中心ひとつ、距離ひとつ — あらゆる図形の中でもっとも対称的な形と、その最初の定理。
糸の一端を机に固定し、もう一端に鉛筆を当てて引っ張り、一周させてみてください。鉛筆が描く跡はすべて、固定点から等しい距離にあります。この「一点から同じ距離」というただ一つのルールが円の完全な定義であり、円があらゆる幾何学的図形の中でもっとも対称的である理由です。円はどれだけ回しても折り返しても変わりません。その対称性から、最初の円の定理が自然に導かれます — 垂直に降ろした線が弦をちょうど半分に分けるという、すっきりした定理です。ピタゴラスの定理と組み合わせれば、一部しか見えない円の半径まで求められます。
円とは、平面上の一定点から一定の距離にあるすべての点の集まりです。その定点を中心(Oと書きます)、一定の距離を半径(rと書きます)といいます。円全体を⊙O(「円O」と読みます)と表します — 中心と半径がわかれば円は決まります。
コンパスはまさにこの定義を金属で実現したものです。針の先が中心O、開いた幅が半径rです。鉛筆の脚が回るとき、針からの距離は変わらないため、Oから等距離の点だけが描かれます。円周上のどの点へ引いても、半径の長さは常にrです。この変わらない一つの長さが、この章のすべての土台です。
「半径」という言葉は二つの意味を持ちます。中心から円周上の点への線分、そしてその線分の長さです。「半径を引く」なら線分のこと、「半径は5」なら数値のことです。同じ言葉で両方の意味があります — 文脈で判断しましょう。
この章を通して使う用語をまとめます。弦とは、両端が円周上にある線分です。弦を中心を通るように動かすと、弦の中で最も長いものになります。これが直径です。直径は半径二本を繋いだ長さなので、
d = 2r (直径は半径の2倍)。
円周の一部 — 曲線の部分 — を弧といいます。円周上の2点が弧を二つに分けます。短い方を劣弧、長い方を優弧といいます。2点が直径の両端であれば、二つの弧は等しい半分になり、それぞれを半円といいます。
直径は弦の一種です — 中心を通る特別な最長の弦にすぎません。ただし逆は成り立ちません:すべての弦が直径であるわけではありません。弦が「直径」と呼ばれるのは、Oを通るときだけです。
円を回転台の上に置き、一点に印をつけて回してみましょう。7°でも、90°でも、158.4°でも — どんな角度でも、円はぴったり元の形に戻ります。動かしたことさえわかりません。これをどんな角度でも実現する図形は円だけです。円は中心まわりの任意の角度の回転対称性を持ちます。
折り返しに対しても同様です。中心Oを通る任意の直線を折り目として紙を折ると、円の二つの半分がぴったり重なります。このような折り目を対称軸といい、Oを通るすべての直線 — つまりすべての直径 — が対称軸になります。正方形の対称軸は4本、正三角形は3本ですが、円の対称軸は無数にあります。各直径について一本ずつ存在するからです。
この完全な対称性は美しいだけでなく、この章の定理が見事に成り立つ理由でもあります。図形を自分自身に折り重ねたり回転させたりできるとき、位置が入れ替わる部分は等しくなければなりません。この考え方は次の節で早速使います。
これが円の最初の定理であり、今見た対称性から直接導かれます。任意の弦 AB を取り、中心 O からその弦へ垂線を下ろし、交点を M とします。主張は簡潔です:
OM ⊥ AB ⇒ AM = MB (中心からの垂線は弦を二等分する)。
なぜ成り立つのでしょうか?OをAとBに結ぶと、OA = OB = r(どちらも半径)、辺 OM は二つの小さな三角形に共通、Mでの角度はどちらも直角です。よって直角三角形 △OMA と △OMB は HL(斜辺と一辺)で合同となり、対応する辺は等しいので AM = MB です。OMを折り目にして折ると AがBに重なります — 対称性から見た同じ事実です。
弦に関する三つの性質はセットで成り立ちます:中心を通る・弦に垂直である・弦を二等分する(さらに弦の弧も二等分する)。このうち任意の二つが成り立てば三つ目も成り立ちます。直線がOを通り弦に直交するなら、必ず弦を半分にします。弦を二等分するなら、必ずOを通ります。
この垂線は弦を分けるだけでなく、直角三角形を作ります。そしてそれは解ける三角形です。△OMA を見てみましょう:一方の脚は OM(中心から弦までの距離)、もう一方の脚は AM(弦の半分)、斜辺は OA = r です。ピタゴラスの定理より、
r² = OM² + (½ chord)²
この関係式が半径・弦・弦と中心の距離を結びつけます — 二つがわかれば三つ目が求まります。
長さ 16 の弦が中心から 6 の距離にあります。円の半径はいくつですか?弦の半分は 8 なので、
r = √(8² + 6²) = √(64 + 36) = √100 = 10。
逆に確かめると:半径 10、弦 16(半弦8)のとき、弦と中心の距離は OM = √(10² − 8²) = √(100 − 64) = √36 = 6。有名な 6–8–10 直角三角形が円の中に隠れていました。
このレッスン全体を支えるルールは一つ:円とは中心 O から一定の距離 r にあるすべての点(⊙O と書く)です。そのルールから:
半径 5 の円の直径はいくつですか?
d = 2r = 2 × 5 = 10。
円の中で引ける最長の弦は何ですか?その特徴も答えましょう。
直径 — 中心 O を通る弦であり、他のすべての弦よりも長いものです。
長さ 24 の弦が中心から 5 の距離にあります。半径を求めましょう。
O からの垂線が弦を二等分するので、半弦は 12。r² = OM² + (½ chord)² = 5² + 12² = 25 + 144 = 169 より r = √169 = 13。(5–12–13 直角三角形です。)
半径 10 の円に長さ 16 の弦があります。弦は中心からどれだけ離れていますか?
半弦 = 8 なので、OM = √(r² − (½ chord)²) = √(10² − 8²) = √(100 − 64) = √36 = 6。
円の対称軸は何本ありますか?またその理由も答えましょう。
無数にあります — すべての直径が対称軸だからです。中心 O を通る任意の直線で折ると二つの半分がぴったり重なるため、Oを通る直線はすべて対称軸であり、それは無数にあります。
中心からの垂線が弦と M で交わり、AM = 7 です。弦の全体の長さはいくつですか?
中心からの垂線は弦を二等分するので MB = AM = 7。よって弦 AB = 7 + 7 = 14。
6問で理解を確認しましょう。正しいと思う答えをタップしてください。
このレッスン全体は一つの定義 — 円とは、中心から一定の距離 r にある点の集まり — とそこから生まれる対称性の上に成り立っています。学習者が「半径・弦・直径を指し示しながらその文を言える」なら語彙は身についています。そして対称性(任意の角度の回転対称性、すべての直径に沿った線対称性)があるからこそ、最初の定理が暗記でなく必然として感じられます。OMを折り目にして折ると AがBに重なる、という実感です。
直接指摘しておく価値のある誤解が二つあります。第一に、学習者は「半径」を数字だけと考えがちです。線分と長さの両方を指すことを繰り返し確認しましょう(直径も同様)。第二に、直径を弦とは別物と思ったり、一部の直径だけが対称軸と思ったりすることがあります — 直径は最長の特別な弦であり、すべての直径が対称軸であることを強調してください。ピタゴラスの定理のステップ(r² = OM² + (½ chord)²)は Stage 15 で学んだ直角三角形の推論が円の中に現れたものです。
Common Core: 7.G.B.4(円の部位と語彙)、G-C.A.1(すべての円は相似 — 一つの定数 r がすべてを支配する理由の種)、G-C.A.2(弦と半径の関係の特定と利用;弦の垂直二等分線は中心を通る)。