Ⅰ 数と演算 · Stage 2 — 四則演算と概算 · 2.4 計算の法則全レッスン →EN日本語
Stage 2 · 四則演算と概算

計算の法則:
もっとかしこい算数

いくつかの法則を使えば、計算を「答えを変えずに」もっとかんたんな形に組み替えられる。

小学3〜6年生 · 数えることから微積分まで、一本の道

レジ係が「17 + 38 + 3 を暗算して」と言ったとしよう。左から順に計算するのは少し面倒だ。でも、173 を合わせるときれいな 20 になり、20 + 38 はすぐ計算できる。合計は変わっていない——ただ計算の順序を入れ替えただけだ。この小さな操作が許されるのは、計算の法則があるからだ。「いつ」順序を変えたり、まとめ直したり、分けたりしても答えが変わらないかを教えてくれる、いくつかのルールのことだ。これを知れば、のろい算数が賢い算数に変わる。

足し算と掛け算で使えるあらゆる暗算の工夫は、三つの法則に基づいている。これらはトリックではなく、足し算と掛け算の性質についての確かな事実だ。このレッスンでは三つすべてを学び、意図的に使えるようになる。そして——同じくらい大切なことだが——それらが成り立たない場面もはっきり見ていく。引き算や割り算に誤って当てはめてしまわないためだ。

1 + と × は順序を変えても結果が同じ

3 行 × 5 列の点があれば、合計は 15 個だ。同じ図を90度回すと 5 行 × 3 列になるが、点の数は変わらず 15 個だ。点は動いていない——見方が変わっただけだ。これが 交換法則だ:どんな二つの数でも、a + b = b + aa × b = b × a

物の集まりを合わせるとき、どちらを先に言っても結果は変わらないし、点の配列も「行」と呼ぶ辺をどちらにしても個数は同じだ。ステッパーを動かして、下の二つの配列がいつも一致することを確かめてみよう。

試してみよう 順序を入れ替える
a 3
b 5
ポイント

交換法則 =「順序を入れ替えてよい」。足し算と掛け算——二つの数が対等で入れ替え可能な役割を果たす演算——にだけ成り立つ。

2 どの二つから先にまとめても結果は同じ

三つの数を足すとき、一度に足せるのは二つずつなので、最初のペアを選ばなければならない。8 + 5 + 2 を足す場合、最初の二つを先に足す (8 + 5) + 2 でも、後ろの二つを先に足す 8 + (5 + 2) でも、合計は同じになる。これが 結合法則だ:(a + b) + c = a + (b + c)、掛け算でも同様に (a × b) × c = a × (b × c)

交換法則と結合法則は二人三脚で働く。合わせると、数の並びをどんな順序・どんなまとめ方でも足したり掛けたりできるということだ。この自由があるから、先に「きれいなペア」を探すことができる。

試してみよう 三つの数のまとめ方を変える
a 8
b 5
c 2

3 分配法則

三つ目の法則は掛け算と足し算をつなぐ。縦 a、横 (b + c) の長方形は、縦に切って横 b の部分と横 c の部分に分けられる。長方形全体の面積は a × (b + c)、二つの部分の面積はそれぞれ a × ba × c だ。同じ面積を表しているので、

a × (b + c) = a × b + a × c

これが 分配法則——掛け算が和に「分配」される。右から左に読んでも同様に使える:a × b + a × c は a × (b + c) にまとめ直せる。多桁の掛け算の仕組みはここにあり、代数でも再び登場する。長方形をスライドさせて分割を観察しよう。

試してみよう 長方形を二つに切る
a(高さ) 3
b 4
c 2
法則できること+×
交換法則順序を入れ替える
結合法則どの二つを先にまとめるか変える
分配法則因数を和に分配するa × (b + c)

4 かしこく計算する

いよいよ実践だ。それぞれの法則は、難しい計算をかんたんな計算に書き直す「許可証」だ。ここでは三つの定番の技を紹介する:

技を選んで、法則が計算を組み替えるようすを観察しよう。下に表示される答えは実際の計算結果で、二通りの方法で求めても一致することを確認できる。

試してみよう 計算の工夫を選ぶ
例題

8 × 23 を暗算するには、分配法則を使う:8 × 23 = 8 × (20 + 3) = 8 × 20 + 8 × 3 = 160 + 24 = 184。23 をきりのよい 20 と小さな 3 に分けることで、一つの難しい掛け算が二つの簡単な掛け算になる。

5 引き算と割り算には「法則」が成り立たない

すべての演算がこれらのルールに従うと思いたくなるが、そうではない。引き算と割り算には交換法則も結合法則も成り立たない。引き算では順序が「どちらから引くか」を決める:94 = 5 だが、49 はゼロより小さくなり、まったく違う結果だ。割り算では、12 ÷ 3 = 4 だが、3 ÷ 12 は四分の一にすぎない。順序を入れ替えると答えが変わってしまう。

まとめ方を変えても失敗する:(20 − 5) − 3 = 12 だが、20 − (5 − 3) = 18 だ。下のトグルを使って、二つの結果が一致しないことを確かめよう。

試してみよう 順序を入れ替えて——崩れるのを見る
注意

交換法則と結合法則は足し算と掛け算だけに成り立つ。順序を変えたりまとめ直す前に、関係するすべての演算が + か × であることを確認しよう。一つでも − や ÷ が混じっていたら、書かれた通りに計算しなければならない。

まとめ

練習問題

  1. 交換法則を使って 6 × 9 を別の掛け算として書き直し、値を求めよ。
    答え
    9 × 6 = 54(6 × 9 と同じ)。
  2. かしこく足そう:46 + 27 + 4。どのペアを先にまとめるべきか、また合計はいくつか。
    答え
    46 + 4 = 50 を先に計算し、次に 50 + 27 = 77
  3. 分配法則を使って 7 × 102 を計算せよ。
    答え
    7 × (100 + 2) = 700 + 14 = 714
  4. 4 でまとめることで 25 × 16 を求めよ。
    答え
    25 × 16 = 25 × 4 × 4 = (25 × 4) × 4 = 100 × 4 = 400
  5. (30 − 8) − 5 と 30 − (8 − 5) は同じか。両方計算せよ。
    答え
    (30 − 8) − 5 = 22 − 5 = 17 だが、30 − (8 − 5) = 30 − 3 = 27。等しくない——引き算には結合法則が成り立たない。
  6. 4 × 8 + 4 × 2 を一つの積として書き直し、値を求めよ。
    答え
    分配法則でまとめる:4 × (8 + 2) = 4 × 10 = 40

🎯 確認テスト

6問で定着させよう。正しいと思う答えをタップしてね。

§ 先生・保護者の方へ

補足

このレッスンは CCSS 3.OA.B.5 に定める演算の性質——交換・結合・分配の各法則を掛け算・割り算の方略として活用すること——を発展させる内容です。分配のモデル(面積を二つに分割する)は多桁の掛け算の基礎であり、後に代数の展開・因数分解にもつながります。第5節をあえて設けているのは、法則を引き算・割り算に過度に一般化する生徒が予測可能なミスを犯しやすいためで、それらの演算では順序の入れ替えやまとめ直しが答えを変えることを具体的に示すことが効果的だからです。

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