Ⅴ ベクトル・空間・複素数 · ステージ 30 — 解析幾何 · 30.1 座標・距離・中点すべてのレッスン →EN日本語
ステージ 30 · 解析幾何

座標・距離・中点

すべての点に住所を与えれば、幾何は代数で帳簿をつけ始める。

対象年齢 14〜18 歳 · 一歩ずつ、論理的に考える
2点 A(1, 1)B(4, 5)水平の辺を 3 進み、垂直の辺を 4 上がると、直線距離 AB は斜辺 — ちょうど 5。その中点 M(2.5, 3) は 2 つの住所の平均値だ。

2000 年ものあいだ、幾何と代数は別々の部屋に住んでいた — 一方は図を描き、もう一方は記号を動かす。そこへルネ・デカルトが方眼紙に図形を置き、すべての点に住所 — 数の組 (x, y) — を与えた。するとたちまち、図形は住所の集合になり、幾何の問い — どのくらい離れているか?中点はどこか? — は単純に計算できる算数になった。距離は平方根に、中点は平均に、方向は矢印になる。このレッスンでは、幾何が初めて帳簿を開いて代数で記録をつけ始める。(座標平面がまだ不慣れなら、まず座標平面を確認しよう。)

30.1.1 解析幾何のアイデア

ポイントを一文にまとめると、こうだ。直角に交わる 2 本の数直線 — x 軸y 軸 — を引けば、平面上のすべての点が一意な住所 (x, y) を持つ:横にいくら、縦にいくら。点は数の組であり、数の組は点だ。同じものを 2 通りの目で見ているにすぎない。

この橋が架かると、すぐに 3 つの変換が起きる:

キーアイデア — 図形が方程式になる

は数の組 (x, y) だ。
図形(直線・円・曲線)は、その住所が 1 つの方程式を満たす点の集合だ。
幾何の問い(「垂直か?どこで交わるか?どのくらい離れているか?」)は計算で解ける代数の問題になる。

この最後の行が、ステージ全体のエンジンだ。「この三角形は直角三角形か?」という問いは、以前なら丁寧な図と定理が必要だった。今は 3 回の引き算と比較だけで済む。「道路が川と交わるのはどこか?」は「連立方程式を解く」になる。幾何は鑑賞する図形のギャラリーをやめて、動かせる計算機になる。このレッスンの残りでは、最も基本的な 3 つの計算 — 距離中点内分点 — を組み立て、前のステージのベクトルがひっそりと戻ってくる様子を示す。

すべての点はその住所だ。P(3, 2) は横に 3、縦に 2 を意味し、Q(−2, 3) は左に 2 の場所にある。破線のガイドが各座標を軸から直接読み取っている — 図と数は全く同じものだ。

30.1.2 2点間の距離

2 つの住所 P₁(x₁, y₁)P₂(x₂, y₂) を取る。一方から他方へ向かうには、常に 2 本の直線の脚を歩ける:まず横方向、次に縦方向。横の脚の長さは |x₂ − x₁|(x の変化量)、縦の脚の長さは |y₂ − y₁|(y の変化量)だ。この 2 本の脚は直角で交わる — そして P₁ から P₂ への直線距離はその直角三角形の斜辺になる。

これはまさに三平方の定理(ステージ 15)の設定だ:斜辺の二乗は 2 辺の二乗の和に等しい。したがって

キーアイデア — 距離の公式

|P₁P₂| = √( (x₂ − x₁)2 + (y₂ − y₁)2 )

直線距離は「横の変化量の二乗と縦の変化量の二乗の和」の平方根だ。どちらの点を先にしてもかまわない — 差は二乗されるので符号は消える。

例題

A(1, 1) から B(4, 5) へ:横の変化量は x₂ − x₁ = 4 − 1 = 3、縦の変化量は y₂ − y₁ = 5 − 1 = 4。よって
|AB| = √(32 + 42) = √(9 + 16) = √25 = 5
きれいな 3-4-5 の直角三角形 — 冒頭のヒーロー図がまさにこれを示している。

注意 — 二乗して足す、マンハッタン距離ではない

距離は √(Δx2 + Δy2) であり、|Δx| + |Δy| ではない。2 辺を足す(3 + 4 = 7)のはグリッドに沿って角を曲がるマンハッタン距離だ — 遠回りになる。直線はそこを斜めに切るので常に短い:ここでは 7 ではなく 5 だ。二乗して、足して、それから根をとること。

試してみよう 距離エクスプローラー — B を動かして辺と距離を観察しよう
A(1, 1) を固定したまま B を動かそう。破線の横の辺縦の辺が脚で、緑の線分が直線距離だ。すべての数値は √(Δx² + Δy²) で計算されており、図から読み取ったものではない。
B の横方向 (x) 4
B の縦方向 (y) 5

30.1.3 中点と内分点

次は「線分 P₁P₂ の中点はどこか?」という問いだ。中点は横方向にも縦方向にもちょうど真ん中なので、各座標は 2 つの平均にすぎない:

キーアイデア — 中点

M = ( x₁ + x₂2 , y₁ + y₂2 )

x の平均をとり、y の平均をとる。A(1, 1)B(4, 5) の中点は M( (1+4)/2 , (1+5)/2 ) = (2.5, 3)

中点はより柔軟なアイデアの特殊ケースだ。ちょうど真ん中ではなく、A から B への線分を AP : PB = λ : 1(λ は「ラムダ」と読む)に分ける点 P が欲しいとしよう。P を B に近づけるほど λ は大きくなり、A に引き戻すほど小さくなる。その内分点の座標は加重平均になる:

キーアイデア — 内分点

P = A + λB1 + λ   ⟶   P = ( x₁ + λx₂1 + λ , y₁ + λy₂1 + λ )  (AP : PB = λ のとき)

λ = 1 のとき 2 つの重みが等しくなり、この式は普通の中点 (A + B)/2 に崩れる — 中点とは「1 : 1 に分ける」ことだ。

注意 — 中点は平均であり、引き算ではない

驚くほど多くのミスが 2 つの公式の混同から来る。距離は座標のを使う(そして二乗する)。中点は座標のを使う(そして半分にする)。中点の公式にマイナス符号を書いたら止まること — そこはプラスのはずだ。

試してみよう 中点・内分点ファインダー — 比 λ をスライドさせよう
A は (−3, −1) に固定されている。ステッパーで B を動かし、λ をスライドさせよう。緑の点 P が AP : PB = λ になるよう AB を分ける。λ = 1 のとき中点に着地する。座標は P = (A + λB)/(1 + λ) から計算される。
B の横方向 (x) 5
B の縦方向 (y) 3
比 λ

30.1.4 ベクトル、平面に戻る

前のステージではベクトルを 3 次元へ持ち出した。それをページに平らに戻すと、再び単純な組 (a, b) になる — そしてその組は美しい二重の命を持つ。P₁(x₁, y₁) から P₂(x₂, y₂) への矢印 P₁P₂ は、まさに自分が歩く変位だ:横にいくら、縦にいくら。

キーアイデア — 矢印は住所の差

P₁P₂ = (x₂ − x₁, y₂ − y₁)

始点から終点へ、座標ごとに引き算する。そしてその長さは §30.1.2 の距離にほかならない:|P₁P₂| = √((x₂−x₁)2 + (y₂−y₁)2)。変位ベクトルと距離は同じ事実を、数ではなく矢印で語ったものだ。(ベクトルの座標も参照。)

これは単なる偶然ではない。その矢印は長さとともに方向も持っている — そして方向は、次のレッスンが示すように、直線の傾きを決定するものだ。組 (x₂ − x₁, y₂ − y₁) は「縦の変化量÷横の変化量」の種だ。つまり、今距離を測るためにした地味な引き算は、§30.2 · 直線の傾きと方程式ですべての直線を確定する引き算と、ひっそり同じものなのだ。

P₁(−3, −1) から P₂(2, 3) への変位矢印 P₁P₂ は (2 − (−3), 3 − (−1)) = (5, 4):横に 5、縦に 4。その長さ √(52 + 42) = √41 ≈ 6.40 は距離の公式と一致する — そしてその傾きは次のレッスンへつながる。

まとめ — 持ち帰るべきこと

4 つの小さな計算、すべて 1 つのアイデアから — 点はその住所 (x, y) だ:

求めたいもの公式それは…
距離 |P₁P₂|√( (x₂−x₁)2 + (y₂−y₁)2 )三平方の定理の斜辺
中点 M( (x₁+x₂)/2 , (y₁+y₂)/2 )住所の平均
内分点 P  (AP:PB = λ)(A + λB)/(1 + λ)加重平均(λ=1 → 中点)
変位 P₁P₂(x₂−x₁, y₂−y₁)矢印;その長さが距離

距離は引いてから二乗する;中点は足してから半分にする。この 2 つを区別できれば、解析幾何の残りはついてくる。

練習問題

  1. P(−2, 1)Q(4, 9) の距離を求めよ。
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    横の変化量 = 4 − (−2) = 6;縦の変化量 = 9 − 1 = 8。|PQ| = √(62 + 82) = √(36 + 64) = √100 = 10。(6-8-10 の直角三角形、3-4-5 を 2 倍したもの。)
  2. A(−5, 2)B(3, −6) を結ぶ線分の中点を求めよ。
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    各座標の平均をとる:M = ( (−5 + 3)/2 , (2 + (−6))/2 ) = ( −2/2 , −4/2 ) = (−1, −2)。内側のプラス符号に注目 — 平均であり、引き算ではない。
  3. M(3, −1) が線分 AB の中点で、A(0, 2) のとき、B を求めよ。
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    M = ((x₁+x₂)/2, (y₁+y₂)/2) より、x₂ = 2·3 − 0 = 6、y₂ = 2·(−1) − 2 = −4。よって B(6, −4)。(中点は A と B の平均なので、B は「M の 2 倍 − A」。)
  4. A(1, 2)B(7, 8) を端点とする線分 AB 上の点 P で、AP : PB = 2 : 1 に内分する点を求めよ。
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    λ = 2 とおく。P = (A + λB)/(1 + λ) = ( (1 + 2·7)/3 , (2 + 2·8)/3 ) = ( 15/3 , 18/3 ) = (5, 6)。AP : PB = 2 : 1 なので、P は A から B への道の 3 分の 2 の地点にある。
  5. 頂点 A(0, 0)B(4, 0)C(0, 3) の三角形が直角三角形であることを示し、最も長い辺を求めよ。
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    |AB| = √(42 + 02) = 4;|AC| = √(02 + 32) = 3;|BC| = √((0−4)2 + (3−0)2) = √(16 + 9) = √25 = 5。32 + 42 = 9 + 16 = 25 = 52 が成り立つので三平方の定理が確認でき、A の角は直角だ。最も長い辺は BC = 5(斜辺)。
  6. A(−1, 4)B(3, −2) に対して変位ベクトル AB を書き、その長さが |AB| に等しいことを確認せよ。
    解答を見る
    AB = (3 − (−1), −2 − 4) = (4, −6):横に 4、縦に −6。長さは √(42 + (−6)2) = √(16 + 36) = √52 = 2√13 ≈ 7.21 — A と B に距離の公式を使った値とまったく同じ。矢印と距離は同じ事実だ。

🎯 クイックチェック

6 問で定着させよう。正しいと思う答えをタップしてみよう。

§ 指導者・保護者の方へ

このレッスンはステージ 30(解析幾何)の冒頭として、座標法そのものを確立する:点を順序対として捉え、3 つの基本計算 — 距離・中点・内分点 — を学ぶ。HSG-GPE.B.7(距離の公式で周長・面積を計算する)、HSG-GPE.B.6(与えられた比で線分を分ける点を求める)、HSG-GPE.B.4(座標を使って三角形が直角かどうかなど幾何的事実を証明する)に直接対応している。距離の公式はグリッド上に適用した8.G.B.8 / HSG-SRT の三平方の定理であり、変位ベクトルの見方は前ステージの HSN-VM.A につながる。補助的な代数 — 平方和の平方根の評価と加重平均の形成 — は HSA-REI の推論を練習する。生徒には声に出して推論するよう促してほしい:公式を述べ、引き算か平均を示し、結論を書く。2 つのインタラクティブな図はすべての長さと点を公式から計算しており(図から読み取っていない)、図と代数は常に一致しなければならないことを強調する。

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