「誰を選んだか」だけ残し、順序は捨てる――並べ方を割り戻せばよい。
前の授業では人を一列に並べた。順序が意味を持ち、A–B と B–A は別の写真だった。でも日常の「何通り?」という問いの多くは、順序を気にしない。握手は誰が先に手を差し出しても同じ握手だ。委員会の 3 人は、誰を最初に呼んでも同じ委員会だ。カードの手札は、どんな順に配られても同じ手札だ。グループが決まれば終わり――順序を入れ替えても新しい結果にならない――そのときに数えているのは順列ではなく組み合わせだ。コツはとても単純:すでに知っている「順序ある並び」を数え、あとで順序を割り戻すだけでいい。
3 人の友人 ――アン、ベン、カーラ―― から 2 人を選んで旗を持たせるとする。選び方を列挙すると:{アン, ベン}、{アン, カーラ}、{ベン, カーラ}。以上 3 組だ。書かなかったのは:{ベン, アン} は 4 番目の組ではなく、全く同じ 2 人だからだ。グループが決まれば、誰を最初に呼んだかは関係ない。
それが核心だ。組み合わせとは順序のない選択――誰を選んだかだけを残し、並び順を捨てる。C(n, m) と書き、n 個から m 個を n 個の中から順序なしで選ぶ方法の数を表す(電卓では ₙCᵣ ボタン、口頭では「n から m を選ぶ」と言う。教科書によっては縦に 2 数を並べた括弧で書く)。順序があった順列 P(n, m) と比べてみよう。
組み合わせとは順序を捨てた選択だ。C(n, m) は、選んだ m 人の並び替えが新しい選択を生まないとき、n 人から m 人を選ぶ方法の数を数える。握手・委員会・手札・宝くじ・部分集合――すべて組み合わせだ。
ここが美しい部分だ。順序ある選び方は既に知っている:P(n, m) 通りの並び。そして m 人から成る委員会は、それら並びの中にちょうど m! 回登場する――同じ m 人を並べ替える方法の数だけ。つまり順序ある数は m! 倍多い。順序なしの数を得るには、m! で割る:
C(n, m) = P(n, m)m! = n!m! (n − m)!
3 人の例で確かめよう。順序あり:P(3, 2) = 3 × 2 = 6 通り。でも各ペアは 2! = 2 回(AB と BA)カウントされているので、C(3, 2) = 6 / 2 = 3――さっき列挙した 3 組と一致する。大きめの例:5 人から 3 人を選ぶと、P(5, 3) = 5 × 4 × 3 = 60 通り。各委員会が 3! = 6 回登場するので、C(5, 3) = 60 / 6 = 10。
委員会を求めるのに P(n, m) を使うと、各委員会を m! 回数えてしまう。委員会に議長も副議長もない――順序は不要だ。並び方を消すために必ず m! で割ること。
有名な例:ポーカーの手札は 52 枚から 5 枚を選ぶ。配られる順序は無関係だから、異なる手札の数は C(52, 5) = 2,598,960――たった一つの割り算から 250 万通り以上が生まれる。
m 人を含める選択は、残り n − m 人を外す選択とまったく同じ行為だ――片方を決めればもう片方も決まる。だから 2 つの数は等しくなる:
C(n, m) = C(n, n − m)
たとえば C(7, 2) = 21、C(7, 5) = 21――2 人を残す選択と 5 人を外す選択は同じ数だ。これは便利な近道でもある:C(20, 18) を求めたければ、計算しやすい双子 C(20, 2) = 190 を使えばよい。
今、新参者が n 人のグループに加わり、計 n + 1 人から m 人の委員会を作りたい。重複しない 2 つの場合に分ける:
互いに重複しない場合を足す(32.1 の加法原理)と、数学でも特に美しい式が得られる:
C(n + 1, m) = C(n, m) + C(n, m − 1)
各「選ぶ」数は上の 2 つの和になる。確認しよう:C(6, 2) = 15、そして C(5, 2) + C(5, 1) = 10 + 5 = 15。この「上の 2 つを足す」パターンがまさにパスカルの三角形――次の授業 32.4 · 二項定理 の核心だ。
初心者はどちらの公式を使うか悩む。毎回きっぱり解決できる判定が 1 つある:
「選んだものの順序を入れ替えても、結果は同じか?」
「委員会に 3 人選ぶ」――入れ替えても同じ委員会 → C(n, 3)。「会長・書記・会計に 3 人選ぶ」――入れ替えると役職が変わる → P(n, 3)。「5 枚の手札を配る」→ 組み合わせ。「3 桁の暗証番号を異なる数字で作る」→ 順列。同じ人・同じ数字でも、並びに意味があるかどうかだけが違う。
{A, B} と {B, A} を別々の委員会として数えるのは、組み合わせのふりをした順列の誤りだ。入れ替えても新しいものが生まれないなら、必ず順序を割り戻すこと。
実際の問題には条件がつく:「この人は必ずチームに入れる」「上級生は多くとも 1 人まで」。ほぼすべてに対応できる 2 つの確実な手法がある。
8 人のクラブで 3 人の委員会を作る。アンは必ず入るとする。まずアンを確定――その席は決まった。残り 2 席を他の 7 人から選ぶ:C(7, 2) = 21 通り。(「必ず外す」も同じ考え:その人を除いて残りから選ぶ。)
2 人の上級生と 6 人の下級生から 4 人のチームを作る。条件は上級生は多くとも 1 人。2 通りの方法で数えられる。
場合分けで直接数える(重複しない可能性を足す):
合計 = 15 + 40 = 55。
全体 − 悪いもの(全部数えて条件を破るものを引く):
合計 = 70 − 15 = 55――同じ答えに、逆から到達した。場合の数が少ない方の方法を選ぼう。
条件が「少なくとも 1 つ」のとき、全体 − 悪いものが最短になることが多い:全選択を数え、必要な種類がゼロのものを引くだけ。場合分けを積み重ねるより引き算 1 回で終わる。
最後のアイデア、そして人が滑りやすい場所だ。4 人を2 人ずつ 2 グループに分けるとしよう。C(4, 2) · C(2, 2) = 6 × 1 = 6 と計算したくなるかもしれない。しかし 2 つのグループはどちらも 2 人でラベルなし――{A,B} と {C,D} に分けることは {C,D} と {A,B} に分けることと同じ分け方だ。各分け方を 2 回数えてしまった。等しい山が 2 つあるので 2! で割る:
C(4, 2) · C(2, 2)2! = 6 · 12 = 3
ルール:サイズが等しく交換可能なグループを複数作るとき、等しい山の数の階乗で割る。6 人を 2 人ずつ 3 つの等しい山に分けるなら:C(6,2)·C(4,2)·C(2,2) / 3! = (15 × 6 × 1)/6 = 15 通り。
山が区別できる場合――3 人に渡す、または部屋 A / B / C とラベルがある――は割ってはいけない。山の間の順序が意味を持つからだ。6 人を 2 人ずつ 3 つの名前付き部屋に分けるなら C(6,2)·C(4,2)·C(2,2) = 90。追加で割るのは同一・無名の山だけ。
| 状況 | やること | 理由 |
|---|---|---|
| n から m を選ぶ、順序不問 | C(n, m) = P(n, m)/m! = n!/(m!(n−m)!) | 各委員会が並び方として m! 回数えられるので割り戻す |
| 「含める」と「外す」を入れ替える | C(n, m) = C(n, n − m) | 含める人を選ぶことが外す人を決めること |
| 新参者が入るか入らないか | C(n+1, m) = C(n, m) + C(n, m−1) | パスカルの「上の 2 つを足す」→ 32.4 |
| 順列か組み合わせか? | 順序を入れ替えて――同じ結果? → C。違う結果? → P | 常に機能する唯一の判定法 |
| 必須メンバーがいる | 先に確定させ、残りを選ぶ | 1 席固定 → C(n−1, m−1) |
| 「多くとも / 少なくとも k」 | 場合分け(足す)または 全体 − 悪いもの | 場合の数が少ない方法を選ぶ |
| 等しく交換可能な山 | (等しい山の数)! で割る | 同一の山を二重に数えてしまうため |
10 人のクラスから 4 人の代表団を選んで会議に派遣する(特別な役割なし)。何通りの代表団ができるか?
同窓会に 9 人が集まり、全員が互いに 1 回ずつ握手する。握手は全部で何回か?
両方を計算せずに、なぜ C(20, 17) = C(20, 3) になるかを説明し、その値を求めよ。
8 人から 3 人の委員会を選ぶ。マリアは必ず含める。何通りか?
2 人の上級生と 6 人の下級生から 4 人のチームを作る。条件は少なくとも 1 人の上級生。何通りか?(全体 − 悪いものを使うこと。)
6 人のプレイヤーをダブルス試合のために 2 人ずつ 3 チームに分ける(チームに名前やランクはない)。何通りか?
6 問で定着させよう。正しいと思う答えをタップしよう。
この授業では、組み合わせを「順列から順序を割り出した選択」として構築する――C(n, m) = P(n, m)/m! = n!/(m!(n−m)!)――そして対称性 C(n, m) = C(n, n − m) と パスカルの漸化式 C(n+1, m) = C(n, m) + C(n, m−1)(Stage 32.4 の二項定理への橋)を展開する。CCSS HSS-CP.B.9 ――順列と組み合わせを使って複合事象の確率を計算し問題を解く――を直接支援し、「入れ替えると結果が変わるか?」という 1 つの問いで、学習者がどちらの公式を選ぶかを確実に判断できるようにする。おすすめのフォローアップ:学習者に、全く同じ人を使って「C が必要な状況」と「P が必要な状況」を 1 つずつ発明させ、どちらを入れ替えると変わるかを声に出して言わせてみよう。