半直線をどの方向にも何回転でも回して、その回転量を弧で測ろう。
25.1 では角は直角三角形の二つの鋭角のうちの一つで、0° から 90° の間に閉じ込められていた。しかしその檻は狭すぎる。時計の針は 90° を超え、180° を超え、一周してまた回り続けるし、車輪は何千回転もする。三角関数で回転・振動・繰り返しを記述できるようにするため、角を回転として再定義しよう。半直線を正の x 軸に置き、そこから回す。反時計回りに回せば正の角、時計回りなら負の角。400°、−30°、3 回転でもかまわない。そしてその回転を度よりはるかに自然な単位で測る — ラジアン。半直線が描く弧の長さそのものが角の大きさになる単位だ。
原点から東向き(正の x 軸方向)に半直線を引く。これを始辺と呼ぶ。この半直線を原点を中心に回転させる。回転後の位置が終辺で、角とは始辺を終辺へ運ぶ「回転の量」そのものだ。
回転には二つの選択肢がある。一つ目は向き:反時計回りを正、時計回りを負とする。(象限の番号の付け方や、単位円での角の開き方と一致している。)二つ目は大きさ:半直線は 90° や 360° で止まらない。一周すると元の位置に戻るが、その間に 360° を掃いた。1 周と 10 分の 1 回転させれば 396° を掃いたことになる。こうして、回転角は何度でも — 小さくても大きくても負でも — かまわない。
標準位置の角は、頂点が原点にあり始辺が正の x 軸上にある。角は始辺を終辺へ運ぶ符号付き回転量(反時計回りが正、時計回りが負)で、何度でもよい。
回転が止まると、終辺がどこに落ち着くかで象限がわかる。右上の領域(0° と 90° の間)なら第Ⅰ象限、左上(90°〜180°)なら第Ⅱ象限、左下(180°〜270°)なら第Ⅲ象限、右下(270°〜360°)なら第Ⅳ象限だ。0°、90°、180°、270° のように軸上にぴったり乗った角は象限角と呼ばれ、どの象限にも属さない。GX.quadrant は 1〜4 を返し、軸上のときは 0 を返す。
ここが面白い。一周 — 360° — 回すと半直線はもとの終辺に戻ってくる。つまり何周分かを足したり引いたりしても、回転の数は変わるが終辺の向きは変わらない。終辺を共有する角を同位角(共終辺角)という。たとえば
30°、 30° + 360° = 390°、 30° − 360° = −330° はすべて同じ向き。
[0°, 360°) の範囲にある標準の同位角を求めるには、360° を足したり引いたりしてこの範囲に入れればよい — これが GX.coterminal の動作だ。同位角は終辺を共有するので、三角関数の値もすべて等しい:sin 390° = sin 30°。この事実こそが三角関数を周期関数にする理由で、25.4 のテーマだ。
760° の終辺はどこ? 一周分を引いていこう:760° − 360° = 400°、まだ大きい;400° − 360° = 40°。よって 760° は 40° と同位角で、第Ⅰ象限に属する。では −100° は? 360° を足す:−100° + 360° = 260°、第Ⅲ象限だ。
度は歴史の偶然の産物だ — かつて誰かが一回転を 360 等分した。もっと本質的な単位がある。円そのものが示してくれる単位だ。半径 r の円の中心に立ち、角を開く。角は円上に弧を切り取る。では問おう:弧の長さは半径の何倍か? その数がラジアンによる角の大きさだ。
つまり 1 ラジアンとは、弧の長さがちょうど半径 1 個分になる角だ。一回転はどれくらいか? 円周全体は 2πr — すなわち 2π 個分の半径の弧 — なので、一回転は 2π ラジアン。半回転は π ラジアン;90° の四分の一回転は π/2 ラジアン。この単位は無次元だ:弧長を半径で割るので r が消え、どんな大きさの円でも同じ角は同じラジアン値を持つ。
中心角のラジアン表示は(弧長)÷(半径)。円周 2πr は半径 2π 個分の長さなので、一回転 = 2π ラジアン。ラジアンは無次元 — 純粋な比だ。
二つの単位をつなぐ橋は一つの等式だ:半回転は 180° であり、同時に π ラジアンでもある。よって
180° = π ラジアン。
両辺を割ると換算係数が得られる。度をラジアンに変換するには π180 を掛け、ラジアンを度に変換するには 180π を掛ける。例えば 60° × π180 = π/3、3π/2 × 180π = 270°。これがそれぞれ GX.deg2rad と GX.rad2deg の動作だ。
よく使う角は掛け算九九のように覚える価値がある。パターンに注目:30°、45°、60° はそれぞれ π/6、π/4、π/3 — 分母の小さい π の分数 — で、象限角は π/2 のきれいな倍数になる。
| 度 | 30° | 45° | 60° | 90° | 120° | 135° | 180° | 270° | 360° |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ラジアン | π/6 | π/4 | π/3 | π/2 | 2π/3 | 3π/4 | π | 3π/2 | 2π |
225° をラジアンに変換:225 × π180 = 225π180 = 5π/4。7π/6 を度に変換:7π6 × 180π = 7 × 30° = 210°。
ラジアンはすぐに威力を発揮する。Stage 18 では扇形の弧長に 360° 分の何分の一という厄介な係数が必要だった。ラジアンを使えばすっきりする。半径 r の円で中心角が θ ラジアンのとき、θ は「弧長 ÷ 半径」なので、弧長は
s = rθ (θ はラジアン)。
扇形の面積も同じ考え方で得られる。円全体(θ = 2π)の面積は πr2;扇形はその θ⁄(2π) の割合なので、
面積 = θ2π · πr2 = ½r2θ = ½rs。
s = rθ と 面積 = ½r2θ の公式が成り立つのはθ がラジアンのときだけ。度をそのまま代入すると完全に間違いになる。90° の中心角に対応する弧長は r·(π/2) であって r·90 ではない。毎回、必ずラジアンに変換してから代入しよう。
芝生の散水器が r = 5 m 届き、120° = 2π/3 ラジアンを掃く。端の弧長:s = 5 · 2π/3 = 10π/3 ≈ 10.47 m。散水面積:½ · 52 · 2π/3 = 25π/3 ≈ 26.18 m²。
角は正の x 軸からの符号付き回転だ:反時計回りが+、時計回りが−で、360° を超えても 0° 未満になってもよい。一周分を足し引きすると終辺は変わらない — それが同位角で、三角関数の値をすべて共有する。回転をラジアンで測る:弧長 ÷ 半径 が角の大きさで、一回転は 2π。この表と二つの公式を覚えよう。
| 度 | 0° | 30° | 45° | 60° | 90° | 180° | 270° | 360° |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ラジアン | 0 | π/6 | π/4 | π/3 | π/2 | π | 3π/2 | 2π |
180° = π rad · 度→rad ×π180 · rad→度 ×180π · s = rθ · 面積 = ½r2θ (θ はラジアン)
標準位置の半直線を +150° 回転させると、終辺はどの象限に属するか。また −150° の場合はどうか。
150° は 90° と 180° の間なので第Ⅱ象限。−150° は 360° を足すと −150° + 360° = 210°、180° と 270° の間なので第Ⅲ象限。
100° と同位角になる正の角と負の角をそれぞれ一つ求め、[0°, 360°) の範囲の標準的な同位角も求めよ。
正の角:100° + 360° = 460°。負の角:100° − 360° = −260°。100° はすでに [0°, 360°) の範囲にあるので、標準的な同位角はそのまま 100°。
π の分数の正確な値としてラジアンに変換せよ:135°、210°、300°。
135 × π/180 = 3π/4; 210 × π/180 = 7π/6; 300 × π/180 = 5π/3。
度に変換せよ:5π/6、7π/4、11π/6。
5π/6 × 180/π = 5 × 30° = 150°; 7π/4 × 180/π = 7 × 45° = 315°; 11π/6 × 180/π = 11 × 30° = 330°。
半径 r = 6 cm の円で、中心角 π/4 ラジアンの弧と扇形について、弧長と面積を求めよ。
弧長:s = rθ = 6 · π/4 = 3π/2 ≈ 4.71 cm。面積:½r2θ = ½ · 36 · π/4 = 9π/2 ≈ 14.14 cm²。
半径 10 の円の扇形で弧長が s = 25 のとき、中心角 θ(ラジアン)を求めよ。また、その角は四分の一回転より大きいか小さいか。
s = rθ より θ = s/r = 25/10 = 2.5 ラジアン。四分の一回転は π/2 ≈ 1.57 rad、半回転は π ≈ 3.14 rad なので、2.5 rad は四分の一回転より大きく半回転より小さい(約 143°)。
6問で理解を確かめよう。正しいと思う答えをタップしてね。
このレッスンは CCSS HSF-TF.A.1(ラジアンを弧長と半径の比として理解する)および HSF-TF.A.2(単位円上の反時計回りの角を通じて三角関数を全実数に拡張する)に対応し、円の幾何学で学んだ弧長と扇形の面積(HSG-C.B.5)を s = rθ と ½r²θ ですっきり表現し直す。大きな概念の転換は、角を静的な図形ではなく符号付き回転として捉えること。同位角は 25.4 で学ぶ周期性の伏線となっている。よくある誤りは、s = rθ や ½r²θ に度のまま代入してしまうこと — ラジアンへの変換を最初のステップとして習慣づけよう。