順序も大事なとき:並べて、縮んでいく選択肢を掛け合わせよう。
前のレッスンで、手順を掛け合わせることでリストを書かずに数える方法を学んだ。ここではその考えを使って、どこにでも登場する問いに取り組む:n 個の中から m 個を選び、順番に並べると何通りあるか? 順序が重要なとき、AB と BA は一つではなく二つの異なる答えだ。順序付きの選び方を順列と呼び、その数は縮んでいく選択肢のリレーに過ぎない:最初のスロットに n 通り、次に n−1 通り、と続く。それを掛け合わせればすべてがわかる — すっきりした公式と「最後まで掛け続ける」ことを意味する階乗、そして「誰かが先頭に来なければならない」「二人は必ず隣り合う」「数字はゼロから始められない」といった問題を解く戦略も身につく。
3人のランナー — A、B、C — がレースでゴールする。審判は1位、2位、3位を読み上げる。「A、B、C」という結果と「B、A、C」は同じか? もちろん違う — 金メダルの持ち主が変わる。選んだものの順序に意味があるとき、並べ方それぞれが独立した結果となる。
順列とは順序付きの選び方だ:いくつかのものを選び、かつそれらを一列に並べる。順序が重要なので AB ≠ BA — 二つを入れ替えると本当に別の順列になる。n 個の異なるものから m 個の順序付き場所を埋める方法の数を P(n, m) と書く。
3人全員を並べると6通りの順位になる:ABC, ACB, BAC, BCA, CAB, CBA。3通りではなく6通り — 順序が答えの一部だからだ。以下にそれらをすべて示す。同じ3文字を違う順に並べたものが、それぞれ一つの順列であることに注目しよう。
では仕組みを見ていこう。n 個のものから m 個の順序付き場所を埋めるには、場所を一列のスロットと考え、左から右へ一つずつ決めていく — これはまさに 32.1 で学んだ積の法則だ。
最初のスロットには n 個どれでも入れられる。一つ埋まると一つ使われるので、次のスロットには n−1 個しか残らない。3番目は n−2 個、と続く。m 個のスロットを埋め終わると、m 個の因数をはぎ取ったことになり、それぞれ一つずつ小さくなっている:
P(n, m) = n · (n−1) · (n−2) · … · (n−m+1)
最後の因数を確認しよう:m−1 個使った後の残りは n−(m−1) = n−m+1 個だ。つまり順列の数は常にm 個の縮んでいく因数の積であり、最大の因数は n だ。5個から3つの場所を選ぶと:P(5, 3) = 5 · 4 · 3 = 60 — 5から始まる3つの因数。
10 人のクラブで会長と副会長を選ぶ — 役割が異なるので順序付きの2つのポストだ。P(10, 2) = 10 · 9 = 90。会長に10通り、副会長に残り9通り;合計90通りの組み合わせ。
n 個すべてを一つも残さず並べるとどうなるか? その場合 m = n となり、縮んでいく因数は最後の1まで続く:
P(n, n) = n · (n−1) · … · 2 · 1 = n!
この積には名前がある:n の階乗、本物の感嘆符を使って n! と書く。したがって P(4, 4) = 4! = 24、P(3, 3) = 3! = 6 — ちょうど先ほど挙げた A、B、C の6通りの並び方だ。階乗は驚くほど速く増える:5! = 120、10! = 3,628,800。
取り決めとして 0! = 1 とする。奇妙に見えるが、公式を例外なく成り立たせる:何もない状態を「並べる」方法はちょうど1通り(何もしない)であり、下の公式は 0! = 1 のときだけ例外なく機能する。
部分積と全積を比べてみよう。P(n, m) の縮んでいく因数は n! の上の部分 — n−m+1 で止まり、切り落とされる部分がちょうど (n−m)! だ。この残りで掛けて割れば、全体が一つのすっきりした閉形式に収まる:
P(n, m) = n(n−1)…(n−m+1) = n!(n−m)!
P(5, 3) で確かめよう:5!2! = 120/2 = 60。スロット積と同じ60 — (n−m)! で割ることで使わなかった因数がちょうど消える。(電卓では nPr ボタン;教科書によっては A(n, m) や Anm と書くこともあるが、同じ数だ。)
実際の問題には条件がつく:「キャプテンが先頭に来なければならない」「彼女は最後になれない」「この席は予約済みだ」。基本戦略は常に同じ — 厄介な場所や人を先に処理する、選択肢が最も少い間に。その後、残りを普通の順列で並べる。
5人の生徒が写真撮影のために並ぶ。A はどうしても一番前に立ちたい。まず A の場所を決める:1 通りだけ。残り4人が残り4つの場所を自由に埋める:P(4, 4) = 4! = 24。合計 = 1 × 24 = 24。
同じ5人の生徒だが、今度は A が最後になりたくない。一番スッキリした方法は全体から悪いものを引くことだ。全並び方:5! = 120。禁止されているのは A が最後の並び方 — その場所を固定し、他の4人を並べる:4! = 24。よって答えは 120 − 24 = 96。
どちらの方法も同じ直感を持つ:制約条件が邪魔する前に対処する。特別な場所を固定するか、ルールを破る並び方を引くか — 数えやすい方を選ぼう。
2つの条件が非常によく出てくるので、それぞれ戦略を覚えておこう。
2人が隣り合って立たなければならない場合、2人を一つのブロックとしてまとめ、ブロックを並べる。次に、ペアはブロック内で2通りの向きを取れることを覚えておき、ブロック内部の並び方を掛ける。
A, B, C, D を並べるとき C と D が隣り合う場合。[CD] を一つのものとして扱う:今は3つのもの — A、B、[CD] — を 3! = 6 通りに並べる。ブロック内は CD または DC:2! = 2 通り。掛け算:6 × 2 = 12。
2人が隣り合ってはいけない場合、まず他の全員を先に座らせると、その間や前後に隙間ができる。次に2人を別々の隙間に入れる — 2人は区別があり隙間も異なる位置なので順序が重要、つまり隙間の順列を使う。
同じ4文字で C と D を離す場合。A と B を座らせる:2! = 2 通り。すると 3 つの隙間ができる — _ A _ B _ — そこに C、D を順序付きで2つの異なる隙間に入れる:P(3, 2) = 3 · 2 = 6。掛け算:2 × 6 = 12。
4文字の並べ方はすべて C, D が隣り合うか離れるか — 両方同時はなく、どちらでもないこともない。だから隣り合う + 離れる = 全並び方のはずだ:12 + 12 = 24 = 4!。確認できた。✓
最も豊かな順列パズルはいくつかの条件が重なる。古典的なのは数字から数を作る問題だ。各桁の場所はスロットなので順列になる — ただし数には文字にはない隠れたルールがある:数はゼロから始められない。罠は、それを忘れて 0 を合法的な先頭の数字として数え、多く数えすぎることだ。
「032」は本当の3桁の数ではない — 単に迷子のゼロがついた32だ。だから数字→数の問題では最初のスロットが特別:他より先に処理して、0 をそこに置かせないようにしよう。
{1, 2, 3, 4, 5} の数字を使って、繰り返しなしで作れる3桁の数は何通りか? どこにもゼロがないので最初のスロットに特別なことはない — 普通の順列だ:P(5, 3) = 5 · 4 · 3 = 60。
今度は数字 {0, 1, 2, 3, 4} を使い、繰り返しなしの3桁の数を作る。先頭のスロットを先に決める。0 は使えないので 4 通り(1〜4)。残り2つのスロットは残った4つの数字(今度は0も含む)から順番に選ぶ:P(4, 2) = 4 · 3 = 12。掛け算:4 × 12 = 48。
全体から悪いものを引くで確認:0が先頭に来てもよいと仮定すると P(5, 3) = 60;0が先頭のものを引く。0を先頭に固定して残り4つから2つを並べると P(4, 2) = 12。よって 60 − 12 = 48。同じ答え。✓
複合問題の全技法はこれだ:各条件を読み、どのスロットを制約するかを決め、そのスロットを先に埋める。特別な場所が決まったら、残りは普通の P(n, m) だ。
| 考え方 | 公式/戦略 | 簡単な例 |
|---|---|---|
| n 個から m 個の順序付き選択 | P(n, m) = n(n−1)…(n−m+1) | P(5, 3) = 5·4·3 = 60 |
| 閉じた形式 | P(n, m) = n! / (n−m)! | 5!/2! = 120/2 = 60 |
| 完全順列 | P(n, n) = n!, 0! = 1 | P(4, 4) = 4! = 24 |
| 特別な場所/人 | 先に決めてから P(残り) | A が先頭:1 × 4! = 24 |
| 隣り合わなければならない | ブロックとしてまとめ × 内部 | 3! × 2! = 12 |
| 離れなければならない | 残りを並べて隙間に入れる | 2! × P(3, 2) = 12 |
| 数字 → 数 | 先頭スロット ≠ 0、先に決める | {0–4}: 4 × P(4, 2) = 48 |
覚えておく一文:順列は順序付きの選択であり、その数は縮んでいく選択肢の積 P(n, m) = n!/(n−m)! だ。順序を取り除くと — AB と BA が同じ選択として数えられるとき — 組合せになる。それが次のレッスンのテーマだ。(「手順を掛け合わせる」がまだ新鮮に感じるなら2つの数え方の原理を見直そう。)
P(7, 3) を縮んでいく因数の積として、次に階乗の分数として計算せよ。
6 冊の異なる本を棚に一列に並べる方法は何通りあるか?
5人が一列に座る。A は必ず両端のどちらかに座らなければならない。座り方は何通りあるか?
4人の友達 A, B, C, D が一列に並ぶが、A と B はどうしても隣り合って立ちたい。並び方は何通りあるか?
{0, 1, 2, 3, 4, 5} の数字を使って、繰り返しなしで作れる3桁の数は何通りあるか?
5 人の生徒が一列に並ぶとき、A と B が隣り合わない並び方は何通りあるか?
6問で定着させよう。正しいと思う答えをタップしてみよう。
このレッスンは CCSS HSS-CP.B.9 — 順列と組合せを使って複合事象の確率を計算する — に向けて順列を発展させる。一貫したテーマは、順序付きの選択とは縮んでいく選択肢のスロットに積の法則を適用することであり、P(n, m) = n(n−1)…(n−m+1) = n!/(n−m)! が得られるということだ。公式を暗記するより各因数がなぜ縮むかを言葉で説明するよう促そう。制約問題では計算前に戦略の名前を言う習慣をつけさせよう(特別なスロットを先に決める・「隣り合う」はブロック・「離れる」は隙間・数字問題では先頭ゼロを防ぐ)。「隣り合う + 離れる = 全並び方」の確認は、自己修正できるよい習慣として定着させる価値がある。