Ⅳ 関数 · Stage 25 — 三角関数 · 25.2 任意の角とラジアン全レッスン →EN日本語
Stage 25 · 三角関数

任意の角とラジアン

半直線をどの方向にも何回転でも回して、その回転量を弧で測ろう。

対象年齢 14〜18歳 · 一歩ずつ、丁寧に
正の x 軸からスタートし、反時計回りに回り続ける半直線 — すでに一周を超えている。角とは矢印も含めた回転の量そのものであり、単に二本の半直線の間の隙間ではない。

25.1 では角は直角三角形の二つの鋭角のうちの一つで、0° から 90° の間に閉じ込められていた。しかしその檻は狭すぎる。時計の針は 90° を超え、180° を超え、一周してまた回り続けるし、車輪は何千回転もする。三角関数で回転・振動・繰り返しを記述できるようにするため、角を回転として再定義しよう。半直線を正の x 軸に置き、そこから回す。反時計回りに回せばの角、時計回りならの角。400°、−30°、3 回転でもかまわない。そしてその回転を度よりはるかに自然な単位で測る — ラジアン。半直線が描く弧の長さそのものが角の大きさになる単位だ。

25.2.1 角を回転として捉える

原点から東向き(正の x 軸方向)に半直線を引く。これを始辺と呼ぶ。この半直線を原点を中心に回転させる。回転後の位置が終辺で、角とは始辺を終辺へ運ぶ「回転の量」そのものだ。

回転には二つの選択肢がある。一つ目は向き:反時計回りを、時計回りをとする。(象限の番号の付け方や、単位円での角の開き方と一致している。)二つ目は大きさ:半直線は 90° や 360° で止まらない。一周すると元の位置に戻るが、その間に 360° を掃いた。1 周と 10 分の 1 回転させれば 396° を掃いたことになる。こうして、回転角は何度でも — 小さくても大きくても負でも — かまわない。

同じ始辺からの三つの回転。+60° は少し反時計回りに回って第Ⅰ象限へ、−45° は時計回りに第Ⅳ象限へ、+210° は半回転を大きく超えて第Ⅲ象限へ。曲線矢印は終辺だけでなく回転の向きを示している。
ポイント

標準位置の角は、頂点が原点にあり始辺が正の x 軸上にある。角は始辺を終辺へ運ぶ符号付き回転量(反時計回りが正、時計回りが負)で、何度でもよい。

試してみよう 半直線を回して回転を観察しよう
−360° から 720° まで角を変えてみよう。掃いた弧に矢印がついているので回転の向きがわかる。下の表示に終辺が属する象限と、一つの同位角が表示される。
角度

25.2.2 象限と同位角

回転が止まると、終辺がどこに落ち着くかで象限がわかる。右上の領域(0° と 90° の間)なら第象限、左上(90°〜180°)なら第象限、左下(180°〜270°)なら第象限、右下(270°〜360°)なら第象限だ。0°、90°、180°、270° のように軸上にぴったり乗った角は象限角と呼ばれ、どの象限にも属さない。GX.quadrant は 1〜4 を返し、軸上のときは 0 を返す。

ここが面白い。一周 — 360° — 回すと半直線はもとの終辺に戻ってくる。つまり何周分かを足したり引いたりしても、回転の数は変わるが終辺の向きは変わらない。終辺を共有する角を同位角(共終辺角)という。たとえば

30°、  30° + 360° = 390°、  30° − 360° = −330°   はすべて同じ向き。

[0°, 360°) の範囲にある標準の同位角を求めるには、360° を足したり引いたりしてこの範囲に入れればよい — これが GX.coterminal の動作だ。同位角は終辺を共有するので、三角関数の値もすべて等しい:sin 390° = sin 30°。この事実こそが三角関数を周期関数にする理由で、25.4 のテーマだ。

一つの終辺、三つの名前。30°(少し反時計回り)、390°(一周多く回ってから)、−330°(時計回りに長い方を回る)— すべて第象限の同じ半直線に落ち着く。
例題

760° の終辺はどこ? 一周分を引いていこう:760° − 360° = 400°、まだ大きい;400° − 360° = 40°。よって 760° は 40° と同位角で、第象限に属する。では −100° は? 360° を足す:−100° + 360° = 260°、第象限だ。

25.2.3 ラジアン:弧そのものが角になる

度は歴史の偶然の産物だ — かつて誰かが一回転を 360 等分した。もっと本質的な単位がある。円そのものが示してくれる単位だ。半径 r の円の中心に立ち、角を開く。角は円上に弧を切り取る。では問おう:弧の長さは半径の何倍か? その数がラジアンによる角の大きさだ。

つまり 1 ラジアンとは、弧の長さがちょうど半径 1 個分になる角だ。一回転はどれくらいか? 円周全体は 2πr — すなわち 個分の半径の弧 — なので、一回転は 2π ラジアン。半回転は π ラジアン;90° の四分の一回転は π/2 ラジアン。この単位は無次元だ:弧長を半径で割るので r が消え、どんな大きさの円でも同じ角は同じラジアン値を持つ。

1 ラジアン ≈ 57.3°:(琥珀色)の長さが半径(青)と等しくなる角。円の周りにこのような半径分の弧が ≈ 6.28 個入るので、一回転は 2π ラジアンとなる。
ポイント

中心角のラジアン表示は(弧長)÷(半径)。円周 2πr は半径 2π 個分の長さなので、一回転 = 2π ラジアン。ラジアンは無次元 — 純粋な比だ。

25.2.4 度 ⇄ ラジアン

二つの単位をつなぐ橋は一つの等式だ:半回転は 180° であり、同時に π ラジアンでもある。よって

180° = π ラジアン

両辺を割ると換算係数が得られる。度をラジアンに変換するには π180 を掛け、ラジアンを度に変換するには 180π を掛ける。例えば 60° × π180 = π/33π/2 × 180π = 270°。これがそれぞれ GX.deg2radGX.rad2deg の動作だ。

よく使う角は掛け算九九のように覚える価値がある。パターンに注目:30°、45°、60° はそれぞれ π/6、π/4、π/3 — 分母の小さい π の分数 — で、象限角は π/2 のきれいな倍数になる。

30°45°60°90°120°135°180°270°360°
ラジアンπ/6π/4π/3π/22π/33π/4π3π/2
例題

225° をラジアンに変換:225 × π180 = 225π180 = 5π/47π/6 を度に変換:6 × 180π = 7 × 30° = 210°

試してみよう 度 ⇄ ラジアン 変換器
よく使う角を順番に見ていこう。下の表示に度、π の分数の正確な値、ラジアンの小数値が表示される — すべて計算値で、目測ではない。
角度 30°

25.2.5 弧長と扇形の面積

ラジアンはすぐに威力を発揮する。Stage 18 では扇形の弧長に 360° 分の何分の一という厄介な係数が必要だった。ラジアンを使えばすっきりする。半径 r の円で中心角が θ ラジアンのとき、θ は「弧長 ÷ 半径」なので、弧長は

s = rθ   (θ はラジアン)

扇形の面積も同じ考え方で得られる。円全体(θ = 2π)の面積は πr2;扇形はその θ⁄(2π) の割合なので、

面積 = θ · πr2 = ½r2θ = ½rs

注意

s = rθ面積 = ½r2θ の公式が成り立つのはθ がラジアンのときだけ。度をそのまま代入すると完全に間違いになる。90° の中心角に対応する弧長は r·(π/2) であって r·90 ではない。毎回、必ずラジアンに変換してから代入しよう。

試してみよう 扇形をダイヤルで操作しよう
半径と中心角(ラジアン)を設定すると扇形が再描画され、弧長 s = rθ と面積 ½r²θ がリアルタイムで表示される。
半径 r 2
角度 θ π/3
例題

芝生の散水器が r = 5 m 届き、120° = 2π/3 ラジアンを掃く。端の弧長:s = 5 · 2π/3 = 10π/3 ≈ 10.47 m。散水面積:½ · 52 · 2π/3 = 25π/3 ≈ 26.18 m²

まとめ

角は正の x 軸からの符号付き回転だ:反時計回りが+、時計回りがで、360° を超えても 0° 未満になってもよい。一周分を足し引きすると終辺は変わらない — それが同位角で、三角関数の値をすべて共有する。回転をラジアンで測る:弧長 ÷ 半径 が角の大きさで、一回転は 。この表と二つの公式を覚えよう。

30°45°60°90°180°270°360°
ラジアン0π/6π/4π/3π/2π3π/2

180° = π rad  ·  度→rad ×π180  ·  rad→度 ×180π  ·  s = rθ  ·  面積 = ½r2θ  (θ はラジアン)

練習問題

  1. 標準位置の半直線を +150° 回転させると、終辺はどの象限に属するか。また −150° の場合はどうか。

    答え

    150° は 90° と 180° の間なので第象限。−150° は 360° を足すと −150° + 360° = 210°、180° と 270° の間なので第象限。

  2. 100° と同位角になる正の角と負の角をそれぞれ一つ求め、[0°, 360°) の範囲の標準的な同位角も求めよ。

    答え

    正の角:100° + 360° = 460°。負の角:100° − 360° = −260°。100° はすでに [0°, 360°) の範囲にあるので、標準的な同位角はそのまま 100°

  3. π の分数の正確な値としてラジアンに変換せよ:135°210°300°

    答え

    135 × π/180 = 3π/4;  210 × π/180 = 7π/6;  300 × π/180 = 5π/3

  4. 度に変換せよ:5π/67π/411π/6

    答え

    5π/6 × 180/π = 5 × 30° = 150°;  7π/4 × 180/π = 7 × 45° = 315°;  11π/6 × 180/π = 11 × 30° = 330°

  5. 半径 r = 6 cm の円で、中心角 π/4 ラジアンの弧と扇形について、弧長と面積を求めよ。

    答え

    弧長:s = rθ = 6 · π/4 = 3π/2 ≈ 4.71 cm。面積:½r2θ = ½ · 36 · π/4 = 9π/2 ≈ 14.14 cm²

  6. 半径 10 の円の扇形で弧長が s = 25 のとき、中心角 θ(ラジアン)を求めよ。また、その角は四分の一回転より大きいか小さいか。

    答え

    s = rθ より θ = s/r = 25/10 = 2.5 ラジアン。四分の一回転は π/2 ≈ 1.57 rad、半回転は π ≈ 3.14 rad なので、2.5 rad は四分の一回転より大きく半回転より小さい(約 143°)。

🎯 確認クイズ

6問で理解を確かめよう。正しいと思う答えをタップしてね。

§ 先生・保護者の方へ

このレッスンは CCSS HSF-TF.A.1(ラジアンを弧長と半径の比として理解する)および HSF-TF.A.2(単位円上の反時計回りの角を通じて三角関数を全実数に拡張する)に対応し、円の幾何学で学んだ弧長と扇形の面積(HSG-C.B.5)を s = rθ と ½r²θ ですっきり表現し直す。大きな概念の転換は、角を静的な図形ではなく符号付き回転として捉えること。同位角は 25.4 で学ぶ周期性の伏線となっている。よくある誤りは、s = rθ や ½r²θ に度のまま代入してしまうこと — ラジアンへの変換を最初のステップとして習慣づけよう。

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