乗法公式を逆向きに読む:平方の差と完全平方式。
レッスン 8.2 では、因数分解の第一手——全ての項が持つ共通部分を括り出すこと——を学んだ。しかしその一手だけで終わることはほとんどない。このレッスンでは、多項式がはまりうる三つのパターンを手渡す。それらは、すでに学んだ乗法公式を逆向きに読んだものだ:(a+b)(a−b) を掛けて a²−b² になる公式を、逆に a²−b² から二つの辺を取り出すのが因数分解だ。Stage 8 のカラールールも引き続き使う:因数(辺の長さ、求めている答え)はティール、展開された項(積、面積の一片)はアンバー、符号の罠や「まだ終わっていない」警告は赤、青のフレームは構造の骨格だ。
このレッスンを終えると、平方の差を見てすぐに因数分解でき、係数や高次のべきに隠された平方を見抜き、完全平方式を発見して因数分解し、2ab テストで本物かどうかを素早く確かめ、そして何より大切なこと——パターン探しの前に必ず共通因数を括り出す——を習慣にできるようになる。
因数分解で最も役立つ一行がこれだ:a² − b² = (a + b)(a − b)。言葉で言えば、平方から平方を引いたものは、常に根の和×根の差に分かれる。上の図が証明の全てだ:大きな a×a 正方形の角から小さな b×b 正方形を切り取った面積は a² − b²;余ったL字形を滑らせると長方形になり、その面積は (a+b) × (a−b) と測れる。
右辺を展開して確かめることもできる:(a+b)(a−b) = a² − ab + ab − b² = a² − b²。中間の二項 −ab と +ab は互いに打ち消し合う——この消去こそが、平方の差に中間項がない理由であり、中間項がある式がこのパターンに当てはまらない理由だ。
平方の差は根の和 × 根の差に因数分解できる:a² − b² = (a + b)(a − b)。a と b を声に出して確認すれば、完成だ。
a と b(a が b より大きくなるように)を設定しよう。ティールの領域が余った面積 a²−b²;右に表示される読み取り値が (a+b)(a−b) の長方形へ組み替えられた様子と数値確認を示す。
実際の問題では a と b という文字のままで現れることはほとんどない。コツは各項をまず平方として書き直すことで、そうすれば a と b が何かがわかる。係数 4 は 2 の平方、x⁴ は x² の平方、9 は 3² だ。両方の項が平方の形になれば、あとは公式が導いてくれる。
4x² − 9 を例にとろう。(2x)² − 3² と書き直す。すると a = 2x、b = 3 で、(2x − 3)(2x + 3) と因数分解できる。あるいは 25 − x² = 5² − x² = (5 − x)(5 + x)。このパターンはどちらの項が先に来るかを気にしない——一方の平方がもう一方の平方から引かれているかどうかだけが重要だ。
x⁴ − 16 を因数分解する。まず x⁴ − 16 = (x²)² − 4² = (x² − 4)(x² + 4)。しかしまだ終わっていない:最初の因数 x² − 4 はそれ自身が平方の差で、x² − 2² = (x − 2)(x + 2) となる。第二の因数 x² + 4 は平方の和なので、実数の範囲では因数分解できない。よって完全な答えは (x − 2)(x + 2)(x² + 4)。
a² + b² には実数での因数分解は存在しない。平方の和が中間項ゼロになる実数の組は存在しないため、x² + 4、x² + 9、x² + 1 はこれ以上因数分解できない。平方の間にマイナス符号があるときだけ、扉が開く。
二番目と三番目の公式はセットだ。二項式を二乗すると三項式が得られる: a² + 2ab + b² = (a + b)² および a² − 2ab + b² = (a − b)²。 両端の二項は完全平方;中間項は二つの根の積の2倍で、その符号が二項式が和か差かを教えてくれる。
図は辺 a + b の正方形を四つのタイルに分けたものだ:大きな a² の角、小さな b² の角、そして同じ大きさの a·b の帯が二枚。この二枚の帯を合わせたものが中間項 2ab だ——二枚あるから 2 がついている。
公式を逆向きに読む:三項式の両端が完全平方で、中間項がそれぞれの根の積の2倍に等しければ、一つの二項式の二乗にまとまる。x² + 6x + 9 = x² + 2·x·3 + 3² = (x + 3)²。マイナスの中間項の場合:4x² − 12x + 9 = (2x)² − 2·(2x)·3 + 3² = (2x − 3)²。
4x² − 12x + 9 を因数分解する。両端は平方:√(4x²) = 2x、√9 = 3 なので、a = 2x、b = 3 を試す。中間項を確認:2ab = 2·(2x)·3 = 12x で、与えられた中間項は −12x——大きさは一致し、符号がマイナスなので差の完全平方式:(2x − 3)²。展開して確認:(2x−3)² = 4x² − 12x + 9. ✓
a と b を設定しよう。正方形が四つのタイルに分かれる様子を見てみよう——二枚の ab の帯が中間項 2ab を作っている。読み取り値が三項式とその因数分解後の平方を表示する。
両端が平方の三項式が、すべて完全平方式というわけではない。このパターンの成否は一つのテストにかかっている:中間項が 2·(√最初)·(√最後) に等しくなければならない。等しくなければ、その三項式は別物であり、この公式は使えない。
x² + 5x + 9 を見てみよう。両端は平方——√(x²) = x、√9 = 3——なのでつい完全平方式だと思いがちだ。しかしテストを計算すると 2·1·3 = 6 で、実際の中間項は 5 だ。5 ≠ 6 なので、これは完全平方式ではない;(x + 3)²(これは x² + 6x + 9 になる)ではない。二項式の二乗を書く前に必ず 2ab の確認を行うこと。
| 三項式 | √最初 · √最後 | 2·(√最初)·(√最後) | 実際の中間項 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| x² + 6x + 9 | x · 3 | 6x | 6x | = → (x+3)² |
| 4x² − 12x + 9 | 2x · 3 | 12x | −12x | = → (2x−3)² |
| x² + 5x + 9 | x · 3 | 6x | 5x | ≠ → not a square |
両端が完全平方なだけでは不十分だ。中間項が正確に根の積の2倍であることも確認しなければならない。そのチェックを省くと、x² + 5x + 9 を (x + 3)² と「因数分解」してしまう——これは完全に間違いだ。
Ax² + Bx + C の三つの係数(A と C は完全平方)を設定しよう。テスターが 2·√A·√C を計算し、B が一致するかどうか——一致する場合は二乗の二項式も——教えてくれる。
Stage 8 全体を貫く習慣がこれだ:どのパターンを使う前にも、まず共通因数を括り出すこと。多項式は共通の数の後ろに平方の差を隠していることがあり、最大公約数(GCF)を見落とすとパターンを見逃したり、因数分解を途中で止めてしまったりする。
2a² − 2b² を見てみよう。目には差に見えるが、2 を括り出すまで根は整数にならない:2a² − 2b² = 2(a² − b²) = 2(a − b)(a + b)。同様に 3x² − 12 = 3(x² − 4) = 3(x − 2)(x + 2)、そして x³ − x = x(x² − 1) = x(x − 1)(x + 1)。どの場合もまず GCF を括り出し、それから残ったかっこが平方の差になる。
GCF が先、公式は後。共通因数をすべて括り出し、残った部分を確認してから、平方の差や完全平方式に当てはめる。括り出した因数は最終答えにも残す——忘れないこと。
三つのパターンを覚えれば一目で因数分解できる。平方の差は根の和と根の差の積:a² − b² = (a + b)(a − b)——各項をまず平方として書き直す必要がある場合(4x² − 9 = (2x−3)(2x+3))や、二度に分けて分解する場合(x⁴ − 16 = (x−2)(x+2)(x²+4))もある。x² + 4 のような平方の和は実数の範囲では因数分解できない。完全平方式は一つの二乗二項式にまとまる——a² ± 2ab + b² = (a ± b)²、つまり x² + 6x + 9 = (x+3)²——ただし中間項が本当に 2·(√最初)·(√最後) に等しい場合に限る。だから x² + 5x + 9 は完全平方式ではない。そして常に共通因数を先に括り出すこと:3x² − 12 = 3(x−2)(x+2)。
すべての三項式が完全平方式とは限らない。次は一般的な二次式 x² + px + q に対するたすき掛けを学ぶ:中間項に足して、最後の項になる掛け算をする二つの数を見つけ、両方を同時に確かめる十字図を使う。
まず自分で解いてから、答えを開いて確かめよう。
6問で定着させよう。正しいと思う答えをタップしよう。
このレッスンは A-SSE.A.2(式の構造を利用して書き換え方を見つける)と A-SSE.B.3a(二次式を因数分解して構造を明らかにする)を扱い、Stage 7 で多項式の乗法を学んだ際の特殊積の公式を土台にしている。平方の差と完全平方式は、その公式を右から左に読んだものに過ぎない。よくある誤解が三つある。第一に、x² + 9 のような平方の和を「因数分解しようとする」こと——実数の範囲では差のみが分解できると強調しよう。第二に、両端が平方というだけで x² + 5x + 9 を完全平方式と判断すること——対策は明示的な 2ab テスト:中間項は根の積の2倍でなければならず、ここでは 2·1·3 = 6 ≠ 5 だ。第三に、x⁴ − 16 = (x²−4)(x²+4) で止まり、x²−4 をさらに因数分解しないこと——「最後まで因数分解する」よう徹底しよう。最良の一つの習慣として、8.3.5 節で強調しているのは、a と b を声に出して言い、答えを展開して元の式と一致するか確認することだ。