「少なくとも」「せいぜい」「お得なプラン」を不等式に変換して、数直線の上で答えを読み取ろう。
Stage 12 を通じて、不等式を解く手順 — 変形・符号の反転・重なり・放物線 — を学んできた。この最後のレッスンでその成果を活かす。現実の世界では「2x + 1 > 5」のようなきれいな式は誰も渡してくれない。代わりに聞こえてくるのはこんな言葉だ。「最低でも15ドルの利益を出したい」「20ドル以内に収めたい」「どちらの携帯プランが安い?」「その板はちょうど50センチ、プラスマイナス半センチ以内で」。どれも不等式がコートを着ているだけだ。君の仕事はそのコートを脱がせることだ。
最終的に4つのことができるようになる。(1)「少なくとも / せいぜい / 十分な」という文を不等式に変え、解を範囲として読み取る。(2) 2つのプランを比べ、損益分岐点を求めてどちらが得かを調べる。(3) 12.6 の基本不等式を使って面積を最大化する。(4) 許容誤差のある測定値を絶対値不等式で表す。色の意味はこれまでと同じ。緑は真の部分(解の集合)、赤は排除された・不可能な部分、琥珀色は境界または大きい側、青は数直線と変数そのものだ。
どんな文章題も同じ手順で不等式になる。未知数に名前をつける。「大きい」や「小さい」を意味するフレーズを見つけ、対応する記号を書く — 少なくとも / 以上なら ≥、せいぜい / 以下なら ≤、より多い / より少ない(境界を含まない)なら >/<。次に方程式と同じように解く(負の数で割るときだけ符号を反転、12.3 参照)、そして答えを数直線の一区間として読み取る。
お店の例。あるお店が1個 $40 で仕入れ、1個あたり少なくとも $15 の利益を出したい。販売価格を x とする。利益は「販売価格 − 仕入れ価格」、つまり x − 40。「少なくとも$15」は15以上なので:
x − 40 ≥ 15 ⟹ x ≥ 55.
両辺に40を加えると — 加法では符号は反転しない — x ≥ 55 が得られる。お店は少なくとも$55の値段をつけるべきだ。55の点は塗りつぶしになっている。$55ちょうどでも利益$15になり、それは認められているから(「少なくとも」は境界を含む)。
少なくとも / 以上 → ≥. せいぜい / 以下 → ≤. より多い → >. より少ない → <. 前の2つは境界を含む(塗りつぶし点)、後の2つは境界を含まない(空点)。
タクシーの例。タクシーは初乗り $3、1kmごとに $2 かかる。使えるお金はせいぜい $20。走行距離を k km とすると運賃は 3 + 2k、「$20以内」は ≤ 20 を意味する。
3 + 2k ≤ 20 ⟹ 2k ≤ 17 ⟹ k ≤ 8.5.
代数では k ≤ 8.5 km。しかし現実が口を挟む。「0.5 km だけ乗る」ことはできないし、9km乗ると運賃が$20を超えてしまう。整数km単位で乗る必要があるため、切り捨てて 最大8km とする。(確認:8km では 3 + 2·8 = $19 ✓、9km では $21 で予算オーバー。)
答えが整数でなければならないとき、「どちらの方向が条件内に収まるか?」と問おう。予算(≤)なら切り捨て — km数を減らせば$20以内に収まる。「材料が十分」(≥)なら切り上げ — 4.2枚は買えないので5枚買う。代数が境界を与え、常識が向きを選ぶ。
2つのプランがあり、安い方を選びたい。コツは直感で決めることではなく — 2つがまったく同じになる1点、損益分岐点を求めることだ。その点の左側では一方が勝ち、右側では他方が勝つ。分岐点こそが答え全体の蝶番になる。
2つのストリーミングプラン。 プランA は月額固定 $30(視聴本数に関係なし)。プランB は基本料 $10 プラス1作品ごとに $0.50、n 作品の場合は 10 + 0.5n。2つが等しくなるのはいつか?
10 + 0.5n = 30 ⟹ 0.5n = 20 ⟹ n = 40.
ちょうど40作品のとき両プランとも$30 — これが分岐点だ。どちらが勝つかを確認するため、両側で1点ずつテストする。n = 20(ライトユーザー):プランBは 10 + 0.5·20 = $20、プランAの$30より安いので n < 40 のときBが安い。n = 50(ヘビーユーザー):プランAはまだ$30、プランBは 10 + 0.5·50 = $35 なので n > 40 のときAが安い。各側で1点テストするだけで確信が持てる。
「プランBの方がお得」は 10 + 0.5n < 30、つまり 0.5n < 20、すなわち n < 40 — 40作品未満。ちょうど40作品は引き分けなので、40の点は「厳密に安い」という主張に対して開点になる。
分岐点を求めた後、多くの人が間違った側を選ぶ。必ず1点でテストしよう。初期費用が低いプランが小さな n で勝ち、増え方が遅い(または固定の)プランが大きな n で勝つ。ここではBの方が初期費用が低い($10 < $30)のでBは左側で勝つ。
「どの値が許されるか」ではなく「できる限り最善にするには?」と問う問題もある。面積を最大に、コストを最小に。そのために 12.6 の基本不等式が鍵になる。2つの正の数の和が一定なら、積は2数が等しいときに最大になる。
納屋に接する囲い。納屋の側面に接する長方形の囲いを作る。納屋の壁が長い辺の1つを無料で提供してくれる。残りの3辺に使えるフェンスは 40 m。幅(短い2辺)を x とすると、2辺分の幅で 2x を使うので、残りの長さは 40 − 2x。面積は
A = x(40 − 2x) = 40x − 2x².
ここが巧みなステップだ。2つの部分 2x と 40 − 2x を見よう。2つを足すと常に一定の合計になる:2x + (40 − 2x) = 40。和が40の2つの正の数の積は、各々が半分つまり 20 のとき最大。つまり 2x(40 − 2x) ≤ (40/2)² = 400。2で割ると、
A = x(40 − 2x) = 2x(40 − 2x)2 ≤ 4002 = 200.
面積は 200 m² を超えることができない。等号が成立するのは2つの部分が等しいとき:2x = 40 − 2x より 4x = 40、つまり x = 10。長さは 40 − 2·10 = 20 — 10 m × 20 m の囲い、200 m²。(隣の値で確認:x = 9 → 9·22 = 198、x = 11 → 11·18 = 198、どちらも200に届かない。最大値は本当にx=10にある。)
ある量が2つの部分の積であり、その和が一定のとき、積は2つが等しいときに最大になる。これが12.6の「和が一定→積は等分のとき最大」の定理が実際に役立つ場面だ。最良の囲いは幅の2倍が長さと等しいときだ。
測定値は決して正確ではない。定規・はかり・機械 — どれにも許容誤差がある。「この板は50cm、半センチ以内の精度」は正確に50.000という意味ではない。真の長さが50に近いどこか、つまり0.5以内のずれがあるということだ。絶対値はまさにそれを表すために作られている。
|x − a| は「x と a の距離」を表す。だから「x が a から d 以内」は |x − a| < d — 距離がd未満。距離がd未満ということは、xがaの左右それぞれdの幅に収まっていること:
|x − a| < d ⟺ a − d < x < a + d.
板の例。測定値 50 cm、許容誤差 ±0.5 cm。つまり a = 50、d = 0.5、条件は |x − 50| < 0.5。展開すると:
|x − 50| < 0.5 ⟺ 49.5 < x < 50.5.
|x − a| < d は常に開区間 a − d < x < a + d に展開できる。中心が a、半幅が d。中心が目標値、半幅が許容誤差だ。(許容誤差が「d以下」なら ≤ と閉じた点を使う。)
絶対値の不等号の向きに注意。|x − a| < d(「aに近い」)は2数の間の1本のバンド。しかし |x − a| > d(「aから遠い」)はその反対 — 2本の半直線が外側に伸びる、x < a − d または x > a + d。「遠い」はバンドを切り取った残りだ。
現実世界の不等式は、コートを脱いだ日常の文だ。未知数に名前をつけ、キーワードを変換する — 少なくともなら ≥、せいぜいなら ≤、より少ない / より多いなら厳密な </> — 方程式と同じように解く(負の数で割るときだけ符号を反転)、そして答えを数直線の緑のひと続きとして読み取る。整数でなければならない場合は安全な向きに丸める。2つのプランを比べるなら損益分岐点を求め、1点でテストしてどちらが勝つかを確認。何かを最大化するなら基本不等式に頼る:和が一定 → 等分のとき積が最大(40mのフェンス → 10×20で200m²の囲い)。そして「a から d 以内」は絶対値バンド a − d < x < a + d。
この最後のバンド — 中心と許容誤差で固定された長さ — は次の単元平面幾何が測定を語る方法とまったく同じだ。そして納屋に接する囲いは「材料に対して最良の形」を初めて味わった体験だった。不等式はここで終わらない。これからの「できる限り大きく」「誤差以内に」という表現を陰で支えるエンジンになる。Stage 12 が終わった — 各レッスンに戻って復習しよう:12.1 · 12.2 · 12.3 · 12.4 · 12.5 · 12.6。
あるお店がリュックサックを $40 で仕入れ、1個あたり少なくとも$25の利益を出したい。販売価格 x の不等式を立てて解け。
乗り物の料金は初乗り $3 プラス1kmごとに $2、使えるお金はせいぜい$20。整数kmで何km乗れるか?
クラスパーティーの景品が必要で、1袋に 6 人分入っている。ゲストは 40 人。「全員分用意する」とは少なくとも40人分。整数袋で何袋必要か?
プランA は固定 $30、プランB は $10 + 1作品$0.50。n 作品のとき、プランBがお得になるのはいつか?
同じ2つのプランで、プランAがお得になるのはいつか?n = 50 で確かめよ。
長方形の囲いが壁を長い辺の1つとして使い、残りの3辺に 40 m のフェンスを使う。幅を x として面積を表し、面積が最大になる幅を求めよ。
同じ囲いで、手計算で確認してみよう:x = 9、x = 10、x = 11 のときの面積を計算せよ。どれが最大か?
板の測定値が 50 cm、精度 ±0.5 cm。許容誤差を絶対値不等式で表し、区間に展開せよ。
ボルトの幅は 12 mm が規格で、0.2 mm を超えてずれていたら合格(近すぎると却下 — 変わった検査)。「遠すぎたら却下」の条件を書いて展開せよ。
翻訳して解け。「ストリーミングサービスは月額$8に加え、レンタル1作品につき$1.50。マヤは請求を$20未満に抑えたい。」何作品 m レンタルできるか?
6問で定着させよう。正しいと思う答えをタップしよう。
このレッスンは Stage 12 の締めくくりとして、モデリング課題に全ツールキットを投入する。扱う基準は CCSS A-CED.A.1(1変数の不等式を作って問題を解く)、A-CED.A.3(現実の制約を表現する)、A-REI.B.3(解を求めてグラフに描く)で、数学的実践の基準 — とくに MP4(モデル化)と MP6(精度への注意) に沿っている。4つのセクションは4つの古典的問題ファミリーに対応する:翻訳して解く、比較と損益分岐点、最適化(12.6の相加平均・相乗平均不等式の穏やかな再利用)、絶対値による許容誤差。最もよくある誤解 №1 は言葉の翻訳ミス — 「以下」を > にしてしまう、現実的な制限を無視する(予算を切り上げる、人数やkmを分数で扱う)、分岐点を超えた先で間違ったプランを勝者に選ぶ。その解毒剤は、各例題で示す通り:キーフレーズを丁寧に翻訳し(「少なくとも」「以下」に ≥/≤)、次に具体的な1点でテストして不等式の向きと丸める方向がその物語で本当に意味をなすか確認する。紙の上では正しい数字でも、現実で支払えなければまだ間違った答えだ。