で走っており、その幅がちょうど2直線の距離になる
対称性を新たな視点でとらえる点対称を紹介し、平行四辺形がそれをもつ理由を説明したうえで、平行四辺形の判定条件を体系的に整理しよう
- 16.3.1 点対称と対称の中心ある点を中心に図形を180°回転させたとき元の図形にぴったり重なれば、そのピンが対称の中心
- 16.3.2 点対称の性質対応する2点を結ぶ線分はすべて同じ点を通り、その点に二等分される;まるで各点が向こう側に跳ね返されるよう
- 16.3.3 平行四辺形は点対称対角線の交点を中心に半回転させると元にぴったり重なるから、その交点が対称の中心
- 16.3.4 辺による平行四辺形の判定2組の対辺がともに平行、または両方等しい、または1組が平行かつ等しい;どれか1つを満たせば平行四辺形
- 16.3.5 対角線による平行四辺形の判定2本の対角線が互いの中点で交わりさえすれば、4つの頂点は必ず平行四辺形を作る
平行四辺形の道具を使って三角形の中点を結ぶ問題に立ち返り、2つの大きな族をつなぐ中点連結定理を導き出そう
- 16.4.1 三角形の中線とは三角形の2辺の中点を結んだ短い線分を中線(中点を結ぶ線分)と呼ぶ
- 16.4.2 三角形の中点連結定理中点を結ぶ線分は縮んだ底辺のようなもの:第3の辺に平行でその長さのちょうど半分
- 16.4.3 中点連結定理の応用3辺の中点を結んでできる小さな三角形は元の三角形の相似な縮小版;辺の長さを求めたり直線が平行であることを証明したりするのに役立つ
平行四辺形に条件を一段ずつ加えて長方形・ひし形・正方形に到達し、それぞれの性質・判定条件・相互関係を整理しよう
- 16.5.1 長方形の性質平行四辺形のすべての角を直角にすると長方形になる;2本の対角線の長さは等しい
- 16.5.2 長方形の判定1つの角が直角の平行四辺形、または対角線が等しい平行四辺形は必ず長方形
- 16.5.3 直角三角形の斜辺への中線長方形の対角線の半分のこだま;直角三角形の斜辺への中線の長さは斜辺の半分に等しい
- 16.5.4 ひし形の性質平行四辺形の4辺をすべて同じ長さに伸ばすとひし形になる;対角線は垂直に交わり、各頂角を二等分する
- 16.5.5 ひし形の判定4辺が等しい平行四辺形、または対角線が垂直に交わる平行四辺形はひし形
- 16.5.6 正方形の性質と判定長方形でありかつひし形;4辺が等しく4つの角が直角で、対角線は等しくかつ垂直
- 16.5.7 特別な四角形の家系図平行四辺形 → 長方形・ひし形 → 正方形、条件を加えるほど図形が特別になる家系図のように
これまでの証明をもとに論証の新しい道具「背理法」を磨き上げ、このステージを締めくくる;次の相似でのより高度な論証への土台を築こう
- 16.6.1 背理法のアイデアあることを真だと証明するために、まず偽だと仮定して行き詰まり(矛盾)を起こし、それが真であることを強制する
- 16.6.2 背理法の手順3ステップ:まず結論の否定を仮定し、次に矛盾を導き、最後に仮定を退けて元の主張を肯定する
- 16.6.3 背理法による幾何学的命題の証明「直線外の1点を通る平行線はただ1本」のような直接証明しにくい主張では、2本あると仮定して矛盾に突き当たる
- 16.6.4 相似への橋渡し:拡大・縮小で変わらない量図形全体を拡大・縮小しても平行線は平行のまま、角の大きさは変わらない;これがまさに次の目的地・相似への入り口
17相似と拡大・縮小
四角形で学んだ平行線と合同の知識を受け継ぎ、数の「比」という考え方を線分の長さへと広げます。比例線分のことばを身につけることで、相似のすべてに通じる土台が出来上がります。
- 17.1.1 比と割合を振り返るどちらの砂糖水が甘いかは、砂糖と水の割合、つまり a:b で決まります。
- 17.1.2 二つの線分の比一方の線分をものさしにして他方を測り、何回入るかを数えたものが二つの比、AB:CD です。
- 17.1.3 比例線分四本の棒を並べたとき、長さが内側と外側でぴったり対応するなら a:b=c:d と書け、これは ad=bc を意味します。
- 17.1.4 比の基本性質等式の両辺はシーソーのようにつり合っており、たすき掛けや変形をしても均衡は保たれ、ad=bc とその変形式が得られます。
- 17.1.5 黄金比線分を一か所切って、短い部分と長い部分の比が、長い部分と全体の比と等しくなるとき、その点が黄金分割点であり、比は (sqrt5−1)/2 です。
すでによく知っている平行線をツールとして使い、「平行線は同じ比で切り取る」という性質を発見します。これは相似三角形の判定条件の直接の源になっています。
- 17.2.1 平行線が等しい線分を切り取るはしごの横桟が等間隔に並んでいるとき、二本の縦桟は等しい長さに刻まれます。平行かつ等間隔なら等分割が成り立ちます。
- 17.2.2 平行線と線分の比(定理)束になった平行線はパンスライサーのように働き、二本の横切り線から切り取られる対応する部分はすべて同じ長さの比を持ちます。
- 17.2.3 三角形の中点連結(平行線と底辺)三角形の底辺に平行な直線を引くと、他の二辺が同じ比で分けられ、AD:DB=AE:EC が成り立ちます。
- 17.2.4 逆を使って平行を証明する逆に考えると、二辺が同じ比で分けられているなら、その点を結ぶ直線は底辺と平行でなければなりません。
相似とは何かを導入します。同じ形で大きさだけ違うという意味です。そして平行線の比例性を使っていくつかの便利な判定条件を導き、これがこの章全体の中心的なテーマとなります。
- 17.3.1 相似な三角形とは同じ写真を拡大・縮小しても角度は変わらず、辺はすべて一緒に拡縮されます。これを△ABC∼△A'B'C' と書きます。
- 17.3.2 判定:二組の角が等しい(AA相似)同じ角度を持つ二枚の三角定規は大きさに関係なく同じ形です。つまり AA ならば相似です。
- 17.3.3 判定:二辺の比が等しく挟む角が等しい(SAS相似)同じ角を挟んで二辺が同じ比で広がっているとき、図形全体が比例的に拡大されています。これが相似の SAS 条件です。
- 17.3.4 判定:三辺の比がすべて等しい(SSS相似)三辺をすべて同じ割合で伸ばすと、その辺が作る形は単なる拡大コピーです。これが相似の SSS 条件です。
- 17.3.5 直角三角形の相似斜辺に垂線を下ろすと直角三角形が二つの小さな三角形に分かれ、それぞれが元の三角形と同じ形になります。
- 17.3.6 幾何平均の関係直角の頂点から引いた垂線と、斜辺の二つの部分は互いに幾何平均の関係にあり、h²=mn や a²=mc などの式が導けます。
相似を判定できるようになったら、それが何をもたらすかを問います。対応する辺・周の長さ・面積が相似比によってどう変わるかを理解し、計算と応用の両方に活かせるようにします。
- 17.4.1 辺の比が等しく、角が等しい虫眼鏡で拡大しても角度はまったく変わらず、対応するすべての辺は同じ相似比 k で掛け算されます。
- 17.4.2 高さ・中線・角の二等分線の比図形全体を k 倍に拡大すると、内部のすべての対応する線分も k 倍になります。
- 17.4.3 周の長さの比は相似比に等しい各辺が k 倍になるので、一周した合計距離も自然に k 倍になります。
- 17.4.4 面積の比は相似比の二乗に等しい縦も横も k 倍に引き伸ばすと、その中を埋める面積は k×k=k² 倍になります。
三角形から任意の多角形へと相似を広げ、「同じ形」という概念を一般化します。そして次のモジュールへとつながる拡大・縮小(位似)へと橋を架けます。
- 17.5.1 相似な多角形とは対応する角がすべて等しく、対応する辺の比がすべて等しい、大きさの違う同じ場所の二枚の地図のようなものが相似な多角形です。
- 17.5.2 分割して相似を確認する多角形を三角形に分け、すべての三角形が相似ならば、多角形全体も相似です。
- 17.5.3 相似な多角形の周と面積の比三角形と同様に、周の長さは k 倍、面積は k² 倍になります。
- 17.5.4 相似比を活用する相似比 k が分かれば、既知の辺から未知の辺を逆算することができます。
相似に「共通の中心」を加えると、純粋に作図によって拡大・縮小する位似変換が生まれます。次の円の変換や、後の座標幾何学への準備となります。
- 17.6.1 位似とは何か電球が影を作るとき、すべての辺が同じ光源から放射されます。その点が位似の中心です。
- 17.6.2 位似の中心と相似比中心から対応する各点までの距離はすべて同じ比 k で拡大・縮小され、その k が相似比です。
- 17.6.3 位似の作図(拡大と縮小)中心を起点に各頂点を光線に沿って k 倍に押し出したり引き寄せたりして、それらを結び直します。
- 17.6.4 同じ側と反対側の位似拡大された影は光と同じ側に現れることも、反対側にはみ出すこともあります。中心が図形の間にあるか外にあるかによって決まります。
- 17.6.5 位似と相似の関係位似変換は必ず相似になりますが、相似な図形が常に一つの共通中心を持つ位似に整理できるとは限りません。
相似な三角形を使って、直接触れることのできない高さや距離を求めます。この章を現実の世界に結びつけ、実際の場面を相似図形のモデルに変換する力を養います。
- 17.7.1 影を使って高さを測る同じ瞬間に人の影と木の影が並んで伸びているとき、人:人の影=木:木の影 という比例式から木の高さを求められます。
- 17.7.2 鏡や棒を使って高さを測る鏡の中に塔の頂上が見えたとき、視線が二つの相似な三角形を作るので、近い方を測れば遠い方がわかります。
- 17.7.3 渡れない距離を測る対岸に渡れないとき、こちら側に対岸と相似な小さな三角形を作り、縮小比で逆算すれば川幅がわかります。
- 17.7.4 相似モデルで解く全手順場面を図に描き、対応する辺にラベルを付け、比例式を立て、解く。これが相似の問題を解く万能レシピです。
18円
「中心から等しい距離にある点の集まり」というたった一つの核心的なアイデアから出発して円を理解し、その最強の武器である対称性を掘り起こし、これから学ぶすべての定理の土台を固めます。
- 18.1.1 円の誕生:一点から常に同じ距離紐の一端を固定して、もう一方の端をぐるっと一周させてみましょう。届く点はどれも固定した点からまったく同じ距離にあります。これが円です。中心をO、半径をrとして円Oと書きます。
- 18.1.2 弦・弧・直径・半円円上の2点を結ぶ線分を弦といい、中心を通る最長の弦が直径です。弧は円周の一部を切り取った曲線で、半円は円の半分です。
- 18.1.3 円はすべての図形の中で最も対称的円を中心のまわりにどれだけ回転させても重なり合い、任意の直径で折り返してもぴったり一致します。鏡映対称と回転対称の両方を備えているのです。
- 18.1.4 垂直な直径:一刀両断中心から弦に垂直に下ろした線は、弦とその弧の両方をちょうど二等分します。弦の垂直二等分線は中心を通る、という定理です。
- 18.1.5 垂直な直径の活用弦の長さと中心から弦までの距離が分かれば、直角三角形を作って三平方の定理を使い、半径rを求めることができます。
中心角とそれが向き合う弧、切り取る弦の等しい関係を築いて、角度・弧・弦を互いに変換できるようにします。
- 18.2.1 中心角の登場頂点が中心にあり、両辺が半径である角を中心角といいます。開くほど向かい合う弧も長くなります。
- 18.2.2 弧の大きさの測り方円周全体を360度として、ある弧に向き合う中心角が何度か、それがそのままその弧の大きさになります。
- 18.2.3 中心角・弧・弦は一対一で対応する同じ円の中で、中心角が等しい ↔ 弧が等しい ↔ 弦が等しい。三つは一緒に増えたり減ったりします。
- 18.2.4 弦の中心距離を加える中心から弦までの距離を弦心距離といいます。弦が長いほど中心に近く、これにより角度・弧・弦・弦心距離が一つの因果の連鎖でつながります。
頂点が円上にある円周角を導入し、中心角との「半分」の関係と一連の系を確立します。これがこの段階の核心です。
- 18.3.1 円周角とは何か頂点を円周上に移し、二辺を弦にした角を円周角といいます。中心角と同じ弧を見渡しています。
- 18.3.2 円周角の定理:中心角の半分同じ弧に対して、円周上から見た角は中心から見た角のつねに半分です。円周角 = 中心角 ÷ 2。
- 18.3.3 同じ弧の上の円周角はすべて等しい同じ弧を見るとき、円周のどこに立っていても角の大きさは同じです。それぞれが一つの中心角の半分だからです。
- 18.3.4 直径に対する円周角は直角直径を弦として見ると、角はかならず90度になります。半円に対する円周角は直角であり、その逆も成り立ちます。
- 18.3.5 円に内接する四角形の対角の和は180度四つの頂点がすべて円上にある四角形では、どの対角の組も足すとちょうど180度になります。
「距離と半径を比べる」という一つの統一したキーを使って、点・直線・二円の位置関係を判断します。
- 18.4.1 点と円:内部・円上・外部点から中心までの距離dと半径rを比べます。d < rなら内部、d = rなら円上、d > rなら外部です。
- 18.4.2 直線と円:離れている・接する・交わる中心から直線までの距離dとrを比べます。d > rなら外れ、d = rなら一点で接し、d < rなら二点で交わります。
- 18.4.3 二つの円の位置関係二円の中心間の距離を二つの半径の和・差と比べることで、外部・外接・交差・内接・内包の五つの関係が決まります。
- 18.4.4 円を決める点の個数一直線上にない3点を通る円はただ一つに定まります。これが三角形の外接円です。
接線という境界のケースをじっくり掘り下げ、接線の性質・判定・接線の長さの定理をマスターして、三角形の内接円に応用します。
- 18.5.1 接線の性質:半径は必ず垂直直線が円に一点で接するとき、その点に引いた半径はつねに直線に垂直です。
- 18.5.2 接線の判定:垂直ならば接線逆に見れば、半径の端点を通って半径に垂直な直線を引けば、その直線は必ず接線になります。
- 18.5.3 接線の長さの定理円の外側の一点から二本の接線を引くと、二つの接線の長さは等しく、その点から中心への直線は接線がつくる角を二等分します。
- 18.5.4 三角形の内接円三角形の内側に三辺すべてに接する最大の円を内接円といい、その中心は三つの角の二等分線が交わる内心です。
- 18.5.5 内心と外心の比較内心は三辺から等距離にあり、つねに三角形の内部にあります。一方、外心は三頂点から等距離にあり、三角形の外に出ることもあります。
「円周 = 直径 × π」から出発して弧の長さ・扇形の面積・正多角形へと進み、幾何を計算できる量にまとめ、次の段階で数と区間を使って図形を記述する準備をします。
- 18.6.1 正多角形は円と深くつながっている円周を等分して点を結ぶと、正三角形・正方形・正六角形が得られます。すべて同じ円に内接しています。
- 18.6.2 正多角形の中心と頂点距離・辺心距離正多角形にも外接円と内接円があります。中心から頂点までが外接円の半径、中心から辺までが内接円の半径(辺心距離)で、これらから周の長さも面積も求められます。
- 18.6.3 弧の長さの公式弧が円周全体に占める割合に比例して、弧の長さは全周 2πr のその割合分です。すなわち l = nπr ÷ 180(nは弧に対応する中心角の度数)。
- 18.6.4 扇形の面積扇形はピザの一切れのようなもので、円全体に占める割合と同じ割合で、面積は πr² のその分になります。
- 18.6.5 円錐の側面とその展開円錐の側面を切り開いて平らにすると扇形が得られ、その弧の長さはちょうど底面の円の円周と等しくなります。
- 18.6.6 形を数にする:円上の点の位置をどう表すか円上の点の位置を正確に表すには、数を記述するための言葉が必要です。それに答えるのが次の段階、集合と区間です。
Ⅳ · 関数
19集合と区間:関数のことば
集合の背後にある直感を育てる――「同じ基準を満たすもの」をひとまとめにして、それを書き表す方法を学ぼう
- 19.1.1 集合とは何か一つの円の中にある点すべてを「ひとかたまり」と見なすイメージ。その「はっきりと定められたものの集まり」が集合で、Aと書く。
- 19.1.2 要素と明確性ものは円の中にあるか外にあるかのどちらかで、「どちらかわからない」は絶対にない。円の中の一つ一つを要素といい、aと書く。
- 19.1.3 互いに異なる・順序は問わない出席を取るとき同じ名前を二度呼ばず、誰が先でもかまわない。だから{1,2,2}は{2,1}と同じだ。
- 19.1.4 よく使う数の集合の名前自然数N、整数Z、有理数Q、実数R――いくつかの大きな「家族」につけられた固定のあだ名のようなもの。
列挙と規則による記法をマスターし、「一つずつ列挙する」方法と「一つの規則で表す」方法を自由に使い分けよう
- 19.2.1 列挙法要素が少ないときは、{2,4,6,8}のように中括弧の中に一つずつ並べればよい。
- 19.2.2 内包的記法(条件法)要素が多すぎるときは、{x | xは偶数}のように入会条件を書く。縦棒は「〜を満たす」と読む。
- 19.2.3 2つの記法の行き来規則を展開して列挙にしたり、列挙をまとめて規則にしたり――どちらも全く同じ円を表している。
- 19.2.4 空集合入会条件を満たすものが一つもないとき、円の中には何もない。この空の円を∅と書く。
- 19.2.5 要素と集合の関係あるものが円の中にあるかどうかを示すには:入っていればa∈A、入っていなければa∉Aと書く。
「円の中の円」というイメージを使って部分集合・真の部分集合・等しい集合を理解し、集合どうしの比較を身につけよう
- 19.3.1 部分集合小さな円が大きな円の中にすっぽり収まっている状態――AのすべてのメンバーがBのメンバーでもあること。A⊆Bと書く。
- 19.3.2 真の部分集合小さな円が大きな円の中にあるが、大きな円にはまだ余裕がある状態。A⊊Bと書く。
- 19.3.3 集合の等しさ二つの円がお互いに相手を含み合い、全く同じメンバーを持つときだけA=Bと言える。
- 19.3.4 空集合はすべての集合の部分集合空の円は誰ともぶつからず、どんな集合の中にも収まる。だから∅⊆Aは常に成り立つ。
- 19.3.5 部分集合の個数を数える各要素に「取る・取らない」の2択があるから、n個の要素からは2ⁿ個の部分集合ができる。
「全体集合という大きなキャンバス」の上で共通部分・和集合・補集合を学び、ベン図で視覚的に計算しよう
- 19.4.1 全体集合とベン図まず議論の全体の範囲を大きなキャンバスUとして枠組みし、ベン図で円どうしの重なりを一目でわかるようにする。
- 19.4.2 共通部分(積集合)二つの円が重なった部分――AにもBにも同時に属している――をA∩Bと書く。
- 19.4.3 和集合二つの円をまとめて一つの池にした状態――AにあるものもBにあるものも全部含む――をA∪Bと書く。
- 19.4.4 補集合大きなキャンバスからA領域をくり抜いた残りが補集合∁_U Aだ。
- 19.4.5 組み合わせと演算の法則共通部分・和集合・補集合が連なるときは、ベン図を塗り分けながら分配法則などを確かめると混乱しない。
集合のことばを数直線の上に持ち込み、区間と近傍を使って連続した数の範囲をすっきり表す――これは関数の定義域への直接の道だ
- 19.5.1 数直線上の範囲数直線上の連続した点のひとかたまりも集合で、{x | 1≤x≤5}のように書ける。
- 19.5.2 開区間と閉区間括弧の種類が端点を含むかどうかを教えてくれる:[ ]は含む、( )は含まない。[1,5]や(1,5)と書く。
- 19.5.3 半開区間と無限区間一方の端だけ含むときは(1,5]と書く。絶対に到達できない端には+∞や−∞を使う。
- 19.5.4 近傍:ある点のまわり点aのまわりの幅δの小さな区間を絞り込んだもの、それが近傍(a−δ, a+δ)だ。
- 19.5.5 演算の結果を区間で表す数直線上で二つの範囲の共通部分や和集合を求めることは、区間を重ねたりつなげたりするだけ――関数の定義域への準備運動だ。
20座標とはじめての関数
前の段階で学んだ数直線と区間を平面へと広げ、たった2つの数の組がどうやって平面上の任意の場所を固定するかを学ぶ
- 20.1.1 位置の表し方映画館で席を探すには列番号と座席番号が必要だ。方向と距離を1つずつ指定すれば、1点がぴたりと決まる。
- 20.1.2 数直線から座標平面へ2本の数直線を十字に交差させる。横向きがx軸、縦向きがy軸で、交点が原点Oだ。
- 20.1.3 点の座標 (x, y)点からそれぞれの軸へ垂線を下ろし、読み取った2つの数を順番に (x, y) と書く。
- 20.1.4 4つの象限と軸上の点2本の軸が平面を4つの領域に分け、反時計回りに1〜4と番号をつける。符号を見ればどの領域にいるかすぐわかる。
- 20.1.5 座標と距離点からx軸までの距離は |y|、y軸までの距離は |x|、原点までの距離は三平方の定理で求められる。
反射・点対称・平行移動を、座標の加減算と符号の反転という簡単な規則に変換し、後で関数のグラフを変換する土台を作る
- 20.2.1 軸に関する対称移動x軸を鏡にすると左右はそのままで上下が反転し、yの符号が変わって (x, -y) になる。y軸を鏡にするとxの符号が変わる。
- 20.2.2 原点に関する点対称原点を中心に点を半回転させると、両方の座標の符号が同時に反転して (-x, -y) になる。
- 20.2.3 座標平面での平行移動図全体をa単位右へ、b単位上へずらすと、すべての点のxにaが加わり、yにbが加わる。
- 20.2.4 平行移動と対称移動の組み合わせ反転してからずらす、またはずらしてから反転する。座標に対して符号の変更と加減算を順番に適用するだけだ。
平面全体の拡大・縮小を使って図形の拡大・縮小を理解し、比を掛けることの幾何学的な意味をはっきりさせる
- 20.3.1 相似な図形のおさらいコピー機で写真を拡大すると形はそのままで大きさだけが変わり、対応する辺の比はすべて等しくなる。
- 20.3.2 原点を中心とした拡大・縮小原点から輪ゴムを引っ張るようにk倍に拡大すると、すべての点の座標にkが掛かって (kx, ky) になる。
- 20.3.3 スケールファクターとその符号kが正なら同じ向きに拡大・縮小し、kが負なら原点の反対側へ反転もする。
- 20.3.4 座標変換のまとめ符号の反転は対称移動、加減算は平行移動、掛け算は拡大・縮小を担う。それぞれの操作がそれぞれの役割をきっちりと果たす。
定数と変数を導入し、ある量が別の量にどのように依存するかを関数という中心的な考え方へと凝縮する
- 20.4.1 定数と変数一定の速度で走る車では速度は定数として固定され、時間と距離は変数として変わり続ける。
- 20.4.2 一方の量がもう一方に従う関係距離は時間に従うから、時間を決めれば距離も決まる。この「従う」という関係が関数の芽だ。
- 20.4.3 関数の考え方1つのxを受け取って必ず1つのyを返す機械が、その一対一の対応を表す。そのとき「yはxの関数である」という。
- 20.4.4 独立変数と従属変数自分で選んで入力するxが独立変数、それに連れて受け身で変わるyが従属変数だ。
同じ関数を式・表・グラフで表し、区間を使って入力と出力の範囲を書き表す
- 20.5.1 式による表し方y = 2x + 1 のように対応のルールを1行の式で書き、xを代入すればyが計算できる。
- 20.5.2 表による表し方入力の列と出力の列を持つ価格表のように、対応するxとyを横に並べて読む。
- 20.5.3 グラフによる表し方すべての (x, y) の組を座標平面に点としてプロットし、それをつなぐと関数のグラフが描ける。
- 20.5.4 定義域(区間で表す)その機械が受け付けるすべてのxを集めた集合を定義域といい、前の段階の区間を使って書く。
- 20.5.5 値域(区間で表す)その機械が出力するすべてのyを集めた集合を値域といい、区間で書き表す。
- 20.5.6 3つの表し方の変換式があれば表を埋められ、表は点としてプロットでき、グラフからはルールが読み取れる。3つはすべて同じ物語を語っている。
グラフと記号の両方から関数の増減・対称性・最大値・最小値を読み取る方法を学び、一次関数の分析へ備える
- 20.6.1 単調性:増加と減少x軸に沿って右へ進みながらグラフが上がるところは増加、下がるところは減少。xが大きくなるとyも大きくなる関数を増加関数という。
- 20.6.2 増加・減少の区間グラフには上り坂もあれば下り坂もあるので、同じ傾向を共有するxの値の範囲を一つの単調な区間としてまとめる。
- 20.6.3 偶関数と奇関数y軸に関して対称なグラフは偶関数で f(-x) = f(x)、原点に関して対称なグラフは奇関数で f(-x) = -f(x) が成り立つ。
- 20.6.4 最大値と最小値グラフの最も高い点でyは最大となり、最も低い点でyは最小となる。これが関数の最大値・最小値だ。
- 20.6.5 まとめ:グラフ全体を読む1枚の図から増減・対称性・極値をすべて読み取ることで、単調性・偶奇性・極値をいちどに把握できる。
21一次関数
座標平面と関数の概念を土台にして、最もシンプルな関数の仲間——正比例の関数——に出会います。中心となるイメージをしっかり掴みましょう:グラフは原点を通る直線です。
- 21.1.1 おさらい:一方が動けば他方も動くもう一度グラフ用紙の上で点を動かしてみましょう。「一方の量を決めれば、もう一方も決まる」という感覚を改めて体に染み込ませてください——これがまさに関数 y=f(x) の意味です。
- 21.1.2 一緒に増える2つの量リンゴを買う場面を思い浮かべてください。重さが2倍になれば値段も2倍になります。この「連動する2倍」を式で書くと y=kx です。
- 21.1.3 正比例の関数とは何か、k は何を意味するかy=kx の k(k≠0)は「一定の歩幅」と考えましょう。x が 1 増えるたびに y がどれだけ増えるかを示しています。
- 21.1.4 正比例の関数のグラフを描く原点ともう1点を打ち、定規を当てれば完成です——正比例のグラフは原点 (0,0) を通る直線になります。
- 21.1.5 k が直線の向きと急さを決めるk>0 なら右上がり、k<0 なら右下がりになります。|k| が大きいほど傾きが急になり、この k が傾きそのものです。
正比例の関数を一般化して、一次関数 y=kx+b へと広げます。b が幾何学的に何を意味するかを理解し、グラフを完全に描けるようになりましょう。
- 21.2.1 正比例に「出発点」を加えるタクシーは乗った瞬間から基本料金がかかり、そこに距離分が上乗せされます。これを式にすると y=kx+b です。
- 21.2.2 一次関数とは何かy=kx+b(k≠0)の形をしたものがすべて一次関数です。b=0 のときはそのまま正比例 y=kx に戻ります。
- 21.2.3 b は直線が y 軸と交わる場所正比例の直線を b 単位だけ上下にスライドさせると、着地点 (0,b) が切片 b になります。
- 21.2.4 2点を使って一次関数のグラフを描く2点があれば直線が1本に決まります。(0,b) と x 軸との交点を取り、つなげば y=kx+b の完成です。
- 21.2.5 直線と各軸の交点を求めるx=0 を代入すれば y 軸との交点が、y=0 を解けば x 軸との交点 (-b/k, 0) が得られます。
k と b の符号がどのように直線の向き・増減・通過する象限を決めるかを体系的に描き出します——「描ける」から「読める」へのレベルアップです。
- 21.3.1 増えるか減るかは k の符号次第k>0 なら x が大きくなるほど y も大きくなり(右上がり)、k<0 なら逆です——これが関数の増加・減少です。
- 21.3.2 k と b の符号が通過する象限を決める直線がどちらに向かって上がり、y 軸のどちら側で交わるかを見れば、どの象限を通るか数えられます。
- 21.3.3 2直線が平行になるときと交わるとき傾き k が同じ2直線は、決して交わらない並走するすべり台のようなものです——等しい傾き k が平行を意味します。
- 21.3.4 グラフをずらしたり折り返したりする直線全体を上下にスライドしても変わるのは b だけで、鏡に映したように折り返すと k と b の符号が変わります——これが移動と反射の規則です。
- 21.3.5 関数の値を比べる同じグラフ上では、点が高い位置にある方が y の値が大きいので、見るだけで y₁ と y₂ を比べられます。
与えられた条件から y=kx+b を求める汎用的な手法をマスターします——「グラフや数値」から「式」へ戻る逆向きのルートが開きます。
- 21.4.1 逆向きに考える:まず式を立て、後から係数を求めるk と b がまだわからなければ、とりあえず未知数のままにしておきましょう——この「先に立て、後で解く」が待定係数法です。
- 21.4.2 1点で正比例が決まる正比例に未知数は k だけなので、既知の点を1つ代入すれば y=kx が求まります。
- 21.4.3 2点で一次関数が決まる一次関数には k と b の2つの未知数があるので、2点を代入して連立方程式を作り、y=kx+b を解きます。
- 21.4.4 グラフから式を復元する図からきれいな整数の点を2つ読み取り、代入して戻せば直線の式が再現できます。
- 21.4.5 性質やずれから式を復元する「ある直線に平行」や「ある点を通る」といったヒントが k と b に関する方程式に変わり、それを解きます。
直線というレンズを通して、一次方程式と不等式を統一的に捉えます——代数的な解法が「グラフから高さを読む」ことに変わります。
- 21.5.1 直線が x 軸と交わる点が方程式の解直線が x 軸に触れた瞬間 y=0 であり、その x がまさに方程式 kx+b=0 の解です。
- 21.5.2 x 軸より上か下かが不等式の答え直線が x 軸より上にある区間では y>0、下にある区間では y<0 なので、その区間を読めば kx+b>0 や <0 が解けます。
- 21.5.3 2直線の交点と連立方程式2直線の交点は両方の方程式を同時に満たしています。つまり交点の座標が連立方程式の共通の解です。
- 21.5.4 高さを比べて k₁x+b₁ > k₂x+b₂ を解く交点を境界にして、どちらの直線が上にあるかを見れば、一方の式が他方より大きくなる x の範囲がわかります。
- 21.5.5 まとめ:数と形の行き来方程式は交点を探すことで、不等式は高さを比べることで解けます——解くことは「グラフ上の場所を見つけること」に変わります。
定義域がいくつかのブロックに分かれ、各ブロックで異なる直線が使われる関数を理解します。グラフの描き方と値の読み取り方を区間ごとに学びましょう。
- 21.6.1 なぜ区切って考えるのか最初の30分は無料で、その後は時間ごとに料金がかかる駐車場のように、区間ごとに異なる規則に従う場合は、式を区切って書くしかありません。
- 21.6.2 区分関数の書き方大きな中括弧を使って「どの式がどの x の区間に対応するか」を並べ、それぞれの式が有効な範囲を明記します。
- 21.6.3 区分関数のグラフを描く各区間について、その区間に対応する直線の部分だけを描きます。接続点では黒丸・白丸を使って端点が含まれるかどうかを明確に示します。
- 21.6.4 区間を見て値を代入するまず x がどの区間に入るかを確認し、その区間の式を使って y を計算します——間違った規則を使わないようにしましょう。
- 21.6.5 絶対値と区分の関係|x| は実は「正のときはそのまま、負のときは符号を反転」というだけのことで、本質的には2つの式を組み合わせた区分関数です。
モデル化・式の復元・グラフの読み取り・方程式と不等式を一つにまとめ、現実の問題を解きます——次の段階への布石として、非線形な変化との対比も植えておきます。
- 21.7.1 状況から一次モデルを作る「固定の出発点」と「1単位あたりの増加量」を見つけ、y=kx+b に当てはめれば、モデルの完成です。
- 21.7.2 距離の問題とグラフ時間とともに一定の速さで変わる距離は右肩上がりの直線になり、傾き k がまさに速さです。
- 21.7.3 プランを比べて損益を分析する各料金プランごとに直線を描きます。交点が「どちらも同じになる」分岐点であり、高さを比べれば安い方が選べます。
- 21.7.4 最適化:範囲の中で極端な値を求める直線は曲がりがなく一定に変化するので、最大値と最小値は必ず変数の区間の両端に現れます。
- 21.7.5 待定係数法で実データにフィットさせる測定された複数のデータ点がほぼ直線上に並んでいるとき、k と b を確定すれば、まだ測っていない値も予測できます。
- 21.7.6 直線を振り返り、曲線を見据える一次関数は一定のペースで変化するから直線になります。でも各ステップでの増加量自体が変わり続けると、グラフは曲がります——それが反比例への扉を開きます。
22反比例の関数
一次関数を足がかりに、二つの量の積が一定になる日常の場面から反比例の関数を引き出し、その概念と式を整理する。
- 22.1.1 振り返り:変数はどのようにペアになるか一次関数は一定のペースで歩くようなもの。今度は「決まったお金で何個買える?」という場面に切り替えて、y=k/x という新しいペアの関係に出会う。
- 22.1.2 積が変わらないとき面積が決まった長方形では、縦が長くなれば横は狭くなり、縦×横は常に同じ。xy=k という関係をしっかり押さえよう。
- 22.1.3 反比例の関数の定義一方を2倍にするともう一方は半分になる。これを y=k/x(k≠0)と書き表したものが反比例の関数だ。
- 22.1.4 3通りの書き方はすべて同じ同じ関係を三つの異なる姿で表せる:y=k/x、y=kx⁻¹、そして xy=k。どれも全く同じことを言っている。
- 22.1.5 比例定数 k の求め方対応する数の組が一つ分かれば、掛け合わせるだけで k が求まる。あとは y=k/x に代入すれば関係式が完成する。
- 22.1.6 x に入れてはいけない値分母はゼロにできないので x≠0。この関係は最初から原点にすき間が空いている。
点を一つずつ打って双曲線の形をつかもう。軸には決して触れない、二つの離れた曲線が現れる。
- 22.2.1 表を作って点を打つx にいくつかの値を入れて y を計算し、点を結んでみると、どんな形になるかが見えてくる。
- 22.2.2 双曲線の見た目グラフは二つに分かれた曲線で、双曲線と呼ばれる。直線のように一つにつながってはいない。
- 22.2.3 軸に限りなく近づく曲線は x 軸と y 軸にどこまでも近づくが、決して交わらない。だから両軸が漸近線になっている。
- 22.2.4 k>0 のとき:第1・第3象限k が正のとき、二つの曲線は右上と左下に位置し、x と y の符号が同じ。いいコンビのようなイメージだ。
- 22.2.5 k<0 のとき:第2・第4象限k が負のとき、二つの曲線は左上と右下に広がり、x と y の符号が反対。一方が上がれば他方が下がる。
増減の様子・対称性・k の幾何的な意味をグラフから読み取り、それぞれの性質を図と結びつける。
- 22.3.1 1本の枝の中での増減同じ枝の上では、k>0 なら x が大きくなると y は小さくなる。増減は同じ枝の中だけで比べることができる。
- 22.3.2 枝をまたいで比べる落とし穴二つの枝の間で大小を直接比べることはできない。x=0 の境界をまたぐときは注意して、安易に決めつけないようにしよう。
- 22.3.3 中心の対称性原点を中心に半回転させると二つの枝がちょうど入れ替わる。だから双曲線は原点について点対称だ。
- 22.3.4 二本の鏡の対称軸グラフは y=x と y=-x についても線対称になっていて、鏡の中の反射のように整然としている。
- 22.3.5 k はあの長方形の面積グラフ上の点から両軸に垂線を下ろすと長方形ができる。その面積はいつも |k|。xy=k の意味がここに宿っている。
- 22.3.6 |k| が大きいほど原点から遠く|k| が大きくなると双曲線全体が原点から外側に遠ざかり、小さくなると曲線が原点に引き寄せられる。
直線と双曲線を同じ座標系に置き、交点・囲まれた面積・どちらが上にあるかを調べる。
- 22.4.1 二つのグラフの交点直線が双曲線と交わる点は、y=k/x と y=ax+b を同時に満たす共通の解だ。
- 22.4.2 交点の座標を連立して求める二つの方程式を一つにまとめると二次方程式になることが多い。それを解いて交点の座標を見つける。
- 22.4.3 どちらが上にあるかk/x と ax+b のどちらが大きいかは、グラフのどちらが高い位置に描かれているかを見て、区間ごとに読み取ればよい。
- 22.4.4 三角形の面積問題交点と原点や軸を結んで三角形を作り、底辺×高さ÷2 で面積を求める。
- 22.4.5 両方の式を確定させる交点の座標や与えられた条件から逆算して k と a, b を求め、二つのグラフをまとめて決定する。
積が一定になる現実の量を反比例モデルで表し、式を立て・解き・定義域の制約を守る。
- 22.5.1 反比例モデルを立てる距離が決まっていれば、速いほど時間は短くなる。t=s/v のような反比例の関係を見抜くことがスタートだ。
- 22.5.2 物理の中の反比例力が一定なら、接触面積が大きいほど圧力は小さくなる。p=F/S はまさに反比例を装った関係だ。
- 22.5.3 仕事と経済の場面仕事の総量が決まっているとき、人数が多いほど一人当たりの仕事量は少なくなる。y=k/x を使って資源を計画しよう。
- 22.5.4 現実的な値の範囲人数や長さは負になれない。意味のある枝だけを描き、定義域を現実の条件に根ざした範囲に絞る。
- 22.5.5 振り返り:変化の割合はもはや一定ではない直線は一定の割合で変わるが、双曲線は遠くへ行くほど緩やかになっていく。次に登場する放物線への静かな伏線だ。
23二次関数
これまでに学んだ関数の仲間を振り返り、二次関数という新しいメンバーと出会い、その代数的な定義をつくり上げます。
- 23.1.1 関数ファミリーをふりかえる正比例・一次関数・反比例という三つの道をすでに歩いてきました。それぞれが異なるルールで入力を出力に変えます。今度は y=f(x) という新しいルールに出会いましょう。
- 23.1.2 面積の中に隠れた新しい関係正方形の一辺が伸びると、面積はどんどん速く増えていきます。「辺の二乗」という関係 S=x² が、二次関数の最初のかたちです。
- 23.1.3 二次関数の定義式の中で最も高い次数が二乗の項のとき、それは二次関数です。y=ax²+bx+c(ただし a≠0)という形で表されます。
- 23.1.4 a, b, c を読み取る式を標準の形に整えて、どれが a、どれが b、どれが c かを読み取りましょう。そして a は絶対に 0 になれないことを忘れずに。
- 23.1.5 最もシンプルな二次関数 y=x²表を作り、点を打ってみると、y=x² は左右対称の「お椀形」を描きます。まずその形を目で確かめましょう。
最もシンプルな y=ax² から出発して、どちらに開くか・どれだけ広いかを理解し、放物線の直感的なイメージを作ります。
- 23.2.1 放物線とその開く向きボールを上に投げると、その軌跡は「お椀形」の曲線、つまり放物線を描きます。a>0 ならお椀は上向きに開き、a<0 なら下向きに開きます。
- 23.2.2 a が狭さ・広さを決める|a| が大きいほど急で細いお椀になり、小さいほどなだらかで広いお椀になります。a は開き具合を調整するダイヤルのようなものです。
- 23.2.3 y=ax²+k で上下にスライドするお椀全体が形を変えずにまっすぐ上下に動きます。k を足せば持ち上がり、引けば下がります。頂点もそれにつれて移動します。
- 23.2.4 y=a(x−h)² で左右にスライドするお椀全体が横に移動します。x を x−h に置き換えると右に h だけずれ、対称軸もいっしょに動きます。
- 23.2.5 頂点形式 y=a(x−h)²+k横にも縦にも同時に動かすと、(h,k) がお椀の底(または頂上)になります。頂点が一目でわかる形です。
頂点形式から一般形へ移り、グラフの幾何的な三要素と関数の性質をマスターします。
- 23.3.1 対称軸:放物線の鏡放物線は縦の鏡に映したようにぴったり左右対称で、その鏡が軸 x=h です。
- 23.3.2 頂点:最高点または最低点お椀が折り返す点が頂点で、その座標 (h,k) が曲線全体の位置を決めます。
- 23.3.3 平方完成で頂点を求めるy=ax²+bx+c を完全な二乗の形に変形すると、一般形から頂点形式をまるごと取り出せます。
- 23.3.4 頂点の公式近道があります。軸は x=−b/2a、頂点の高さは (4ac−b²)/4a で、直接代入できます。
- 23.3.5 増加・減少と全体の傾向軸は曲線を下り坂と上り坂に分けます。頂点を境に、関数は「減少から増加」または「増加から減少」へと切り替わります。
- 23.3.6 係数からグラフを読むa は開く向きを、c は y 軸との交点を教えてくれます。b と a の組み合わせから、軸がどちら側にあるかもわかります。
一般形・頂点形式・因数形式をマスターし、与えられた条件から未知の係数を求めて方程式を見つけます。
- 23.4.1 それぞれの形の得意なこと一般形は c を示し、頂点形式は頂点を示し、因数形式は零点を示します。同じ曲線を三つの「衣装」で表しているのです。
- 23.4.2 三点がわかるとき?一般形を使う曲線が三つの点を通るなら、三組の座標を代入して連立方程式を立て、a, b, c を求めます。
- 23.4.3 頂点がわかるとき?頂点形式を使うお椀の底の位置ともう一点がわかれば、y=a(x−h)²+k に代入して a を求めるのが一番の近道です。
- 23.4.4 二つの交点がわかるとき?因数形式を使う曲線が x 軸と交わる二点 x₁ と x₂ がわかれば、y=a(x−x₁)(x−x₂) と書いて a を決めます。
- 23.4.5 方程式と平行移動の変換既知の放物線を左右・上下にずらすことは、方程式の中の h と k を書き換えることと同じです。
放物線と x 軸の関係を、二次方程式の根と二次不等式の解集合に結びつけます。
- 23.5.1 放物線が x 軸と交わる場所お椀が地面に触れる点は、y=0 のときの x の値、つまり二次方程式の根にほかなりません。
- 23.5.2 判別式が交点の数を数えるΔ=b²−4ac は探針のようなもの。0 より大きければ二点で交わり、0 に等しければ一点で接し、0 より小さければ x 軸に届きません。
- 23.5.3 グラフから二次方程式を解くax²+bx+c=0 を解くことは、放物線が x 軸と交わる場所を尋ねることです。交点の x 座標を読み取りましょう。
- 23.5.4 グラフから二次不等式を解くax²+bx+c>0 はどの区間で曲線が x 軸より上にあるかを尋ねています。その区間を読み取りましょう。
- 23.5.5 三者を統一して見る関数・方程式・不等式はひとつの家族です。グラフは地図、根は目印、解集合は道の区間です。
頂点を使って最大値・最小値を求め、日常の最適化問題を二次関数のモデルに翻訳します。
- 23.6.1 頂点が極値になるお椀の底が最小で、頂上が最大です。上向きに開いているとき頂点が最小値を与え、下向きのとき最大値を与えます。その値が k です。
- 23.6.2 限られた区間での極値x が一部の範囲しか動けないとき、軸がその区間の内側に入るかどうかを確かめてから、端点と頂点のどちらが極値かを判断します。
- 23.6.3 最大面積の問題決まった長さのフェンスで囲まれた面積を辺の長さの二次関数として書き、頂点を求めて最大面積を得ます。
- 23.6.4 最大利益の問題値段を上げると売れ行きが落ち、下げると利幅が薄くなります。総利益を二次関数で表し、最も儲かる価格を頂点から求めます。
- 23.6.5 投射運動のモデル化噴水の水や投げたボールの軌跡は放物線です。二次関数を使って最高点と着地点を求めましょう。
- 23.6.6 モデル化の全手順変数を設ける・関数を書く・範囲を決める・頂点を求める・元の問いに答える、という五ステップでどんな文章題も解けます。
y=x² からべき関数というファミリーを抽象化し、その共通パターンをつかんで、指数関数・対数関数など新しい関数への道を開きます。
- 23.7.1 二乗から一般のべき乗へy=x² はほんの一例に過ぎません。指数を任意の定数 α に変えると、べき関数ファミリー y=xᵅ が生まれます。
- 23.7.2 代表的なべき関数の姿x, x², x³, x^(1/2), x^(−1) はそれぞれ独自の姿を持っています。点を打って、形を並べて比べてみましょう。
- 23.7.3 奇数・偶数と対称性偶数べきはお椀形の鏡対称、奇数べきは原点対称のスライド形になります。指数の奇偶がどちらになるかを決めます。
- 23.7.4 単調性と定義域指数が正か負か、奇数か偶数かによって、曲線の増減と許される x の値の範囲が変わります。
- 23.7.5 底が変わるか、指数が変わるか?べき関数では底 x が変化して指数は固定されています。次に学ぶ新しい関数では、底が固定されて指数が動きます。
24指数関数と対数関数
平方根と整数の指数をもとに、指数を分数へと拡張し、すべてのべき乗の法則がひとつの統一された体系になる道を開く。指数関数への入り口
- 24.1.1 整数の指数のおさらい同じ数を何回かかけ合わせるとaのn乗と書き、負の指数はそれをひっくり返して逆数にするだけ。a^n と a^(-n) で表す。
- 24.1.2 n乗根と根号平方根は「何を2乗するとこの数になるか」と問うことで、それをn乗に一般化したものがn乗根。n√a と書く。
- 24.1.3 根号を分数の指数に書き換える根号をとることは、指数の半分や3分の1で累乗することと同じ。平方根はa^(1/2)、n乗根はa^(1/n)になる。
- 24.1.4 分数の指数が意味するもの根号をとってから累乗することを、ひとつの分数にまとめられる。aのm/n乗とは、aのm乗のn乗根のこと。
- 24.1.5 ひとつに統一されたべき乗の法則同じ底を掛け合わせると指数が足され、累乗の累乗は指数が掛け合わさる。これらの法則は分数の指数でもそのまま成り立つ。
- 24.1.6 電卓で指数を見積もる2の0.5乗や2の1.7乗を計算すると実数が得られる。これらの点を並べていくと、指数関数の曲線が浮かび上がる。
指数関数の考え方を確立し、そのグラフと性質を身につけ、爆発的な増加と減少を理解する
- 24.2.1 指数関数の誕生細胞は世代ごとに倍になる。世代数が指数になり、個数がその結果になる。これを y=a^x(a>0かつa≠1)と書く。
- 24.2.2 底が1より大きいとき:どんどん加速する貯金が利子を生んで雪だるま式に増えるように、進むほど増え方が激しくなる。a>1 のとき、グラフは右上に向かって急激に伸びていく。
- 24.2.3 底が1より小さいとき:どんどん平らになる薬は少しずつ体から排出され、一定時間ごとに半分が残る。0<a<1 のとき、グラフは下がり続けながらゼロに近づいていく。
- 24.2.4 指数関数の曲線に共通すること底が何であれ、どの曲線も(0,1)を通り、x軸より上にとどまり続ける。x軸は漸近線として、曲線は永遠に触れずに近づいていく。
- 24.2.5 指数の値を比べる同じ右上がりの曲線では、右にある点ほど高くなる。増加・減少の性質を使えば、a^m と a^n のどちらが大きいかがわかる。
- 24.2.6 グラフを移動・変形する曲線を左右や上下に平行移動すると、y=a^(x-h)+k という式が基本の曲線を新しい位置へ運ぶ。
対数を指数の逆として導入し、その考え方と計算法則を身につける。このステージの中心となる核
- 24.3.1 対数の誕生:指数を求める何回倍にすれば1000になるか知りたいとき、「指数は何か」という逆向きの問いを立てる。これを log_a N と書く。
- 24.3.2 対数と指数を行き来するa の x 乗が N、という事実と、x は log_a N に等しい、という事実は全く同じことを別の角度から言っているにすぎない。
- 24.3.3 常用対数と自然対数底が10のものは私たちの十進法の世界にぴったり合い lg と書く。底が e のものは自然な成長にぴったり合い ln と書く。
- 24.3.4 積と商の対数積の指数はすでに足し合わされるので、積の対数は各対数の和になる。log(MN)=logM+logN。
- 24.3.5 累乗の対数と底の変換累乗の指数は前に出せる。log_a(M^n)=n·log_a M。底を変えるには、割り算を使った底の変換公式で橋渡しをする。
- 24.3.6 対数の法則で計算を整理するかけ算や割り算のもつれた式を対数の足し算・引き算にほぐせば、難しい数もあっという間に求められる。
対数関数とその性質を確立し、指数関数と対数関数のグラフが y=x について鏡のように対称であることを明らかにする
- 24.4.1 対数関数のグラフ対数をその入力の関数とみると、曲線 y=log_a x は原点のすぐ右に生まれ、y軸に沿いながら伸びていく。
- 24.4.2 対数関数の性質正の数しか受け取れず、(1,0)を通る。a>1 のとき増加、0<a<1 のとき減少し、y軸が漸近線になる。
- 24.4.3 指数関数と対数関数は鏡像一方は結果を求め、他方は指数を求める。y=a^x と y=log_a x のグラフは、直線 y=x を折り目にして鏡のように重なり合う。
- 24.4.4 逆関数の相殺指数をとってから対数をとると元に戻るので、a^(log_a x)=x と log_a(a^x)=x はまるでオン・オフのスイッチのような一対。
- 24.4.5 対数の値を比べる同じ対数曲線では、右にある点ほど高い。増加・減少の性質を使えば、どちらの対数が大きいかがわかる。
指数と対数を使って、現実世界の増加・減少や桁数の大きく異なる現象をとらえ、モデル化の価値を実感する
- 24.5.1 複利と倍増お金は一定の割合で雪だるまのように増える。n期後の合計は元金×(1+r)^n で、指数的増加の典型例。
- 24.5.2 放射性崩壊と半減期半減期が経過するたびに遺物の炭素量は半分になる。指数的な減少をたどれば、その年代が読み取れる。
- 24.5.3 対数を使って未知の指数を求める何年後にお金が倍になるか、人口がいつ1億を超えるかを求めるには、両辺の対数をとって指数を引きずり下ろす。
- 24.5.4 対数スケールで広い範囲を見る地震・音・酸性度は何桁にもわたる範囲に広がる。対数スケールならば、そのような数を一枚のグラフに収められる。
- 24.5.5 指数的増加の底知れない力紙を数十回折ると月に届くほどになる。指数的な増加がいかに線形な増加とかけ離れているかを実感できる場面。
関数の視点から方程式の根をまとめ上げ、零点の存在定理と二分法を身につける。連続性と近似の足がかりとなる
- 24.6.1 関数の零点は方程式の根曲線がx軸と交わる点では、そのx座標は関数の零点であると同時に、方程式 f(x)=0 の根でもある。
- 24.6.2 零点の存在定理一方の端が水面より下で、もう一方が上なら、連続した道はどこかで水面を横切るはず。f(a)·f(b)<0 ならば、その間に零点がある。
- 24.6.3 グラフから零点の個数を読み取る指数関数の曲線・対数曲線・直線が交わる点を見れば、交差の回数がすなわち零点の個数になる。
- 24.6.4 二分法の発想中間を取りながら半分ずつ絞り込む当てっこゲームのように、根を含む区間を毎回半分にして零点に迫っていく。
- 24.6.5 二分法で近似解を求める区間を十分小さくなるまで縮めていけば、その方程式の近似解と誤差の範囲が手に入る。
- 24.6.6 周期的な変化への準備べき乗と対数は一方向の上昇・下降を表すが、回り続ける風車や潮の満ち引きには、繰り返す関数が必要だ。それが三角法への道となる。
25三角比・三角関数
関数のアイデアをさらに発展させ、まず最もなじみ深い形である直角三角形の中で「角と辺の比」をつなぐしくみを作り、それを使って実際の高さや距離を測る方法を学びます。
- 25.1.1 傾きと角度坂が急なほど登るのがきつくなるように、「縦の変化 ÷ 横の変化」という比が、その急さをそのまま表しています。
- 25.1.2 正弦・余弦・正接の定義直角三角形の中の角を固定すると辺の比も決まる、だからその三つの比にそれぞれ名前をつけました:sinA、cosA、tanA です。
- 25.1.3 特別な角の三角比の値30°、45°、60° はいわば「三つの便利な積み木」——sin・cos・tan の値を覚えておけば、その場でサッと答えが出せます。
- 25.1.4 同じ角の三角比どうしの基本関係一つの角から生まれる三つの比はバラバラではなく、sin²A+cos²A=1 と tanA=sinA/cosA でしっかり結ばれています。
- 25.1.5 直角三角形を解く一辺と一角がわかれば残りすべてを引き出せます——一本のカギで三角形全体を開くようなものです。
- 25.1.6 仰角・俯角・方位角塔のてっぺんを見上げたり、船を見下ろしたりするとき、視線と水平線の間の角度が、実際の距離や高さへと直接変わります。
「角は 0° から 90° の間にしかない」という制約を取り払い、何回転でも、どちらの向きにも回れる角を考えます。そして関数との相性が良いラジアンを導入して、単位円による定義への舞台を整えます。
- 25.2.1 一般角:回転としての角度針が中心のまわりをぐるぐると回るイメージで——半回転でも数回転でも、右回りでも左回りでもよい——だから角はもう直角三角形の中に閉じ込められません。
- 25.2.2 象限角と同位角針が止まった場所がどの象限に入るかで角の象限が決まり、ちょうど一回転分多く回れば同じ場所に戻るので、それらの角は 360° の整数倍だけ異なります。
- 25.2.3 弧度法:弧の長さで角を測る度数の代わりに「弧が半径の何個分の長さか」で角を測ると、一周がちょうど弧の長さ 2π に対応します。
- 25.2.4 度とラジアンの変換180° と π は同じ角の二通りの呼び方にすぎず、その対応さえわかれば自由に行き来できます。
- 25.2.5 弧長と扇形の面積ピザを一切れ取ったとき、弧長 = 半径 × 角度(ラジアン)、面積 = ½ × 半径 × 弧長——ラジアンを使うからこそ公式がこんなにすっきりするのです。
三角関数を直角三角形から単位円上の点の座標へとアップグレードし、どんな角にも対応できるようにします。そして円の対称性を活かして、誘導公式をまとめて導きます。
- 25.3.1 単位円上で三角関数を定義する半径 1 の円上で、角の動径が円と交わる点の y 座標が sinα、x 座標が cosα です。
- 25.3.2 象限ごとの三角比の符号点がどの象限に入るかで x と y の正負が決まり、sin・cos・tan の符号もそれに従います。
- 25.3.3 誘導公式:円の対称性を使うπ を加えたり、反対側に折り返したり、一周回したりすると、点は円上の対称な位置へ移るだけなので、値は符号が変わるか、sin と cos の名前が入れ替わるかのどちらかです。
- 25.3.4 誘導公式の覚え方と利用「奇数倍なら名前を変える、偶数倍なら変えない;符号は象限で決める」——これだけでどんな角も見慣れた鋭角に変換してから計算できます。
単位円上の点の回転を「ほどいて」波線の曲線にし、周期・奇偶の対称性・増減・極値をしっかりつかみます。これがパラメータ変換や正弦定理・余弦定理への土台になります。
- 25.4.1 正弦曲線の誕生単位円上の点を角に合わせて回転させ、その高さを点ごとにプロットすると、それらが結ばれてなめらかな正弦波になります。
- 25.4.2 正弦と余弦のグラフと性質二つの波は互いに 1/4 周期だけ横にずれているだけで、どちらも 2π を周期とし、値は −1 から 1 の間に収まります。
- 25.4.3 周期性と奇偶の対称性波は一定の長さごとに繰り返し、その長さが周期です。原点対称なら奇関数、y 軸対称なら偶関数になります。
- 25.4.4 増減区間と極値山から谷までの間、曲線はひたすら上がるか下がるかのどちらかで、山の頂きが最大値、谷の底が最小値です。
- 25.4.5 正接関数のグラフと性質tan は π を周期として、垂直漸近線に向かって無限大に飛んでいく曲線の連続として現れます。
既知の角を合成して新しい角の値を求めるルールを積み上げます——加法定理から始めて倍角公式・補助角の形へ——これでごちゃごちゃした三角式を整理し、合成し、計算できるようになります。
- 25.5.1 cos の加法定理二つの角を合わせた余弦は単純に足し算できません。cos(α±β)=cosαcosβ∓sinαsinβ で展開する必要があります。
- 25.5.2 sin と tan の加法定理cos の加法定理をたどると、sin と tan の加法定理も自然に得られます。
- 25.5.3 倍角公式β を α に置き換えると、加法定理がそのまま「角を二倍にした」公式 sin2α、cos2α、tan2α に変わります。
- 25.5.4 半角・降次への利用cos2α の式を逆に使えば、sin² や cos² の「二乗」を一段下げることができ、積分や変形がしやすくなります。
- 25.5.5 補助角の合成:二波を一つにasinx+bcosx は二つの波のように見えますが、Rsin(x+φ) という一つの波にまとめられます——振幅と位相だけですべてが語れる形です。
正弦波の振幅・周期・位相という三つのダイヤルがそれぞれグラフをどう変えるかを理解し、ばねや音のような実際の往復運動を記述するために活用します。
- 25.6.1 振幅 A:波の高さA はボリュームつまみのようなもので、波を上下に引き伸ばしたり押しつぶしたりして、中心線からどれだけ離れるかを決めます。
- 25.6.2 角周波数 ω:波の密度ω は早送りボタンのようなもので、大きくなるほど波は細かくなり周期が短くなります。周期は 2π÷ω です。
- 25.6.3 位相 φ:波の横ずれφ は波全体を左右にスライドさせ、波がどこから上り始めるかを決めます。
- 25.6.4 グラフから式を求める見えている波を逆に読む——高さ・密度・出発点を測れば、A・ω・φ が割り出せます。
- 25.6.5 単振動:実世界の正弦波ばねの上下動、振り子の揺れ、音の振動——どれも変位が時間の関数として Asin(ωt+φ) の形をそのままたどります。
三角関数を直角三角形から任意の三角形へと拡張し、二つの偉大な定理を使って辺と角を自在に変換できるようにします。この段階を締めくくり、次の「数列」へ計測可能な関係の土台を引き渡します。
- 25.7.1 正弦定理どんな三角形でも、各辺はその対角の正弦と一定の比を保ちます:a/sinA=b/sinB=c/sinC。
- 25.7.2 余弦定理これはピタゴラスの定理をレベルアップしたもの:角が直角でないとき、c²=a²+b²−2ab·cosC が「斜めになった分」の補正を加えます。
- 25.7.3 与えられた条件と解の個数の判定どの辺と角が与えられているかによって、三角形が一つに決まるか・二つの解があるか・解なしかが変わるので、計算の前に条件をチェックします。
- 25.7.4 三角形の面積公式二辺とその挟む角がわかれば、面積は ½·ab·sinC——正弦が「角の開き」を面積に変換してくれます。
- 25.7.5 測量と実際の応用川の幅・山の高さ・船の位置——実際の問題を三角形として描き、二つの定理で解きます。
26数列
すでに知っている関数を整数の入力だけに絞ると、数列・一般項・漸化式という基本的な言葉が生まれる。
- 26.1.1 数列とは何か列に並んで順番に数える人たちのように、数が一つひとつ順に並んだものが数列 {aₙ} だ
- 26.1.2 項とその位置列の n 番目の人が第 n 項であり、各位置 n に対して値 aₙ が対応している
- 26.1.3 数列は特別な関数入力を 1, 2, 3, … だけに限った関数を考えると、その出力の並びが数列 aₙ=f(n) になる
- 26.1.4 一般項の公式どの位置からでもその値を求めるレシピで、aₙ=(n の式)と書かれる
- 26.1.5 漸化式値を直接書く代わりに、次の項が前の項からどう来るかを aₙ₊₁=f(aₙ) と表す
- 26.1.6 増加・減少とグラフ各項を一列の孤立した点としてプロットすれば、点が上がっているか下がっているかが一目でわかる
毎回一定の幅ずつ増える数列を学び、一般項・重要な性質・初項から第 n 項までの和を習得する。
- 26.2.1 等差数列とは何か一定のペースで階段を上るように、毎ステップ同じ量だけ増える数列で、その固定された差を公差 d という
- 26.2.2 一般項の公式a₁ から始めて d ずつ (n−1) 歩進むので、aₙ=a₁+(n−1)d となる
- 26.2.3 等差中項二つの数のちょうど真ん中に位置する数はその平均に等しく、2b=a+c が成り立つ
- 26.2.4 等差数列の性質中央に対して対称な位置にある項の和は等しく、aₘ+aₙ は位置の和だけで決まる
- 26.2.5 初項から第 n 項までの和両端の組を内側に向かってペアにすると等しい合計になる。数列とその逆順を足し合わせると Sₙ=n(a₁+aₙ)/2 が得られる
- 26.2.6 Sₙ が n について二次式になる理由Sₙ を n の二次式として読むと、最大・最小を求めることは放物線の頂点を探すことと同じだ
毎回一定の倍率で変化する数列を学び、一般項・重要な性質・和・そして極限の直観を習得する。
- 26.3.1 等比数列とは何か細胞が世代ごとに倍増するように、毎ステップ同じ倍率をかける数列で、その倍率を公比 q という
- 26.3.2 一般項の公式a₁ から始めて q を合計 (n−1) 回かけるので、aₙ=a₁·qⁿ⁻¹ となる
- 26.3.3 等比中項二つの数の「乗法的な」真ん中の値で、b²=a·c が成り立つ
- 26.3.4 等比数列の性質中央に対して対称な位置にある項の積は等しく、aₘ·aₙ は位置の和だけで決まる
- 26.3.5 初項から第 n 項までの和q を掛けてずらし、引き算して中間項を消すと Sₙ=a₁(1−qⁿ)/(1−q) が得られる
- 26.3.6 収縮する無限和とその極限|q|<1 のとき累積和は一つの値に限りなく近づき、ゴールには決して届かないが常に a₁/(1−q) に向かっていく
等差・等比以外の場合に対して、複雑な数列を和が求められる形に変える「分割」「分裂」「ペアリング」「消去」の技を習得する。
- 26.4.1 公式と分組求和混合した数列を別々のまとまりに分け、それぞれに既成の公式を使って和を求め、最後に合計を足し合わせる
- 26.4.2 倒序相加(逆順に並べて加える)和を正順に書き、逆順にも書き、重ねると対称な項が等しい値の行に並ぶ
- 26.4.3 错位相减(ずらして引く)等差と等比の積の和では全体に q を掛けて一槽ずらし、引き算すると等比数列に帰着する
- 26.4.4 テレスコーピング(望遠鏡型)各項を「前の部分マイナス後ろの部分」に分割すると隣り合う部分が消え合い、両端だけが残る
- 26.4.5 方法の選び方まず一般項の形を見てから道具を選ぶ:分組・ずらし・テレスコーピングはそれぞれ異なる形に合っている
すべての正の整数 n に対して成り立つべき命題に対して厳密な証明の道具を与え、これまでに求めた一般項・和の公式に立ち返る。
- 26.5.1 帰納法が必要な理由最初のいくつかの項を確かめても全部を証明したことにはならないので、無限個の n を一手で片付ける方法が必要だ
- 26.5.2 ドミノ原理最初のドミノが倒れて、各ドミノが次を倒せるなら、すべてのドミノが倒れる
- 26.5.3 帰納法の二つのステップまず n=1 が成り立つことを確かめ(基底の場合)、次に n=k で成り立つなら n=k+1 でも成り立つことを証明する
- 26.5.4 和の公式と整除性の証明和の公式や整除性の主張をこの二段階の方法に渡し、厳密に実行する
- 26.5.5 帰納法でよくある落とし穴基底の場合を省いたり、仮定を実際に使わないと、ドミノは倒れない
数列のモデルを使って成長や蓄積の問題に取り組み、値に近づくという考え方をベクトルや極限に向けて先へつなぐ。
- 26.6.1 等差モデル:一定の成長毎月決まった額を貯金したり毎年一律で昇給したりすることは、どちらも公差が一定の蓄積だ
- 26.6.2 等比モデル:複利と減衰利息に利息がつく複利や放射性崩壊など、各期間が同じ倍率でスケールするのはまさに公比 q の働きだ
- 26.6.3 分割払いと漸化式モデリング今月の残高は先月の残高から生まれるので、漸化式を立てて一般項を求める
- 26.6.4 フィボナッチ数列とその他の古典的数列ウサギの繁殖や花弁の配置は、各項が前の二項の和になる aₙ=aₙ₋₁+aₙ₋₂ に従っている
- 26.6.5 順番に並ぶ数から順番に並ぶ対へ数の並びは大きさと順序を持っているが、次のステップは各数に方向も与えて、ベクトルに変えることだ
Ⅴ · ベクトル・空間・複素数
27平面ベクトル
大きさだけをもつ数列の数を足がかりに、大きさと向きの両方をもつベクトルを導入し、基本的な考え方と描き方を身につける。
- 27.1.1 変位がベクトルを生む「3歩歩く」だけでは足りない。向きも一緒に添えなければならない。その「大きさ+向き」のペアがベクトル AB→ である。
- 27.1.2 ベクトルの描き方小さな矢印として描く。長さが大きさ |a| を表し、矢の先が向きを示す。
- 27.1.3 大きさ・零ベクトル・単位ベクトル長さが大きさ |a|、どこにも進まない矢印が零ベクトル 0、長さがちょうど 1 の矢印が単位ベクトルである。
- 27.1.4 等しいベクトルと平行ベクトル一方の矢印をスライドさせてもう一方にぴったり重なれば等しい。向きが同じか正反対なら平行(共線)、a∥b である。
- 27.1.5 自由ベクトルの考え方ベクトルは好きな場所へ動かせる矢印と考えよう。大切なのは長さと向きだけで、始点はどこでも構わない。
加法・減法・スカラー倍という三つの線形演算を矢印の図で定義し、それらを支配する規則を学ぶ。
- 27.2.1 加法の三角形の法則まず a に沿って進み、続けて b に沿って進む。出発点から到着点への一直線の矢印が和 a+b である。
- 27.2.2 加法の平行四辺形の法則同じ点から二つの力が引っ張るとき、それらを辺とする平行四辺形をつくると、対角線が合力 a+b になる。
- 27.2.3 ベクトルの減法a−b は b の先端から a の先端へ向かう矢印で、a+(−b) と同じことである。
- 27.2.4 スカラー倍λa は a を λ 倍に引き伸ばす。λ が負なら矢印は反転し、長さは |λ||a| になる。
- 27.2.5 共線ベクトルの定理b が a と同じ向きに平行であることは、b=λa となる λ がただ一つ存在することと完全に同値である。
- 27.2.6 線形演算の規則加法は交換・結合が自由にでき、スカラー倍は分配できる。だから普通の数と同じくらい気楽に式を変形できる。
平行でない二つのベクトルを土台にして任意のベクトルを表し、座標を導入することで幾何の操作をただの計算に変える。
- 27.3.1 平面ベクトルの基本定理平行でない二本の矢印を骨格として選べば、平面上のすべてのベクトルをただ一通りに表すことができる。
- 27.3.2 基底と直交分解垂直な矢印 i と j を基底に選び、任意のベクトルを横方向と縦方向の成分に分解する。
- 27.3.3 ベクトルの座標ベクトルの始点を原点に移すと、先端の座標 (x,y) がそのままベクトルの座標 a=(x,y) になる。
- 27.3.4 座標による線形演算和・差・スカラー倍は成分ごとに計算するだけ: (x₁,y₁)+(x₂,y₂)=(x₁+x₂,y₁+y₂)。
- 27.3.5 座標で共線性を確かめる二つのベクトルが平行であることと、交差積の座標が一致すること、すなわち x₁y₂−x₂y₁=0 が成り立つことは同値である。
- 27.3.6 比による内分点と中点線分をある比に分ける点の座標は端点の加重平均になり、中点はちょうど真ん中に落ち着く。
二つのベクトルをかけて一つの数にする演算を導入し、なす角・射影・垂直になる条件をとらえる。
- 27.4.1 ベクトルのなす角と射影同じ始点から出た二本の矢印が開く角がなす角で、一方が他方に落とす影が射影である。
- 27.4.2 内積の定義長さどうしを掛け、その間の角の余弦を掛けると一つの数になる。a·b=|a||b|cosθ で、二つがどれだけ「そろっているか」を表す。
- 27.4.3 内積の幾何学的な意味a·b は a の長さと、b を a の向きに射影した長さの積に等しく、その符号が角の鋭鈍を教えてくれる。
- 27.4.4 座標による内積座標を使えばさらに簡単で、a·b=x₁x₂+y₁y₂、掛けて足すだけで答えが出る。
- 27.4.5 内積で長さと角を求めるベクトルを自分自身と内積し平方根をとると長さ |a|=√(a·a)、cosθ の式を変形すると角が求まる。
- 27.4.6 垂直の判定二本の矢印が直角に交わることと、内積がゼロになること a·b=0、座標でいえば x₁x₂+y₁y₂=0 は同値である。
- 27.4.7 規則と注意点内積は交換・分配ができるが、「ベクトルを両辺から消す」ことは絶対にしてはいけない。普通の掛け算ではないからだ。
ベクトルを道具として、幾何の定理を証明し、長さや角を計算し、力や速度を扱い、空間ベクトルへの橋渡しをする。
- 27.5.1 ベクトルで平行・垂直を証明する二直線が平行なことを示すには λ を見つければよく、垂直なことを示すには内積を 0 にすればよい。幾何の問題が方程式に変わる。
- 27.5.2 ベクトルで長さと角を計算する大きさで長さを、cosθ の式で角を求め、座標に任せて計算をこなす。
- 27.5.3 ベクトルで余弦定理を証明する第三辺を他の二辺の差として書き、自分自身と内積して二乗すると、c²=a²+b²−2ab cosC がすっと導かれる。
- 27.5.4 ベクトルで正弦定理を証明する三角形を一周するとベクトルの和はゼロになる。高さの方向に射影すると、各辺と正弦の比がすべて等しいことがわかる。
- 27.5.5 力のベクトルモデル複数の力が一点に働くとき、平行四辺形の法則で加えると合力が求まり、合力がゼロなら釣り合いの状態である。
- 27.5.6 速度と変位を成分に分解する川を渡るボートの速度を下流方向と垂直方向に分け、それぞれの成分を個別に計算してから合成する。
- 27.5.7 空間ベクトルへ向けて座標にもう一つ z を加えると、平面の (x,y) が立体の (x,y,z) に育ち、次のステージの空間図形へとつながっていく。
28空間図形と投影
平面図形の知識をもとに立体の形を直感的につかみ、紙の上にスケッチや投影図として描く方法を学び、さらにその図から立体を復元する。
- 28.1.1 平面から空間へ紙に描かれた図形が立ち上がる:平面にもう一つの方向、高さを加えると、三次元の世界へ足を踏み入れたことになる。
- 28.1.2 基本的な立体との出会い積み木の箱から一つひとつ名前を確認するように:角柱、角錐、角錐台、円柱、円錐、円錐台、球を順に見ていこう。
- 28.1.3 角柱と円柱同じ形のカードを積み重ねると角柱になり、長方形をぐるりと回すと円柱になる。どちらも底面と側面の組み合わせでできている。
- 28.1.4 角錐・角錐台・回転体角錐は大ピラミッドのように頂点に向かって細くなり、その先端を平らに切ると角錐台になる。ある図形を軸の周りに回転させると回転体が生まれる。
- 28.1.5 立体のスケッチ:斜投影法平面の絵に立体感を出すには、水平方向の長さはそのまま、奥行き方向は半分にして斜めに傾ける。これが斜投影法のコツだ。
投影の考え方をもとに三視図がどこから来るのかを理解し、三視図を描いたり三視図から立体を復元したりする力を身につけ、それを使って測定値を求める。
- 28.2.1 投影とは何かランプが壁に物の影を映す:光線が平行なら平行投影、正面から垂直に当たるなら正射影(正投影)と呼ぶ。
- 28.2.2 三視図の由来正面・側面・真上から一枚ずつ「写真」を撮ると、正面図・側面図・平面図の三視図ができあがる。
- 28.2.3 立体の三視図の描き方長さを揃え、高さを水平に保ち、幅を一致させる:三視図は互いに寸法が一致する三人兄弟のようなものだ。
- 28.2.4 三視図から立体を復元する三枚の写真を与えられたら、逆向きに考えて実物を探る。三方向の輪郭を頭の中で組み合わせて立体を再構成しよう。
- 28.2.5 三視図と測定三視図から真の辺の長さや高さを読み取り、表面積や体積を計算する。
展開図を使って立体の表面を平面に広げ、表面積の問題をすでに知っている平面の面積計算に変換する。
- 28.3.1 立体の展開図箱の辺に沿って切り開いて平らに広げると、立体の「皮」が一枚の平面図形になる。これが展開図だ。
- 28.3.2 角柱・円錐・円錐台の展開円柱の側面は長方形に、円錐の側面は扇形に広がる。その扇形の弧の長さは底面の円周に戻っていく。
- 28.3.3 角柱・角錐の表面積表面積はすべての面の面積の合計。側面積と底面積を足し合わせれば全体が求まる。
- 28.3.4 円柱・円錐・円錐台の表面積側面積の公式は展開図から直接導ける:円柱は 2πrl、円錐は πrl、円錐台は大きい円から小さい円を引いたものになる。
- 28.3.5 球の表面積オレンジの皮が球を包む様子をイメージして、S = 4πr² を覚えよう。ちょうど大円四つ分の面積だ。
断面積が等しく高さが等しければ体積も等しいという原理から出発し、角柱・円錐・球の体積公式がなぜ成り立つのかを、丸暗記ではなく納得しながら理解する。
- 28.4.1 体積の直感容器に水を注いだときの水の量が体積。まずは直方体から始めよう:V = 縦 × 横 × 高さ。
- 28.4.2 カバリエリの原理高さが同じで、どの水平面でも断面積が一致する二つの本の積み重ねは、同じ厚さになる:高さと断面積が等しければ体積も等しい。
- 28.4.3 角柱・円柱の体積カバリエリの原理を使って立体をまっすぐに立てると、底面積 × 高さが体積になる:V = Sh。
- 28.4.4 円錐・角錐の体積底面と高さが等しい三つの円錐をぴったり組み合わせると一つの角柱になるから、円錐はその三分の一:V = ⅓Sh。
- 28.4.5 球の体積カバリエリの原理で半球と「円柱から円錐をくりぬいた立体」を比べると、V = 4/3πr³ が導かれる。
空間の位置関係を表す言葉と基本事項を身につけ、点・直線・平面の交わり方や平行の関係を整理することで、平行と垂直の判定の土台を作る。
- 28.5.1 点・直線・平面を表す部屋の角の点、二つの壁が交わる直線、一面の壁という平面:空間はこの三つの要素から作られている。
- 28.5.2 平面の基本性質三脚が安定して立つ理由:一直線上にない三点が一つの平面を定め、二点が平面上にあればその二点を通る直線全体も平面上にある。
- 28.5.3 空間における二直線の位置関係部屋の中の二本のパイプは、交わるか、平行か、そのどちらでもないかのいずれかだ。最後の場合をねじれの位置という。
- 28.5.4 ねじれの位置にある二直線のなす角ねじれの二直線を平行移動させて一点で交わらせ、そこで測った角がなす角だ。範囲は (0, 90°] となる。
- 28.5.5 直線と平面・平面と平面棒と床の関係:直線は平面に含まれるか、交わるか、平行かのいずれか。二つの平面は交わるか平行かのどちらかだ。
直線と直線、直線と平面、平面と平面の平行の判定条件と性質を体系的に身につけ、それらを自在に使いこなせるようにする。
- 28.6.1 直線と平面の平行の判定平面の外にある直線は、平面内のある直線と平行であれば、その平面全体とも平行になる。
- 28.6.2 直線と平面の平行の性質直線が平面と平行なら、その平面を別の平面で切ったとき、交わってできる直線はもとの直線と平行になる。
- 28.6.3 二平面の平行の判定一方の平面に、交わる二直線があってそれぞれが他方の平面と平行なら、二つの平面は平行だ。
- 28.6.4 二平面の平行の性質平行な二平面を第三の平面で切ると、二つの交線は常に平行になる。スライスされた食パンの二枚の切り口のようなものだ。
- 28.6.5 平行の種類の変換直線と直線、直線と平面、平面と平面の平行は互いに行き来できる:空間での平行を証明するにはこの三者を自在に乗り換えることが多い。
直線と直線、直線と平面、平面と平面の垂直の判定条件と性質、および重要な角を身につけ、純粋な幾何的アプローチを完成させ、この先のベクトル法へとつなげる。
- 28.7.1 直線の垂直と直線が平面に垂直であることの判定旗のポールが地面上の交わる二本の直線に同時に垂直なら、それは地面全体に垂直だ。
- 28.7.2 直線が平面に垂直であることの性質同じ平面に垂直な二本の棒は互いに平行になる。どちらも等しく真っすぐに立っているからだ。
- 28.7.3 二面角開いた本がなす角をイメージしよう:背表紙(稜)から両ページにそれぞれ垂線を引き、その角を測ったものが二面角だ。
- 28.7.4 二平面の垂直の判定と性質一方の平面がもう一方の平面に垂直な直線を含んでいれば、二つの平面は垂直。逆向きに辿ると、平面に垂直な直線が得られる。
- 28.7.5 距離と垂直の組み合わせ点から平面への距離は、その垂線の線分の長さ。距離や高さを求めるには垂直が鍵になる。
- 28.7.6 ベクトル法へ向けて純粋な幾何で垂直を証明しようとすると補助線を探し続けることになる。次は空間に座標を設定し、ベクトルの計算で一気に片付けよう。
29空間ベクトルと空間図形
平面ベクトルでおなじみの「矢印」を三次元に持ち込み、空間における加法・減法・スカラー倍、そして共線・共面の判定を学ぶ。前の段階で培った立体図形の感覚を土台に、一歩先へ踏み出そう。
- 29.1.1 空間の矢印前の段階で使った直方体の中に向きのある矢印を引けば、それが空間ベクトル a だ — 大きさと方向の両方を持っている。
- 29.1.2 空間ベクトルの加法と減法一本の辺をたどり、次の辺をたどる——「頭から尻へ」とつなげた旅の合計が a+b であり、平行四辺形の法則はここでもそのまま使える。
- 29.1.3 空間ベクトルのスカラー倍矢印を引き伸ばしたり裏返したりすること。λ倍すれば長さが λ 倍の λa になり、λ の符号が向きを決める。
- 29.1.4 共線ベクトルと方向の判定同じ直線上を指す二つの矢印は一つの方向を共有し、b=λa と書ける——これが共線の意味そのものだ。
- 29.1.5 共面ベクトルの定理三本の矢印が一枚の紙の上に並べられるなら、p=xa+yb が成り立ち、それらを共面と呼ぶ。
- 29.1.6 空間ベクトルの内積二本の矢印の挟む角が小さいほど「息が合っている」。a·b=|a||b|cosθ は、その息の合い具合をそのまま数字にしたものだ。
共面でない三つのベクトルを「骨格」として空間のあらゆるベクトルを表し、三次元座標系を立ち上げてベクトルも点も三つの数で扱えるようにする。以降の計算の土台を整える。
- 29.2.1 空間ベクトルの基底定理共面でない三本の矢印を基底として選べば、どんなベクトルも xa+yb+zc の形に組み立てられる。
- 29.2.2 正規直交基底と単位ベクトル互いに垂直な単位矢印 i, j, k を三本選ぶと、ベクトルの組み立てがこれ以上なく整然と、楽になる。
- 29.2.3 三次元座標系直方体の一つの頂点から出る三本の辺を x 軸・y 軸・z 軸として扱えば、空間の点はすべて自分だけの三つのラベル (x,y,z) を持つ。
- 29.2.4 ベクトルの座標と座標演算矢印を i, j, k に沿って分解して (x,y,z) と記録すれば、加法・減法・スカラー倍はどれも成分ごとに行うだけでいい。
- 29.2.5 内積の座標公式対応する成分をかけ合わせて足す — a·b=x₁x₂+y₁y₂+z₁z₂ — 図を見なくても計算できる。
- 29.2.6 長さ・距離・角の公式座標の差の二乗の和の平方根が二点間の距離であり、cosθ も座標から直接求まる。
直線と平面を「方向ベクトル」と「法線ベクトル」という二つの便利な鍵に変換し、ベクトルの共線・垂直を使って直線と平面の間の平行・垂直を判定する。
- 29.3.1 直線の方向ベクトル直線がどちらを向いていようと、同じ方向を向いた矢印 d を一本立てれば、その直線全体を代理させられる。
- 29.3.2 平面の法線ベクトル平面に垂直に突き刺さった矢印 n は、旗竿が地面を代表するように、その面全体を表す。
- 29.3.3 平面の法線ベクトルの求め方n を平面内にある二つのベクトルに同時に垂直にすれば、n·a=0 と n·b=0 を解くだけで n が手に入る。
- 29.3.4 ベクトルによる平行の判定方向ベクトルが定数倍なら直線は平行、法線ベクトルが定数倍なら平面は平行——どちらも共線の言葉に過ぎない。
- 29.3.5 ベクトルによる垂直の判定二つの方向ベクトルの内積が 0 なら直線は垂直、d が n に平行なら直線は平面に垂直になる。
- 29.3.6 平行・垂直の複合証明厄介な図形問題を「d と n の内積がゼロかどうか」という問いに置き換えれば、証明はただの計算になる。
方向ベクトルと法線ベクトルの角の公式を使い、抽象的な空間の角を座標計算に変換する。直線間・直線と平面・二面角を体系的に求めよう。
- 29.4.1 ねじれの位置にある直線のなす角二本の方向ベクトルの間の鋭角を取り、cosθ=|d₁·d₂|/(|d₁||d₂|) で求める。
- 29.4.2 直線と平面のなす角直線と平面のなす角は、方向ベクトル d と法線ベクトル n のなす角の「余角」であり、sinθ=|d·n|/(|d||n|) で得られる。
- 29.4.3 二面角とベクトルによる表現二つの半平面は開いた本のようなもので、その間の角度は二つの面の法線ベクトルのなす角で決まる。
- 29.4.4 法線ベクトルで二面角を求める二つの法線ベクトルの間の cosθ を計算し、図を見てその角をそのまま取るか補角にするかを判断する。
- 29.4.5 角の問題の複合応用まず座標軸を設定して座標を書き、次に d と n を求め、公式に代入する——この手順で空間のどんな角も一気に出てくる。
射影の考え方を使って点から平面への距離を求め、座標軸の設定・座標の代入・ベクトルの算出という一連の手順を整理する。次の段階の解析幾何へつながる橋も渡ろう。
- 29.5.1 ベクトルの射影一本の矢印の影をもう一本に投げかけたとき、その影の長さが b の方向への a の射影だ。
- 29.5.2 点から平面への距離点から平面へ線分を引き、法線ベクトル n に沿って射影の長さを測れば、d=|AP·n|/|n| が得られる。
- 29.5.3 点から直線への距離と直線から平面への距離平行なときは任意の一点の点と平面の距離を取るだけでよく、直線から平面・平面から平面の距離も点から平面の距離に帰着できる。
- 29.5.4 座標で解く一般的な手順垂直な角を探して座標軸を設定し、座標を書き、方向・法線ベクトルを求め、公式に代入する——この五ステップですべて処理できる。
- 29.5.5 ベクトルで立体図形の複合問題を解く平行・垂直・角・距離がひとつの問題に束ねられても、座標と内積で一度に解ける。
- 29.5.6 解析幾何へ向かって点を座標で、関係を方程式で書けるようになった今、次のステップは方程式を使って曲線そのものを描くことだ。
30解析幾何
前の段階のベクトルの考え方を引き継ぎ、図形を座標と方程式で表すという大きなアイデアを育て、平面の道具立てをおさらいする。
- 30.1.1 幾何に算数をもち込む:解析幾何の発想図形を方眼紙の上に置き、すべての点に住所 (x,y) をつけると、方程式で図形を計算できるようになる。
- 30.1.2 2点間の距離2点の間に輪ゴムを張り、横に走ってから上に向かって直角三角形をつくると、その長さは √((x₂−x₁)²+(y₂−y₁)²) になる。
- 30.1.3 中点と内分点線分のちょうど真ん中は、シーソーの支点のように座標を平均した点にある。支点をずらせば比 λ で重みをつけた内分点になる。
- 30.1.4 平面に戻ったベクトル:向きと座標前の段階の空間ベクトルを平面に平たく置くと、1本の矢印が (a,b) となり、直線の方向をさりげなく定める。
直線の急さからはじめ、傾きとさまざまな直線の方程式の形を身につけ、座標平面上のどんな直線でも式で書き表せるようにする。
- 30.2.1 傾斜角:直線がどれだけ傾いているか直線が水平軸から立ち上がる角 α は 0° 以上 180° 未満の範囲にあり、直線の姿勢をひと目で示す。
- 30.2.2 傾き:1歩右に進むと何だけ上がるか急さの度合いで、右に1歩進むと k だけ上がる。k=tanα=(y₂−y₁)/(x₂−x₁) だ。
- 30.2.3 点傾き形と傾き切片形1点と急さがわかれば直線全体が描ける。y−y₀=k(x−x₀) が点傾き形、縦軸との交点まで出せば y=kx+b になる。
- 30.2.4 2点形と切片形2点を決めれば直線は一意に定まる。2軸との交点 a と b を足跡として読み取り、x/a+y/b=1 と書く。
- 30.2.5 一般形 Ax+By+C=0どんな直線も、縦軸と平行な直線さえも、1つのすっきりした形におさめるポケット。
直線どうしの関係を調べ、位置関係を判断し、交点を求め、距離を計算して、直線に関する道具箱を完成させる。
- 30.3.1 平行と一致:同じ傾き同じ傾きで決して交わらない2直線は平行で k₁=k₂、切片が違う。切片まで一致すると同一直線になる。
- 30.3.2 垂直:傾きは負の逆数2直線を直角に組み合わせると、一方が上がるぶん他方は下がらなければならず、k₁·k₂=−1 が成り立つ。
- 30.3.3 交点:連立方程式を解く2直線の交点は両方の直線上に同時に乗っているので、2つの方程式を連立して解けば求まる。
- 30.3.4 点と直線の距離点から直線へ最短の垂線を下ろしたとき、その長さは d=|Ax₀+By₀+C|/√(A²+B²) になる。
- 30.3.5 平行な2直線間の距離平行な2本のレールは永遠に同じ幅を保つので、一方の直線上の任意の点からもう一方まで垂直に測ればよい。
1点から等距離にある点の集合を方程式で表し、円の2つの形を身につけ、直線や他の円との接線・交線の関係を判断する。
- 30.4.1 円とはどんな軌跡か糸の一端を固定してもう一端をぐるりと回すと、中心から同じ距離 r にあるすべての点が円を描く。
- 30.4.2 円の標準形方程式中心 (a,b) と半径 r を宣言するだけで (x−a)²+(y−b)²=r² が得られる。
- 30.4.3 円の一般形方程式x²+y²+Dx+Ey+F=0 のように展開されて混ざり合った形でも、平方完成すれば中心と半径が取り出せる。
- 30.4.4 直線と円:離れる・接する・交わる中心から直線までの距離 d と半径 r を比べると、どちらが大きいかで接するか交わるかが決まる。
- 30.4.5 2つの円の位置関係2つの輪が近づいていくとき、中心間の距離 d を半径の和や差と比べることで、外れ・外接・交わり・内接・内包の5つの場合に分類できる。
- 30.4.6 接線と弦の長さ円の外の点から2本の接線が腕のように伸びる。弦は垂線で2等分されるので、d と r で直角三角形を作って弦の長さを求める。
2つの固定点への距離の和が一定という性質から楕円を導入し、標準形方程式を作り、幾何的な性質を読み取る。
- 30.5.1 楕円の成り立ち:2本のピンと1本の糸2本のピンにゆるい糸をかけてぐるりとなぞると、2つの焦点への距離の和が常に 2a に保たれた軌跡になる。
- 30.5.2 楕円の標準形方程式楕円を座標平面の中央に縦に置くと x²/a²+y²/b²=1 と表され、長軸と短軸の半分の長さがひと目でわかる。
- 30.5.3 a・b・c の関係長軸の半分・短軸の半分・焦点距離の半分は直角三角形を作り、a²=b²+c² が成り立つ。
- 30.5.4 離心率:楕円のつぶれ具合焦点が中心から遠くなるほど楕円は平たくなり、e=c/a は 0 と 1 の間にある。1 に近いほどラグビーボールのように細長くなる。
- 30.5.5 楕円の対称性と範囲楕円は両軸と中心について対称で、点は ±a と ±b の範囲に収まる。
2つの固定点への距離の差が一定という性質から双曲線を導入し、標準形方程式・漸近線・離心率を身につける。
- 30.6.1 双曲線の成り立ち:一定の差2つの焦点への距離の差の絶対値が 2a に保たれると、互いに反対方向に開いた2本の枝が現れる。
- 30.6.2 双曲線の標準形方程式縦に置くと x²/a²−y²/b²=1 と表され、1つが正で1つが負というマイナス記号がその特徴だ。
- 30.6.3 a・b・c の関係ここでは逆になり、c が最も長くなる。c²=a²+b² で、焦点は実軸の外側に出る。
- 30.6.4 漸近線:近づいても決して触れない曲線が遠ざかるほど、2本の斜線 y=±(b/a)x に近づいていくが、永遠に交わることはない。レールに沿って走るようなものだ。
- 30.6.5 離心率と開き方e=c/a が 1 より大きく、大きくなるほど枝の開きが広がり、双曲線の広がり方を決める。
放物線を導入し、焦点と準線への等距離という性質と離心率によって3つの曲線を1つの体系に貫き通し、座標の方法をしめくくる。
- 30.7.1 放物線の成り立ち:点と直線への等距離1つの焦点への距離と固定された準線への距離が等しいすべての点が、噴水の水のような弧を描く。
- 30.7.2 放物線の標準形方程式頂点を原点に置いて右に開くと y²=2px と表され、p が大きいほど開きが広くなる。
- 30.7.3 焦点・準線と幾何的性質焦点と準線が曲線を前後から挟み、放物線の反射の性質によってすべての入射信号が焦点に集まる。
- 30.7.4 円錐曲線はひとつの仲間円錐を異なる角度で切ると楕円・放物線・双曲線が現れ、すべて同じ源から生まれる。
- 30.7.5 離心率が3つの曲線を統一する同じ一つの e を使って:1 未満は楕円、1 に等しければ放物線、1 より大きければ双曲線になる。
- 30.7.6 座標の方法を振り返る:図形は代数だあらゆる図形が方程式に翻訳されて計算できるようになった。図形と式の行き来は、虚数軸という次の地平を静かに準備している。
31複素数
前のステージの座標幾何を受け継ぎ、実数の数直線だけでは本当に行き詰まるところから出発して、虚数単位と複素数という考え方を導入します
- 31.1.1 数直線上に見つからない点こんなイメージです:x²=−1 は数直線上のどこにも答えがありません。「二乗したら負になる長さはどれか」と聞くようなもの——だから i²=−1 という規則をもつまったく新しい数 i を発明することになります
- 31.1.2 虚数単位 i の誕生こんなイメージです:「−1 の平方根」に i という名前をつけます。数直線の上には住んでいませんが、i²=−1 というたった一つの規則があれば、それ以外はすべてこれまでどおり使えます
- 31.1.3 複素数の形:a+biこんなイメージです:実数に小さな「虚数のあまり」をくっつけると考えてください——複素数はすべて a+bi と書け、a が実部、b が虚部です
- 31.1.4 複素数の等しさと整理の仕方こんなイメージです:二枚の身分証が同一人物と認められるのは実部と虚部の両方が一致するときだけ。b=0 なら実数、a=0 なら純虚数になります
前のステージから借りてきた座標平面に複素数それぞれの「住所」を与え、記号から見える点や矢印に変えていきます
- 31.2.1 複素数平面:すべての複素数に住所をこんなイメージです:横軸が実部を、縦軸が虚部を表すので、a+bi はちょうど点 (a,b) に対応します
- 31.2.2 複素数はただの矢印こんなイメージです:原点からその点へ向かう矢印は、前のステージのベクトルとまったく同じ見た目です——これが複素数の幾何学的な正体です
- 31.2.3 絶対値:矢印の長さこんなイメージです:矢印の長さを測れば絶対値になります、|a+bi|=√(a²+b²) で、これが負になることはありません
- 31.2.4 偏角:矢印の向きがどれだけ回転しているかこんなイメージです:矢印が正の実軸となす角が偏角で、一回転すれば元に戻るので、2π ずれた偏角は同じ向きを指します
足し算・引き算・掛け算・割り算の規則を作り上げ、代数的に計算する方法と、加減算の幾何学的な意味を両方つかんでいきます
- 31.3.1 加減算:矢印を端と端でつなぐこんなイメージです:ベクトルと同じように、実部は実部、虚部は虚部を合わせるだけ。幾何学的には矢印をつなぎ合わせることで、(a+bi)±(c+di) になります
- 31.3.2 乗算:i²=−1 と置き換えるだけこんなイメージです:括弧を展開するように掛け算すれば、i² が出てくるたびに −1 に換えればよく、自然と (ac−bd)+(ad+bc)i に落ち着きます
- 31.3.3 i の累乗の周期こんなイメージです:i、−1、−i、1 が四季のようにぐるぐる回り、4 ステップごとに繰り返します。だから iⁿ は n を 4 で割ったあまりだけ見ればよいのです
- 31.3.4 除算:複素数流の分母の有理化こんなイメージです:分母から i を追い出すには、共役複素数を分子・分母の両方にかけて分母を実数に「洗い流し」、あとは実部と虚部に分けます
共役複素数と絶対値の関係を体系的に身につけ、複素数を扱う中心的な道具として使いこなせるようにします
- 31.4.1 共役複素数:鏡に映すこんなイメージです:矢印を実軸に関して折り返して b を −b にします。a+bi の共役複素数は a−bi と書き、実部はそのまま、虚部だけ符号が反転します
- 31.4.2 共役複素数と絶対値:z·z̄=|z|²こんなイメージです:ある数に自分の鏡像をかけると虚部がきれいに打ち消し合い、絶対値の二乗にぴったり等しい実数が残ります
- 31.4.3 絶対値と演算:|z₁z₂|=|z₁||z₂|こんなイメージです:二本の矢印をかけるとその長さも単純にかけ算になります。積の絶対値は絶対値の積で、共役複素数も演算に同じように分配できます
- 31.4.4 共役複素数と絶対値を使った問題解法こんなイメージです:z と z̄ が混じった方程式に直面したら、z を x+yi と置くか、z·z̄=|z|² をうまく使って複雑な式をシンプルに変えます
複素数を「座標の住所」から「長さ+方向」へと格上げし、掛け算と割り算が実は回転とスケーリングであることを明らかにして、より深い内容への足がかりにします
- 31.5.1 三角形式:長さと方向をセットでこんなイメージです:座標で報告する代わりに「矢印の長さと向きの回転量」で報告します。a+bi=r(cosθ+i sinθ) で、r が絶対値、θ が偏角です
- 31.5.2 掛け算が本当にしていること:角を加え、長さをかけるこんなイメージです:二つの複素数をかけると矢印の長さはかけ算になり、偏角は足し算になります——複素数をかけることは、回転とスケーリングを一度に行うことです
- 31.5.3 割り算が本当にしていること:角を引くこんなイメージです:割り算はそれを逆に行い、長さを割って偏角を引きます。複素数は「回転とスケール」を一回の掛け算か割り算にまとめたパッケージです
- 31.5.4 i をかけることは 90° の反時計回りこんなイメージです:i は絶対値 1・偏角 90° なので、かけても矢印の長さは変わらず、ただ直角だけ回します——回転のための最もシンプルな代数的スイッチです
複素数を使って実係数方程式の根を完全に求め、かつて負の判別式があきらめを意味していた場面を取り戻し、数え上げと多項式への道を開きます
- 31.6.1 負の判別式はもう行き詰まりではないこんなイメージです:Δ<0 のとき平方根の中に負の数が入り、かつては「解なし」と呼んでいましたが、i を一筆書けば根は複素数平面にきちんと現れます
- 31.6.2 実係数方程式の複素数の根こんなイメージです:√(負の数) を i√(正の数) と書き直せば、二次方程式は常に二つの複素数の根をもち、x=(−b±i√(−Δ))/(2a) となります
- 31.6.3 複素数の根は対で現れる:共役な根こんなイメージです:実係数方程式の複素数の根は、必ず鏡像のペアとしてやってきます。a+bi が根なら、a−bi も必ず根です
- 31.6.4 二次方程式の根の全体像こんなイメージです:Δ が正・ゼロ・負のいずれであっても、二次方程式は常に二つの根をもちます(重根を含む)。複素数のおかげで「根の個数」がついて完全に統一されます
- 31.6.5 場合の数と多項式へこんなイメージです:どの根も消えなくなったのだから、「何種類、それぞれ何個」を数えるのが自然な次のステップ——場合の数・順列・組合せへと向かいます
Ⅵ · 場合の数・確率・統計
32場合の数・順列・組合せ・二項定理
「種類で分けるなら足す、順番に選ぶなら掛ける」という2つの基本的な考え方を身につけ、ある問題が「分類」なのか「手順」なのかを見極める力をつける。順列と組合せの土台を作る。
- 32.1.1 なぜ数え方を学ぶのか複素数から「単純に数える」世界に戻ってみよう。すべてを書き並べることはできるけれど多すぎるとき、全部列挙せずに個数Nを求める方法が必要になる
- 32.1.2 加法の法則(場合分けで数える)電車かバスか、どちらかに乗って出かけられる。選択肢は重ならず、それぞれ独立に数えられるので、合計は場合の数を足すだけ。N = m1 + m2 + ...
- 32.1.3 乗法の法則(手順を踏んで数える)シャツとズボンを組み合わせるのは2つの手順で、どちらも選んで初めて1つのコーディネートが完成する。だから個数は手順を掛け合わせる。N = m1 × m2 × ...
- 32.1.4 「場合分け」か「手順」か?一つ選べば完結するなら足す、複数の選択を順に経て完結するなら掛ける。問いはただ一つ、タスクが「または」か「かつ」かだ
- 32.1.5 樹形図と列挙選択をすべて枝として書いた樹形図を描き、葉の数を数える。そして足し算と掛け算で求めた答えと一致するか確かめよう
- 32.1.6 2つの法則を組み合わせるナンバープレート、パスワード、経路の問題:まず大きな場合に分け、それぞれの場合の中で手順を踏む。場合と手順を入れ子にして考える
並べる順序があるときの数え方を理解し、順列の公式と階乗をマスターして、制限のある順列問題を見抜く力をつける。
- 32.2.1 順列とは何か何人かを選んで、さらに一列に並べる。誰が前で誰が後ろかで違う並び方になる。このような「順序のある選び方」を順列という
- 32.2.2 順列の公式 A(n,m)n人の中からm人を並べるとき、1番目はn通り、2番目はn-1通り、…と続く。これを掛け合わせたものが順列の個数 A(n,m)
- 32.2.3 階乗と全順列n人全員を一列に並べ、nから1まで掛け下ろしたものが n!(n の階乗)。これが最も完全な順列だ
- 32.2.4 制限のある順列(その1)先頭に必ずいなければならない人、最後にいてはいけない人:「特別な場所・特別な人」を先に決めてから残りを並べる
- 32.2.5 制限のある順列(その2):隣接と分離2人が必ず隣り合わなければならないなら、2人を1つのブロックに「束ねる」。逆に隣り合ってはいけないなら、他の人を先に並べてから「すき間」に「はめ込む」
- 32.2.6 順列の複合問題数字を並べて整数を作る、特定の順序を固定した並べ方など:制限ごとに「どの手順を先にするか」に読み替え、順列の公式を当てはめる
順列と組合せの違いを見分け、組合せの公式と2つの重要な性質をマスターして、制限のある組合せや単純な分配の問題を解く。
- 32.3.1 組合せとは何か握手やチームを選ぶとき、グループが決まれば終わりで誰が先かは関係ない。このような「順序のない選び方」を組合せという
- 32.3.2 組合せの公式 C(n,m)組合せは、順列から内部の並べ方の重複を除いたもの。A(n,m) を m! で割れば C(n,m) が得られる
- 32.3.3 組合せの2つの性質m個を選ぶことは「残りn-m個を除く」ことと同じだから C(n,m) = C(n,n-m)。さらに C(n+1,m) = C(n,m) + C(n,m-1) が成り立つ
- 32.3.4 順列と組合せの見分け方「並べ方を変えても同じ選び方か?」とだけ問えばよい。そうなら組合せ、そうでなければ順列だ
- 32.3.5 制限のある組合せ「必ずこの人を含む」「多くてもこれだけ」:場合分けで直接数えるか、「全体から条件を満たさないものを引く」補集合の考え方で解く
- 32.3.6 分組と分配の問題人をいくつかのグループに分け、役割を割り当てる。グループの人数が同じとき、区別のない同じグループが重複して数えられないよう、グループ数の階乗で割る
組合せの数を使って (a+b)^n の展開を説明し、一般項と係数のパターンをマスターして、パスカルの三角形とのつながりを理解する。次の確率の段階で登場する二項分布への橋渡しをする。
- 32.4.1 (a+b)^n の展開から始めようn個の (a+b) を一つずつ掛け合わせていくと、各項はそれぞれの括弧から「aかb」を選ぶ選び方の1通りに対応している
- 32.4.2 二項定理各項の係数は、「n個の括弧のうちbを選ぶ括弧の個数k」に対する組合せの数 C(n,k) そのもの。これが二項展開だ
- 32.4.3 一般項 T(k+1)一般項 T(k+1) = C(n,k)·a^(n-k)·b^k を使えば、全部を展開しなくても1つの項を直接取り出せる
- 32.4.4 二項係数の性質係数は両端で小さく中央で大きく、左右対称で、すべて足すとちょうど 2^n になる(a=b=1 と代入すれば確かめられる)
- 32.4.5 パスカルの三角形「各数はその肩の上にある2数の和」という数の三角形で、各行がちょうど (a+b)^n の係数の並びになっている
- 32.4.6 特定の項や係数を求める定数項や特定の冪の係数を求めるには、一般項のxの指数を目的の値と等しいと置き、kを求めて代入する
- 32.4.7 確率へ向けて:成功と失敗の展開aとbが「成功」と「失敗」の確率を表すとき、(p+q)^n の各項は次の段階で登場する二項分布の予告になっている
33確率
「結果がわからない」ランダムな現象からスタートし、「どれくらい起こりやすいか」を数で表す確率を積み上げていく
- 33.1.1 ランダムな現象と標本空間コインを投げる前は表か裏かわからない。起こりうる結果をすべて一つの袋に入れたもの、それが標本空間Ωだ
- 33.1.2 ランダムな事象「偶数の目が出る」というのは結果の説明にすぎず、袋の中から該当する部分を取り出したもの、それが事象Aだ
- 33.1.3 頻度:千回試してその割合を見るコインを千回投げて表が出た割合を見てみよう。その実測値が頻度f = m/nであり、回数が増えるにつれて安定してくる
- 33.1.4 頻度から確率へ頻度はぶれながらも、最終的には一つの数値に近づいていく。その「落ち着き先」が確率P(A)、つまりその事象が本来持つ起こりやすさだ
すべての結果が同様に確からしいとき、確率を求めることを「数える」作業に変える
- 33.2.1 同様に確からしい結果と古典的モデル公正なサイコロはどの目も等しく出やすい。この「全員が同じ立場」という設定が古典的確率モデルだ
- 33.2.2 古典的確率の公式好ましい結果の数を全結果の数で割れば確率が求まる。P(A) = (Aに属する場合の数) / (Ωの全場合の数)
- 33.2.3 順列・組合せを使った確率の計算赤玉2個を引く場合の数を全体の2個を引く場合の数で割る。C(組合せ)やA(順列)をそのまま分子・分母に持ち込める
- 33.2.4 幾何確率のはじめの一歩野原に小石を投げて池に入る確率を考えるとき、場合の数の比ではなく面積の比に置き換える。P = (目的の面積) / (全体の面積)
事象を足したり引いたりできる集合として扱い、加法定理と互いに排反・余事象の言葉を身につける
- 33.3.1 事象の積・和・余事象「雨かつ風」が積事象A∩B、「雨または風」が和事象A∪B、「雨でない」が余事象Āだ
- 33.3.2 互いに排反な事象と余事象「3の目」と「5の目」は同時には起こらないので互いに排反。一方、「勝つ」と「勝たない」は中間がないので余事象(対事象)になる
- 33.3.3 確率の加法定理二つの事象のどちらかが起こる確率は、それぞれの確率を足してから重なりを引く。P(A∪B) = P(A) + P(B) − P(A∩B)
- 33.3.4 余事象を使った確率の計算直接数えると大変なときは逆を数えよう。「少なくとも一つ」は1から「一つもない」を引けば出る。P(A) = 1 − P(Ā)
「互いに影響しない」と「一方を知った上でもう一方を見る」を区別し、乗法定理・条件付き確率・全確率の公式を習得する
- 33.4.1 独立事象今日のコイン投げは昨日のことを覚えていない。事象が互いに影響しないとき、確率をただ掛け合わせればよい。P(A∩B) = P(A)P(B)
- 33.4.2 条件付き確率出た目が偶数だとわかった上で、それが6かどうかを問う。舞台を偶数の目だけに絞り込むのが条件付き確率P(B|A) = P(A∩B)/P(A)だ
- 33.4.3 乗法定理1枚引いて戻さずにもう1枚引くとき、二つのステップの確率をつなぎ合わせる。P(A∩B) = P(A)·P(B|A)
- 33.4.4 全確率の公式球が箱1・2・3のどれかから出てくるとき、各箱の割合で重み付けして足し合わせる。P(B) = ΣP(Aᵢ)P(B|Aᵢ)
- 33.4.5 ベイズの公式への入り口白玉を引いたとわかったとき、それがどの箱から来た可能性が高いかを逆向きにたどる。結果から原因を探るのがP(Aᵢ|B)だ
直接計算が難しいときは、乱数と繰り返し試行で確率を「試してみる」。頻度のアイデアが息づく
- 33.5.1 乱数の生成電卓やスピナーが乱数を吐き出す。私たちの代わりにコインを投げたりサイコロを転がしてくれるようなものだ
- 33.5.2 ランダムシミュレーションのアイデア乱数を使って実際の試行を真似て何度も繰り返し、成功した割合を数える。頻度が確率に近づいていく
- 33.5.3 シミュレーションで幾何確率を推定する正方形の中にランダムに点を散らして、円の中に落ちた割合を見ると、実はπを推定できる。散らす点が多いほど精度が上がる
ランダムな結果に数字のラベルを貼り、分布表を使って各値の起こりやすさを余すところなく捉える
- 33.6.1 離散確率変数「サイコロ2個の和」や「引いた不良品の数」を一つの数Xとして記録する。Xはランダムに変わる
- 33.6.2 分布表Xがそれぞれの値をとる確率を一覧にした表。確率変数に「可能性のメニュー」を与えるようなものだ
- 33.6.3 分布表の性質メニューの確率はすべて非負であり、合計するとちょうど1になる。それ以上でも以下でもない
確率変数を二つの数でまとめる:平均的にどこに落ち着くか、どれくらい揺れるか。統計での標本の数値への橋渡しとなる
- 33.7.1 数学的期待値何度も繰り返したとき1回あたり平均いくら手に入るか。確率で重み付けした平均が期待値E(X) = Σxᵢpᵢだ
- 33.7.2 期待値の性質結果をすべて2倍にして一定のボーナスを加えると、期待値もそのまま変換される。E(aX+b) = aE(X)+b
- 33.7.3 分散と標準偏差結果が平均に集まっているか大きく揺れるかを、平均からの差の2乗で測るのがD(X)。その平方根が標準偏差だ
- 33.7.4 分散の性質と活用期待値が同じ二つのプランなら、分散の小さい方が安定している。リスクを比べて判断するときに役立つ
三つの古典的な分布モデルを知り、離散から連続へと踏み出して、統計での母集団分布の土台を作る
- 33.8.1 二点分布一回の試行で成功か失敗かだけ。Xは0か1をとる、すべての分布の最もシンプルな積み木だ
- 33.8.2 二項分布同じ試行を独立にn回繰り返して成功回数を数える。X~B(n,p)、その確率は二項展開のちょうど一つの項になる
- 33.8.3 二項分布の期待値と分散成功率pの試行をn回繰り返せば平均np回成功する。E(X)=npとD(X)=np(1−p)にそのまま代入できる
- 33.8.4 超幾何分布不良品M個を含むN個の中からn個を一度に引いて不良品の数を数える。元に戻さないため、場合の数(組合せ)で計算する
- 33.8.5 連続確率変数と密度曲線身長や体重は任意の実数値をとれるので、確率は特定の1点ではなく曲線の下の面積として読む
- 33.8.6 正規分布数え切れない小さな要因が積み重なると、中央が高く両端が低いベル型の曲線が現れる。平均μと標準偏差σがその幅と位置を決める
- 33.8.7 3σルールと正規分布の応用データのほぼすべてが平均から3σ以内に収まり、それを外れると「異常」と見なされる。統計的判断の土台がここで静かに用意される
34統計
データで問いに答える習慣を身につけ、データがどこから来るか・偏りなく標本を取る方法を理解し、この先すべての学習の土台となる「素材」を整える
- 34.1.1 なぜ統計をするのか確率は「まだ起きていない明日」を計算し、統計は「すでに起きた昨日」を読み解く;数値の山 x₁,…,xₙ をひとつの結論へ変える術だ
- 34.1.2 母集団・個体・標本鍋のスープが塩辛いか知りたければ一口すくって味見すればよい;その一口が標本、鍋全体が母集団 N だ
- 34.1.3 全数調査と標本調査全員を調べるのが全数調査、一部だけ聞くのが標本調査;標本の大きさを n と書き、大きいほど真の値に近づく
- 34.1.4 単純無作為抽出全員の名前を紙に書いてくじに折り、誰でも同じ確率で引けるように引く、それが単純無作為抽出だ
- 34.1.5 層別抽出と系統抽出男女に分けてからそれぞれ比例的に引くのが層別抽出、k 番目おきに取るのが系統抽出だ
- 34.1.6 代表性と偏りバスケットコートだけで身長を聞けば結果は高めに偏る;標本が偏れば結論も偏る
データの種類に合ったグラフを選び、正しく読み取り、誤解を招く図に気をつける力を養い、ごちゃごちゃしたデータを一目でわかるようにする
- 34.2.1 度数と度数分布表得点を区間ごとに分けて人数を数える;各区間の人数が度数、その割合が相対度数 f = 度数/n だ
- 34.2.2 棒グラフ・円グラフ・折れ線グラフ量を比べるなら棒、割合を示すなら円、推移を追うなら折れ線、それぞれに役割がある
- 34.2.3 度数分布ヒストグラム連続データを区間に分け、各区間を棒に積み上げ、棒の面積がその区間の相対度数、全体の面積は 1 になる
- 34.2.4 グラフの選び方と読み方データが名義的か連続的か、比較したいのか推移を見たいのかを先に問い、それに語りかけるグラフを選ぼう
- 34.2.5 嘘をつくグラフ軸が 90 から始まっていると小さな差が断崖に見える;グラフを信じる前に目盛りが改ざんされていないか確かめよう
数値の山をたった一つの数で表す方法を学び、平均・中央値・最頻値とそれぞれの長所・短所を習得して、どれをいつ使うかを見極める
- 34.3.1 平均値全員のお金を集めて等分に配り直したとき一人ひとりが受け取る額が平均値 x̄ = (Σxᵢ)/n だ
- 34.3.2 中央値全員を一列に並べて真ん中に立つ人の値;偶数のときは真ん中ふたりの平均を取る
- 34.3.3 最頻値最もよく登場する値;よく売れる靴のサイズはそのサイズの最頻値だ
- 34.3.4 三つの比較と使い分け億万長者が小さな店に入ると平均給与が跳ね上がる;極端な値がある場合、中央値のほうが実態を正確に表す
- 34.3.5 加重平均期末試験が宿題より重みを持つとき、重みをかけて計算する;x̄ = Σwᵢxᵢ、各 wᵢ はその項目の重みだ
分布を「位置」と「ばらつき」の両面から表し、四分位数・範囲・分散・標準偏差を身につけ、箱ひげ図と散布度の比較への道を開く
- 34.4.1 パーセンタイル「90% の人を超えた」という順位の境界線が第 90 パーセンタイルだ
- 34.4.2 四分位数と四分位範囲全体を四等分する 3 点が Q₁, Q₂, Q₃;真ん中半分の幅が IQR = Q₃ − Q₁ だ
- 34.4.3 箱ひげ図箱とふたつのひげで 5 つの要約数を表し、分布の形とばらつきを一目で示す
- 34.4.4 範囲と散らばりの感覚二つのクラスが同じ平均でも、一方は均等でもう一方は極端に偏っていることがある;最大値から最小値を引いたのが範囲だ
- 34.4.5 分散と標準偏差各値が平均からどれだけ離れているかを二乗して平均したのが分散 s²、その平方根が標準偏差 s だ
- 34.4.6 データの安定性を比較するどちらを選ぶ?平均が同じなら標準偏差が小さいほうが安定していて頼りになる
小さな標本が大きな母集団を代弁できる理由を理解し、推定・標本変動の考えを築き、相関と検定への地盤を固める
- 34.5.1 標本から母集団を推定する一口すくって鍋全体を判断する;標本平均 x̄ で母集団の平均 μ を推定する
- 34.5.2 標本度数から確率を推定するコインを投げる回数が増えるほど表の出る頻度は真の確率 0.5 に近づく、それが頻度の安定性だ
- 34.5.3 推定のばらつき標本を取るたびに結果は少しずつ違う;標本が大きいほど推定は安定し、真の値に近づく
- 34.5.4 正規分布の山型の直感身長や体重は真ん中が高く両端が低い山形になる傾向があり、N(μ,σ²) と書く;μ が中心、σ が幅を決める
- 34.5.5 3σ の法則正規分布のデータのほぼすべては平均から上下 3 標準偏差以内に収まり、それを超えることは極めてまれだ
1 変数から対データへと進み、相関を描写し、直線を当てはめ、予測に使い、相関は因果ではないことを理解する
- 34.6.1 対データと散布図身長と体重をペアにして点で打つと、点の群れの流れが 2 つの変数の関係を教えてくれる
- 34.6.2 正の相関・負の相関・無相関右上がりに流れる点群は正の相関、右下がりは負の相関、四方八方に散れば関係はほとんどない
- 34.6.3 相関係数 r−1 から 1 の間の一つの数で線形関係の強さを測る;端に近いほど直線に近い
- 34.6.4 単回帰直線点の群れに最もよく沿う直線 ŷ = b̂x + â を引き、全体のずれをできる限り小さくする
- 34.6.5 最小二乗法の考え方各点から直線への縦の距離の二乗の和を最小にしたとき、その直線がはじめて傾向を公正に表す
- 34.6.6 回帰による予測と残差x を代入して予測値 ŷ を得る;実測値と予測値のずれが残差であり、残差が小さいほど当てはまりが良い
- 34.6.7 相関は因果でないアイスクリームの売上と水難事故の件数は同時に増えるが、真の犯人は夏の暑さだ;関連があっても原因があるとは限らない
対になったカテゴリーデータを扱い、分割表とカイ二乗統計量で 2 つの特性が関連しているかを判定し、推測的な考え方を論理的判断へと橋渡しして次の段階へ進む
- 34.7.1 カテゴリー変数と分割表「喫煙か否か」と「病気か否か」をペアにして 2 × 2 の表に収める、その表を分割表と呼ぶ
- 34.7.2 度数から関連を見抜く喫煙グループの罹患率が明らかに高ければ、2 つは無関係ではないと疑いたくなる
- 34.7.3 独立と期待度数の意味本当に無関係なら、各セルの度数は自然と比例した値になるはずで、その値が期待度数だ
- 34.7.4 カイ二乗統計量 χ²実測度数と期待度数のずれを二乗して全部足し合わせた一つの数が χ²;ずれが大きいほど値も大きくなる
- 34.7.5 独立性の検定と判定χ² が臨界値を超えたとき、自信を持って 2 つは関連していると言える;この「判定を下す」ステップが次の論理の言葉へとつながる
Ⅶ · 論理・解析・その先へ
35論理と量化記号
データから結論を導く経験を、真か偽かをはっきり判断できる「命題」へと昇華させ、論理の基本的な対象と言葉を整える。
- 35.1.1 命題とは何か確かに真か偽かを言い切れる文だけが対象になる:真偽値がはっきり定まる主張を命題 p と呼ぶ。
- 35.1.2 仮定と結論文を「もし……ならば……」に分割する:前半が仮定 p、後半が結論 q。
- 35.1.3 真の命題と偽の命題反例が一つあれば崩れる:p が真であるのは反例が存在せず、すべてが成り立つときだけ。
- 35.1.4 命題の言い換え同じ内容を別の形で述べる:日常的な文を標準形「p ならば q」に整理する。
仮定と結論の関係を「それがあれば十分か、なければだめか」という視点で捉え、三種類の条件を見分けることを学ぶ。
- 35.2.1 十分条件「それがあれば十分」:p が成り立てば q が保証される。p⇒q と書き、p は q の十分条件。
- 35.2.2 必要条件「それがなければ話にならない」:q が成り立つためにはまず p が必要。q⇒p と書き、p は q の必要条件。
- 35.2.3 必要十分条件「あれば十分、なければ不可」:p と q が互いに保証し合い、p⇔q で完全に同値。
- 35.2.4 条件を集合で見る小さい円が大きい円の中に収まる:p の領域が q の領域に包まれるとき、小さい方が十分、大きい方が必要。
- 35.2.5 条件の種類を判定する各方向を一度ずつ確かめる:p⇒q か、q⇒p か、両方かを確認し、十分・必要・必要十分を判定する。
「全員がそうだ」と「少なくとも一人はそうだ」を区別し、二つの量化記号とその記号表現を導入する。
- 35.3.1 全称記号「それら全員、漏れなく成り立つ」:すべての x が性質を持ち、∀ を使って全称命題と書く。
- 35.3.2 存在記号「少なくとも一つ見つかる」:条件を満たす x が存在し、∃ を使って存在命題と書く。
- 35.3.3 量化された命題の真偽判定全称は全件確認が必要、存在は一例でよい:抜け穴を探すか、証拠となる一例を見つける。
- 35.3.4 量化された命題を記号で表す言葉を記号に翻訳する:∀x∈M, p(x) と ∃x∈M, p(x) がそれぞれ一方を表す。
命題の否定、とりわけ量化記号を含む命題の否定パターンを身につけ、これから先の厳密な推論の土台を築く。
- 35.4.1 命題の否定文全体をひっくり返す:p の否定は ¬p と書き、真偽値はちょうど逆になる。
- 35.4.2 全称命題の否定「全員がそうなわけではない」は「誰かがそうでない」を意味する:∀ は ∃ になり、結論が否定される。
- 35.4.3 存在命題の否定「一つも存在しない」は「全員が満たさない」を意味する:∃ は ∀ になり、結論が否定される。
- 35.4.4 否定でよくある落とし穴量化記号だけ入れ替えて結論を忘れてはいけない:「すべて大きい」の否定は「一部は大きくない」であり、「すべて小さい」ではない。
条件・量化記号・否定を推論へとつなぎ、反例・対偶・背理法を使いこなして、数列や関数の極限についての厳密な議論への道を開く。
- 35.5.1 逆と対偶ひっくり返し、さらに裏返す:「p ならば q」から作る対偶「¬q ならば ¬p」は、元の命題と真偽値が一致する。
- 35.5.2 同値な命題を活用する直接の証明が難しいときは対偶を証明する:同値な言い換えに切り替えると、道がひらけることが多い。
- 35.5.3 背理法への第一歩結論が偽だと仮定する:矛盾を導くことで、結論は最初から成り立たなければならなかったことを示す。
- 35.5.4 反例で反証する「常に成り立つ」を覆したい?それが崩れる例が一つあれば十分。
- 35.5.5 推論における「限りなく近づく」直感「いくらでも近くできる」それ自体が一つの命題:次の段階で ε を使って極限を厳密に定義するための準備運動。
36極限・微分とその応用
「限りなく近づく」という直感をしっかり育て、漠然とした「どんどん近くなる」を、変化の割合を語るための正確で使いやすい極限の言葉に変える。
- 36.1.1 「必要十分」から「限りなく近づく」へ前の段階では「十分近いかどうか」を判定していた。今度はその近づきをどこまでも続けてみよう。それが x→a という矢印の意味だ。
- 36.1.2 数列の極限数が一列に並んで、まるで飛び石が一点に向かって収束するように、ある場所へ密集していく。その行き着く先を lim aₙ と書く。
- 36.1.3 点における関数の極限x=a に向かって、曲線の左側と右側の両方から近づいていこう。どちらの方向から来ても高さが同じ値に向かうなら、その値が lim f(x) だ。
- 36.1.4 極限の演算法則二つの量がそれぞれ自分の値に落ち着くとき、その和・差・積・商も一緒に落ち着く。だから極限は部分に分けて求めることができる。
- 36.1.5 連続性:ペンを紙から離さないこと描くときにペンが紙から一度も跳び上がらなければ、その点での関数の値はちょうど極限の値に一致する。そのとき f はそこで連続だという。
極限を使って「ある区間での平均の速さ」をしぼり込み、「まさにこの瞬間の速さ」へと変える。これが導関数の核心へと自然につながっていく。
- 36.2.1 平均変化率ある時間の幅でどれだけ高さが変わったかを割り算すると、平均の傾き Δy/Δx が得られる。
- 36.2.2 割線の傾き曲線上の二点を結ぶ直線の傾きは、その区間の平均変化率にほかならない。
- 36.2.3 間隔をゼロに縮めていく二点が近づくにつれて割線は接線に倒れ込み、Δx→0 のとき平均変化率は瞬間変化率へとしぼり込まれる。
- 36.2.4 瞬間変化率と導関数の誕生「今この瞬間、どれだけ速く変化しているか?」Δx→0 のときの Δy/Δx の極限、それが f′(x₀) だ。
- 36.2.5 瞬間速度:最初の応用一瞬のスピードメーターの値は、位置を時刻で微分したもの s′(t) にすぎない。
導関数を「一点での数」から「まったく新しい関数」へと格上げし、その図形的意味をはっきりさせる。接線の傾き、それが導関数の本当の意味だ。
- 36.3.1 導関数の定義近づく過程を一つの式にまとめる:f′(x₀)=lim[f(x₀+Δx)−f(x₀)]/Δx。
- 36.3.2 接線の傾き曲線をどんどん拡大していくと直線に見えてくる。その小さな区間の急さが f′(x₀) だ。
- 36.3.3 接線の方程式を求める接点と傾き f′(x₀) がわかれば、点傾き形の式で接線がすぐに求まる。
- 36.3.4 導関数:導関数もまた関数であるどの点にも固有の傾きがある。それを全部つなぎ合わせると、新しい関数 f′(x) が生まれる。
- 36.3.5 微分可能性と連続性の関係角のある曲線には一本の接線が引けない。だから微分可能であることは必ず連続であることを意味するが、連続であっても微分可能とは限らない。
点ごとに極限をとる作業を、公式の参照とルールの適用へと変える。よく使う関数や入れ子構造でも、素早く正確に微分できるようになる。
- 36.4.1 基本的な関数の導関数幂関数・指数関数・対数関数・三角関数にはそれぞれ決まった「傾きのひな形」がある。たとえば (xⁿ)′=nxⁿ⁻¹。覚えればすぐ使える。
- 36.4.2 和と差の法則二つの曲線を重ねれば、傾きもそのまま足し合わせればよい:(u±v)′=u′±v′。
- 36.4.3 積の法則二つの量の積を微分するには、片方ずつ変化させて足す:(uv)′=u′v+uv′。
- 36.4.4 商の法則分数の傾きには決まった手順がある:(u/v)′=(u′v−uv′)/v²。
- 36.4.5 合成関数と連鎖律入れ子になった関数は歯車のチェーンのようなもので、回転速度が掛け合わさる。外側の導関数に内側の導関数を掛ければよい。
- 36.4.6 微分の総合練習まず構造が和・積・入れ子のどれかを見極め、対応するルールを順に適用すれば、必ず f′ にたどり着く。
導関数の符号から関数の増減を読み取り、山・谷・最大・最小をつかまえて、曲線の形を一目で見通せるようにする。
- 36.5.1 導関数の符号と増減傾きが上向き (f′>0) なら登り坂、下向き (f′<0) なら下り坂だ。
- 36.5.2 増加・減少区間の求め方f′(x)>0 と f′(x)<0 をそれぞれ解いて、登り区間と下り区間を地図に書き込む。
- 36.5.3 極値:山と谷登りから下りに変わる点が極大、逆が極小で、その切り替わりで f′=0 になる。
- 36.5.4 極値の見分け方f′ がゼロを越えるときの符号の変わり方を見よう。プラスからマイナスは極大、マイナスからプラスは極小だ。
- 36.5.5 閉区間上の最大・最小全体の最大値と最小値は、極大・極小か端点のどちらかにしか現れない。だから一つ一つ比べればよい。
- 36.5.6 関数のグラフの概形を描く増加・減少・極値を組み合わせ、点と点をつなぐと、曲線の本当の姿が浮かび上がる。
「最も安く」「最も大きく」という現実の問題を関数の極値を求める問題に変換し、導関数を使って最良の方針を導き出す。そして全体を振り返り、この先への扉を開く。
- 36.6.1 最適化問題のモデル化「使う材料を最小に、利益を最大に」を変数に置き換え、目的関数とその変数が取りうる範囲を書き下ろす。
- 36.6.2 幾何的な極値:面積と体積金属板を折り曲げて最も広い箱を作るには?体積の関数を微分して極値を求めればよい。
- 36.6.3 日常の中の最善の選択コスト・時間・収益が最もうまく働く点は、ちょうど導関数がゼロになる場所にある。
- 36.6.4 最適化の手順まとめモデル化・微分・極値を求める・範囲を確認。この四つのステップで f′=0 の最良の答えにたどり着く。
- 36.6.5 振り返りと先への扉「近づくこと」から「最適化」まで、微分積分の最初の姿が現れた。この先は、あなたが引かれる方向に向かって進む旅だ。
37その先へ:発展的な高等数学
面積を求めたり総量を足し合わせたりするイメージから出発して定積分の概念を構築し、それを導関数と結びつけることで、直前に学んだ微分が自然な流れで積分へとつながっていく。
- 37.1.1 導関数から積分へ速さがわかっていて距離を求めたいとき、前のステージで学んだ微分を逆向きに辿ればよい、それがまさに積分のすることだ。
- 37.1.2 曲線の下の面積とリーマン和曲線で囲まれた領域を無数の細い短冊に切って足し合わせ、短冊を細くするほど真の値に近づき、その極限が ∫f(x)dx と書かれる。
- 37.1.3 定積分の定義とその幾何的意味細い短冊の面積の極限が定積分であり、∫ₐᵇf(x)dx は曲線の下の符号付き面積に等しい。
- 37.1.4 定積分の基本的な性質面積は分割でき、積み重ねでき、定数を外に出すことができ、∫ₐᵇ = ∫ₐᶜ + ∫ᶜᵇ のような規則が成り立つ。
- 37.1.5 原始関数と不定積分導関数がちょうど f になる関数を探せばそれが原始関数であり、∫f(x)dx = F(x) + C と書かれる。
- 37.1.6 微積分の基本定理驚くべきことに、面積を求めることは原始関数の差を取るだけで済み、∫ₐᵇf = F(b) − F(a) となって、微分と積分は互いにほどき合う関係にある。
- 37.1.7 積分を使った面積と距離の計算基本定理を道具として使えば、曲線の下の面積や速さが変化する運動の総移動距離がすっきり求まる。
ベクトルと行列で方向と変換を表し、線形変換・行列式・連立方程式の解法を理解して、より高次元の世界や抽象的な構造への土台を築く。
- 37.2.1 ベクトル空間の直感自由に足し合わせたり伸ばしたりできる矢印の集まりがベクトル空間であり、加法とスカラー倍に関して閉じている。
- 37.2.2 線形結合と基底いくつかの基本的な矢印が空間全体を生み出し、任意のベクトルはそれらの線形結合 Σcᵢvᵢ として書ける。
- 37.2.3 線形変換としての行列行列は引き伸ばしと回転を行う機械のようなもので、ベクトル x を入力すると Ax として出力され、格子がきれいに変形される。
- 37.2.4 行列の積と演算二つの変換を順番に施すことはそれぞれの行列の積 AB に対応し、順序を勝手に入れ替えることはできない。
- 37.2.5 行列式と面積の拡大率変換が単位正方形の面積を何倍にするかが、ちょうど行列式 det(A) に等しい。
- 37.2.6 行列を使った連立一次方程式の解法複数の方程式を Ax = b と書き、行列式がゼロでなければ唯一の解が存在し、掃き出し法や逆行列で求められる。
整数の割り切りと余りから出発して、素数を構成要素として出会い、合同式を時計の算術として理解し、純粋な構造の美しさを感じ取る。
- 37.3.1 整除性と因数a が b で割り切れるとき b∣a と書き、余りがゼロになる。
- 37.3.2 素数と算術の基本定理素数はこれ以上分解できない構成要素であり、すべての整数は素数の積として一意に分解できる、例えば 12 = 2²·3 のように。
- 37.3.3 最大公約数とユークリッドのアルゴリズム大きい方を小さい方で割った余りを繰り返し取り続けてゼロになったとき、gcd(a, b) が得られる。
- 37.3.4 合同式:時計の算術時計が 12 の後に 1 に戻るように、数は m で割った余りによってクラスに分かれ、a ≡ b (mod m) は合同であることを意味する。
- 37.3.5 合同式の計算とその応用合同式は足したり掛けたりでき、剰余算術は整除性の確認・曜日の特定・末尾の桁の検証などに便利だ。
結果が成り立つ「なぜ」を明確にし、数学的命題の言語と三つの主な証明スタイルをマスターして、計算できる段階から証明できる段階へと進む。
- 37.4.1 命題・条件・対偶「p ならば q」は数学の基本的な文であり、対偶「q でないならば p でない」とまったく同じ場合に真または偽になる。
- 37.4.2 全称量化記号と存在量化記号「すべてに対して」は ∀ と書き「存在する」は ∃ と書き、命題を否定すると二つが入れ替わり後続する内容も反転する。
- 37.4.3 数学的帰納法最初のドミノを倒し、どのドミノも次のドミノを倒すことを確かめれば、すべてのドミノが倒れる、それが n に関する帰納法だ。
- 37.4.4 背理法による証明結論が偽と仮定して矛盾にぶつかるまで押し進めると、もとの命題が真であることが強制される、√2 が無理数であることの証明がその典型だ。
- 37.4.5 構成的証明と反例何かが存在することを証明するには自分の手で一つ作り上げればよく、「すべて」という主張を崩すには反例がたった一つあれば十分だ。
以前出会った極限に立ち返り、ε–δ の言葉を使って「限りなく近づく」ことの正確な意味を語り、学習の道全体を締めくくって高等数学への扉を開く。
- 37.5.1 極限をなぜ厳密にするのか「どんどん近づいていく」は曖昧すぎるので、どのくらい近く、そしてどのくらい近くを要求できるかを問わなければ、疑いの余地がなくなる。
- 37.5.2 数列の極限の ε–N 定義あなたが指定した誤差 ε に対して、ある番号 N が存在し、それ以降のすべての項がその誤差の範囲内に収まる、それが aₙ → A の正確な意味だ。
- 37.5.3 関数の極限の ε–δ 定義f(x) を L の ε 以内に保つには、x を a に十分近く(δ 以内に)保てばよく、それが極限の厳密な定義だ。
- 37.5.4 連続性の厳密な定義ある点での極限値がそこでの関数値に等しいとき、ペンを離さずに描き続けられ、その点で関数は連続と言う。
- 37.5.5 連続関数の大域的な性質閉区間上で連続な関数は必ず最大値と最小値をとり、その間のすべての値を通過する、中間値の定理と最大値の定理が旅の締めくくりを告げる。